モスクワ




































モスクワ
Москва

右上から反時計回りにクレムリン、救世主ハリストス大聖堂、モスクワ大学、ボリショイ劇場、赤の広場、モスクワ・シティ
右上から反時計回りにクレムリン、救世主ハリストス大聖堂、モスクワ大学、ボリショイ劇場、赤の広場、モスクワ・シティ






モスクワの市旗

モスクワの市章

市旗

市章

愛称 : 「第三のローマ」
位置

の位置図

座標 : 北緯55度45分8秒 東経37度37分56秒 / 北緯55.75222度 東経37.63222度 / 55.75222; 37.63222
歴史
成立

1147年
行政



ロシアの旗 ロシア
 連邦管区

中央連邦管区
 行政区画

モスクワ連邦市
 市

モスクワ
市長

セルゲイ・ソビャーニン
(統一ロシア)
地理

面積
 
  市域
2,511 km2 (970 mi2)

標高
156 m
人口

人口
(2018年現在)
  市域
12,506,468人
    人口密度
  4,882人/km2
その他

等時帯

モスクワ時間 (UTC+3)
郵便番号
101xxx – 129xxx
市外局番
+7 495、+7 499
ナンバープレート
77、99、97、177、199

公式ウェブサイト : http://www.mos.ru/

モスクワ(ロシア語:Москва́ IPA: [mɐˈskva] マスクヴァーru-Moskva.ogg 発音[ヘルプ/ファイル])は、ロシア連邦の首都。連邦市として市単独でロシア連邦を構成する83の連邦構成主体のひとつとなっており、周囲を占めるモスクワ州の州都でもある。ただし州とは区別され「モスクワ市」(Город Москва)となる。人口は約1250万人でヨーロッパで最も人口の多い都市であり、世界有数の世界都市である。漢字による当て字は莫斯科。英語で発音した場合には、モスコーあるいはモスカウMoscow [ˈmɒskoʊ, ˈmɒskaʊ])のようになる。




目次





  • 1 地理


  • 2 人口


  • 3 民族


  • 4 標準時


  • 5 気候


  • 6 経済


  • 7 歴史


  • 8 市内の地理


  • 9 政治

    • 9.1 行政区分


    • 9.2 市政


    • 9.3 歴代市長



  • 10 交通

    • 10.1 鉄道

      • 10.1.1 エレクトリーチカ



    • 10.2 地下鉄


    • 10.3 路面電車


    • 10.4 道路


    • 10.5 空港


    • 10.6 水運



  • 11 文化

    • 11.1 教育

      • 11.1.1 大学


      • 11.1.2 研究所



    • 11.2 スポーツ



  • 12 観光

    • 12.1 世界遺産


    • 12.2 教会


    • 12.3 美術館


    • 12.4 その他の建造物


    • 12.5 ギャラリー



  • 13 ジンクス


  • 14 主な姉妹都市


  • 15 文学・芸術上に現れたモスクワ


  • 16 脚注


  • 17 関連項目


  • 18 外部リンク




地理


北緯55度45分、東経37度37分に位置する。市の中心をモスクワ川が蛇行しながら流れる。市域面積は2,511 km2に達する。植生的には北の針葉樹林帯と南の混合樹林帯との接点に位置する。土壌はポドゾルが主で、それほど肥沃ではない[1]



人口


市域人口は12,506,468(2018年)。2016年の近郊を含む都市圏人口は1,657万であり、世界第15位、ヨーロッパ第1位である[2]。世界有数のメガシティである。




民族


2010年の調査によると定住人口の中ではロシア人91.65%、ウクライナ人1.42%、タタール人1.38%の順となっているが、これらには移民や不法滞在者は含まれておらず、主に中央アジアから100万人を超える移民が在住しているとされる。



標準時


Map of Russia - Moscow time zone.svg

この地域は、モスクワ時間帯の標準時を使用している。時差はUTC+3時間で、夏時間はない。2011年3月までは標準時がUTC+3、夏時間がUTC+4であったが、同年3月からは夏時間を標準時とする形で夏時間制が廃止された。2014年10月から通年UTC+3となった。




気候


ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属する。年間降水量は707mmで、6月から8月にかけての夏季に最も降水量が多くなるが、一方で5月から8月にかけては晴天も多くなり、日照時間も最も多くなる。冬季には降水量は少なくなるものの曇天が続き、日照時間は非常に少なくなる。近年の冬季は気候変動と都市化による影響で以前に比較して平均気温が上昇しており、1981年から2010年の現平年値では、1961年から1990年の旧平年値より1月の平均気温で2.8度、2月が1.0度も上昇した。なお、1990年の1月の平均気温は-12.0度であったことを考えれば約5度も上昇している。しかしながら、2000年代以降でも、2006年、2010年、2011年、2012年、2013年には強い寒波の影響を受け零下30度前後まで冷え込んだことがある。また、ヒートアイランド現象により都市部と郊外では冬の冷え込みが大きく異なり10度前後の差になることもある。夏季は比較的暑くなり、30度を超えることも珍しくない。


過去最高気温は2010年7月29日の38.2度、過去最低気温は1940年1月の−42.2度である。


モスクワの気象観測は中心部から10kmほど離れた郊外のオスタンキノ公園に隣接する全ロシア博覧センター(通称ВВЦ,VCC)で行われており、緑豊かな場所にある。






























































































































































モスクワ (VVC) 1981–2010年平均, 極値 1879年–現在の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

最高気温記録 °C (°F)
8.6
(47.5)
8.3
(46.9)
19.7
(67.5)
28.9
(84)
33.2
(91.8)
34.9
(94.8)
38.2
(100.8)
37.3
(99.1)
32.3
(90.1)
24.0
(75.2)
16.2
(61.2)
9.6
(49.3)
38.2
(100.8)
平均最高気温 °C (°F)
−4
(25)
−3.7
(25.3)
2.6
(36.7)
11.3
(52.3)
18.6
(65.5)
22.0
(71.6)
24.3
(75.7)
21.9
(71.4)
15.7
(60.3)
8.7
(47.7)
0.9
(33.6)
−3
(27)
9.6
(49.3)
日平均気温 °C (°F)
−6.5
(20.3)
−6.7
(19.9)
−1
(30)
6.7
(44.1)
13.2
(55.8)
17.0
(62.6)
19.2
(66.6)
17.0
(62.6)
11.3
(52.3)
5.6
(42.1)
−1.2
(29.8)
−5.2
(22.6)
5.8
(42.4)
平均最低気温 °C (°F)
−9.1
(15.6)
−9.8
(14.4)
−4.4
(24.1)
2.2
(36)
7.7
(45.9)
12.1
(53.8)
14.4
(57.9)
12.5
(54.5)
7.4
(45.3)
2.7
(36.9)
−3.3
(26.1)
−7.6
(18.3)
2.1
(35.8)
最低気温記録 °C (°F)
−42.2
(−44)
−38.2
(−37)
−32.4
(−26)
−21
(−6)
−7.5
(18.5)
−2.3
(27.9)
1.3
(34.3)
−1.2
(29.8)
−8.5
(16.7)
−16.1
(3)
−32.8
(−27)
−38.8
(−38)
−42.2
(−44)

降水量 mm (inch)
52
(2.05)
41
(1.61)
35
(1.38)
37
(1.46)
49
(1.93)
80
(3.15)
85
(3.35)
82
(3.23)
68
(2.68)
71
(2.8)
55
(2.17)
52
(2.05)
707
(27.86)
平均降雨日数
0.8
0.7
3
9
13
14
15
15
15
12
6
2
105.5
平均降雪日数
18
15
9
1
0.1
0
0
0
0.1
2
10
17
72.2
% 湿度
83
80
74
67
64
70
74
77
81
81
84
85
76.7
平均月間日照時間
33
72
128
170
265
279
271
238
147
78
32
18
1,731

出典: [3][4][5][6]

























































  • 2010年7月29日、気温が38.2度に達した。130年前に開始された観測史上最高を記録した。これまでの最高は1920年の36.8度である。


  • 2010年8月10日、モスクワ市登録局は、7月のモスクワ市内の死亡者が1万4340人で、前年同月の死亡者9516人の1.5倍にあがったことを明らかにした。記録的な猛暑や森林・泥炭火災のスモッグによる健康被害が影響していると見られている。ドイツ・オーストラリア・カナダなどがモスクワにある大使館の外交官や家族を一時退去させるなどの影響が出た。非常事態省は、同国では500カ所以上で森林・泥炭火災が続き、火災面積は17万4000ヘクタールに拡大しているとしている。


経済




2014年のモスクワ都市圏の総生産は7944億ドルであり、世界10位の経済規模を有する[8]。ヨーロッパではロンドン都市圏、パリ都市圏に次ぐ3位である。


2016年、アメリカの経済誌『フォーブス』が公表した統計によると、10億ドル以上の個人資産をもつ大富豪は60人で、ニューヨーク、香港に次いで3番目に多い都市となった[9]


2011年にモスクワ市の予算規模が、ニューヨーク市に次いで第2位となった。ニューヨーク市の予算は、人口818万人に対し、659億9100万ドルで、モスクワ市の予算は、人口1151万人に対し、508億ドルとなっている。[10]



歴史








聖ワシリイ大聖堂


1147年にキエフ大公国のユーリー・ドルゴルーキー(手長公)が会合を行った場所として言及されるのが最古の記録である。1156年に砦が築かれて以降、徐々に小都市化していった。1237年から1238年にかけてはモンゴル帝国軍によって灰燼と帰した。


1271年、ウラジーミル大公アレクサンドル・ネフスキーの末子であるダニール・アレクサンドロヴィチが遺領としてモスクワを獲得し、モスクワ公国が成立した。3代目モスクワ公のイヴァン1世の代にキプチャク・ハン国にとりいってルーシ諸公からの徴税権を得たことから力をつけ、モスクワ大公国となった。1382年にはキプチャク・ハン国のトクタミシュ・ハンによって占領されるなどはあったものの、1480年、イヴァン3世がタタールのくびきを完全に終わらせることで、モスクワはロシア最大勢力の都となった。彼はウスペンスキー大聖堂やブラゴヴェシチェンスキー大聖堂やアルハンゲリスキー大聖堂を建設・再建し、クレムリンを壮麗なものとした。クレムリンの前に赤の広場が建設されたのもこの時代である。1534年から1538年にはクレムリン北東のキタイ・ゴロドをクレムリンと同じ城壁で囲み、以後この地域は商工業地域として発展した。




モスクワの歴史:赤色(クレムリン)、黄色(キタイ・ゴロド)、白色(白い町)、茶色(土の町)


1561年にはイヴァン4世によって聖ワシリイ大聖堂が建設された。1590年ごろにはクレムリンとキタイ・ゴロドの外側に城壁が築かれ、さらにその外側には土塁が築かれて、モスクワの町は大幅に拡張された。新しい城壁の内側はベールイ・ゴロド(白い町)、土塁と城壁の間はゼムリャノイ・ゴロド(土の町)と呼ばれた[11]。16世紀末には動乱時代となり、1610年には偽ドミトリー2世を擁したポーランド・リトアニア共和国軍がロシア・ポーランド戦争を起こしてモスクワを占領したが、商人のクジマ・ミーニンと公爵ドミトリー・ポジャルスキーを中心として組織された国民軍が1612年にモスクワを奪回し、翌1613年にはミハイル・ロマノフがツァーリに選出されてロマノフ朝が成立した。




1784年のモスクワの地図




フョードル・アレクセーエフの描いた赤の広場(1802年)


ロマノフ朝時代は国土の拡張にともないモスクワも成長を続けたが、ピョートル1世が1712年にロシア北西端のネヴァ川河口にサンクトペテルブルクを建設したことで首都の座を譲った。しかしそれ以後も副首都の座を保ち続け、歴代のロシア皇帝はモスクワにて戴冠式を行うことを常とした。古い貴族階級は遷都以後もモスクワに居住するものが多く、西欧の思想を取り入れる窓口となったサンクトペテルブルクに対し、モスクワは古いスラブ主義の思想の中心地となっていった。1755年にはロシア最初の大学であるモスクワ大学が開校した。このころ、ベールイ・ゴロドの城壁が撤去されて、その跡地にプリヴァール環状道路が建設された。1812年にはナポレオンのモスクワ侵攻(祖国戦争)を受け、街は灰燼に帰したが、その後すぐに復興された。19世紀にはゼムリャノイ・ゴロドの土塁も撤去されて、その跡地はサドーヴォエ環状道路となった。1851年にはサンクトペテルブルクとの間に鉄道が開通し、その後も1862年にはニージニー・ノヴゴロド、1864年にはリャザン、1868年にはクルスク、1870年にはヤロスラヴリへの鉄道が相次いで開業し[12]、ロシア中央部の商工業の中心としての地位は揺るぐことなく、農奴解放による労働力の流入や軽工業の発展もあいまって、19世紀末には人口は100万人を突破した。


ソビエトによって1918年に首都機能が移転され、ソビエト連邦とロシア・ソビエト社会主義共和国(現在のロシア連邦)の首都となった。大祖国戦争時には市の北西40kmの地点にまでドイツ軍が進出したものの、軍民一丸となった抵抗により陥落しなかった。かつては冷戦による対立関係があったアメリカのワシントンと共に、モスクワは超大国の首都として二分し、スターリンはニューヨークの高層ビルに対抗意識を持ち、スターリン様式という建物を多く建築した。ソ連崩壊後のロシア連邦においても引き続き首都であり、現在人口1000万を超えるロシアの政治経済の中心である。



























1400年から1856年までのモスクワの人口の推移
1400年1638年1710年1725年1738年1775年1785年1811年1813年1825年1840年
1856年
40 000200 000160 000145 000138 400161 000188 700270 200215 000241 500349 100368 800

























1868年から2002年までのモスクワの人口の推移
1868年1871年1888年1897年1912年1920年1926年1939年1959年1979年1989年
2002年
416 400601 969753 4591 038 6001 617 1571 027 3002 101 2004 609 2006 133 1008 142 2008 972 30010 383 000




『1867年に撮影されたモスクワのパノラマ』




市内の地理





赤の広場はモスクワの中心である




トヴェルスカヤ通り


モスクワは、中央にあるクレムリンから同心円状に広がっている町であり、クレムリンからはすべての方角に放射状に幹線道路が延びている。その幹線道路をつないでプリヴァール環状道路、サドーヴォエ環状道路、モスクワ環状道路(大環状道路)の3つの環状道路がある。モスクワ地下鉄環状線とほぼ同じ場所を走るサドーヴォエ環状道路は、1590年代のモスクワ市の土塁の跡に作られている[1]


クレムリンは1156年にユーリー・ドルゴルーキーがとりでを築いて以来一貫してモスクワの中心であり、モスクワ大公国時代からロシア帝国初期を通じて王宮がおかれていた。ソヴィエト連邦成立後はここに政府が置かれ、現在もロシア連邦の大統領府があるロシア政治の中枢である。クレムリンの正面には赤の広場が広がり、広場周辺にはグム百貨店や聖ワシリイ大聖堂、レーニン廟がある。広場の北東はキタイ・ゴロドと呼ばれ、モスクワ大公国時代からの商工業地域だったところで、現在では都心の一部となっている。その北にはかつてKGBの本部の置かれていたルビャンカや、ボリショイ劇場などがある。


クレムリンから北西に伸びるトヴェルスカヤ通りは、19世紀からの目抜き通りであり、現在でも繁華街となっている。トヴェルスカヤ通りはその先でレニングラード街道と名を変え、サンクトペテルブルクまで延びている。クレムリンから西へと伸びるアルバート通りは歩行者天国となっており、商店や土産物屋が立ち並んで観光客が多く訪れる。


クレムリンの南西には、モスクワ川に沿って救世主ハリストス大聖堂やトレチャコフ美術館がある。



政治





行政区分



Msk all districts.svg

2012年7月1日に、ノヴォモスコーフスキー区とトロイツキー区に相当する地域を編入したため、一挙にモスクワ市域面積が約2.5倍になった。それ以降、モスクワ市は以下の12の行政区(Административные округа, АО)に分かれている。従来は1960年代に開通したモスクワ環状道路がモスクワ市の境界線とほぼ一致していたが、現在は市域が当時の約3倍に拡大している。



  1. 中央区(Центральный АО


  2. 北区(Северный АО


  3. 北東区(Северо-Восточный АО


  4. 東区(Восточный АО


  5. 南東区(Юго-Восточный АО


  6. 南区(Южный АО


  7. 南西区(Юго-Западный АО


  8. 西区(Западный АО


  9. 北西区(Северо-Западный АО


  10. ゼレノグラード区(Зеленоградский АО


  11. ノヴォモスコーフスキー区(Новомосковский АО


  12. トロイツキー区(Троицкий АО

また、この行政区はさらにラヨン(район)に分かれている(ロシア語では、ライオンと発音される)。



市政


市議会の定数は35である。2009年10月12日の選挙では、統一ロシアが圧勝した。1992年に就任したユーリ・ルシコフ市長の下でモスクワ市は積極的な経済開発を行い、行政府がインフラ整備や外資の誘致などを徹底して行うことで高い経済成長を記録し、さらに小企業の保護育成に市政府が積極的に取り組むことで失業問題を解決し、失業率を全国平均の10分の1に押さえ込んだことから[13]、市民の高い支持を得て18年間の長期政権を維持したが、2008年のリーマン・ショック後に経済が減速するとともに長期政権に伴う汚職や腐敗が取りざたされるようになり、2010年9月28日にドミトリー・メドヴェージェフ大統領によって解任された[14]



歴代市長



  • ガブリール・ポポフ(初代、1991年 - 1992年)


  • ユーリ・ルシコフ(第2代、1992年 - 2010年)


  • ウラジーミル・レシン(臨時代理、2010年)


  • セルゲイ・ソビャーニン(第3代、2010年 - )


交通




市内の主要な公共交通機関は地下鉄をはじめ、バス、トロリーバス、路面電車、タクシー、乗合タクシー、近郊電車など。



鉄道


13の線路、方面別に9つのターミナル駅がある。列車の行先の地名が駅名になっている。



  • カザンスキー駅 - カザン・ビシュケク・タシケント・ドゥシャンベ方面


  • キエフスキー駅 - キエフ・キシナウ・ソフィア方面


  • クールスキー駅 - クルスク・ドネツク・シンフェローポリ方面


  • サヴョロフスキー駅 - サヴョロフ方面


  • パヴェレツキー駅 - ドモジェドヴォ空港・パヴェレツ・バクー・アルマトイ方面


  • ベラルースキー駅 - シェレメーチエヴォ国際空港・ベラルーシ・ヴィリニュス・ワルシャワ・ベルリン・パリ方面


  • ヤロスラフスキー駅 - ヤロスラヴリ・ウラジオストク・ウランバートル・北京・平壌方面(シベリア鉄道を走る「ロシア号」ウラジオストク行が発着)


  • リーシスキー駅 - リガ方面


  • レニングラーツキー駅 - サンクトペテルブルク(旧称・レニングラード)・タリン・ヘルシンキ方面


エレクトリーチカ


エレクトリーチカ(近郊電車)はモスクワ市内と郊外を結ぶ路線で縦横無尽に走っている。2016年には都市高速鉄道としてモスクワ中央環状線が開通したが、これは地下鉄のネットワークに含まれている。



地下鉄






環状線キエフスカヤ駅の様子


市内には、地下鉄が11の路線網を張り巡らしており、世界で最も利用客の多い地下鉄の一つとなっている。また、ヨシフ・スターリン政権時代に建設された駅を中心として、豪華絢爛な装飾が施されており、モスクワ市民の誇りとなっている。地下鉄路線の終点を起点とした高架線主体のライトメトロ(лёгкое метро)2路線(1路線は建設中)、およびモノレール1路線がある。


路線や駅にもよるが、きわめて深い場所に作られた豪華な装飾の駅と、地上と駅を結ぶ長い超高速エスカレーターはモスクワ地下鉄の特徴である。



路面電車



郊外を中心に路面電車の路線網が張り巡らされており、地下鉄の補完的役割を果たしている。



道路



モスクワ市内にはトゥヴェルスカヤ通り、アルバート通りなど比較的名が知られた通りがある。市中心部から道路が放射状に伸びていて、北西にはサンクトペテルブルクへと向かうレニングラード街道(トゥヴェルスカヤ通り、モスクワ~サンクトペトルブルク高速道路は途中の一部のみが開通)、北東にはヤロスラヴリ街道、東にはニジニ・ノヴゴロドに向かうゴーリキー街道、南東にはリャザン街道、南にはワルシャワ街道、南西にはキエフ街道(レーニンスキー大通り)やスモレンスク街道といった伝統的に行き先の名をとった道路は、現在はロシア連邦道路M何号として整理されている幹線道路へつながっている。市内の環状道路には内側からサドーヴォエ環状道路、3号環状道路(2004年完成)、4号環状道路(建設中)、モスクワ環状自動車道路、小環状道路、中央高速道路、大環状道路などがある。


クレムリンに隣接する市中心部のマネージ広場が「道路元標」になっている。近年は自動車の普及により、市内での慢性的な渋滞や駐車スペース不足が大きな問題となっている。



空港




シェレメチェボ・ターミナルD(2009年開業)


市内および市郊外に4つの空港がある。国際線が発着するのは市の北にあるシェレメーチエヴォ国際空港(I,II)と市の南にあるドモジェドヴォ空港と、カフカス方面のヴヌーコヴォ国際空港の3つ。ほかにも国内線用のビコヴォ空港があったが、2010年に旅客の取扱を終了した。また、近年はラメンスコエ空港を第4の空港と位置付けており、2016年に旅客ターミナルが竣工した。


旧ソ連時代はシェレメーチエヴォ国際空港に主に国際線が発着し、旧ソ連国内線は主にドモジェドヴォ空港に発着していたが、ソ連崩壊後この区別が消滅し、とくに2000年以降老朽化の進むシェレメーチエヴォ国際空港にかわって、設備の整ったドモジェドヴォ空港に諸外国の航空会社が相次いで乗り入れ先を変更して、ドモジェドヴォ空港が事実上モスクワのメイン空港となった。シェレメーチエヴォ国際空港はロシアのフラッグキャリアであるアエロフロート・ロシア航空がハブ空港としているが、アクセスや設備で悪評が高かった。しかし、2007年から2010年にかけて鉄道アクセスの整備や新ターミナルが完成した。



水運


モスクワ川には「川の南駅」、モスクワ運河(モスクワ川~ヴォルガ川)には「川の北駅」があり、冬季以外の水運も盛んである。モスクワ川が市内を蛇行する部分では遊覧船の運行も行われている。モスクワ川、ヴォルガ川等を伝い白海、バルト海、カスピ海、アゾフ海、黒海と行き来できるため「五海洋への港町(портом пяти морей)」と呼ばれる。



文化





教育




創立当時のモスクワ国立大学





モスクワ音楽院正面とチャイコフスキーの像



1755年に創設されたロシア最古の大学であるモスクワ大学や、これと並ぶ評価を受けているモスクワ国際関係大学、モスクワ音楽院などをはじめ、多くの高等教育機関、専門学校、研究所がある。



大学



  • 全ロシア通信制金融経済大学 (All-Russian Distance Institute of Finance and Economics)


  • モスクワ音楽院 (Moscow Conservatory、チャイコフスキー記念)


  • モスクワ電子・数学大学 (en:Moscow Institute of Electronics and Mathematics)


  • モスクワ人文科学大学 (en:Moscow University for the Humanities)


  • モスクワ国立美術大学 (Moscow State Art Institute,、スリコフ記念)


  • モスクワ物理技術大学 (en:Moscow Institute of Physics and Technology)


  • モスクワ国際関係大学 (Moscow State Institute of International Relations)


  • モスクワ国立言語学大学 (en:Moscow State Linguistic University)


  • モスクワ国立医学大学 (Moscow State Medical University、セチェノフ記念)


  • モスクワ教育大学 (en:Moscow State Pedagogical University)


  • モスクワ国立大学 (Moscow State University、ロモノソフ記念)


  • ロシア諸民族友好大学 (Peoples' Friendship University、ルムンバ記念)


  • ロシア国立地質大学 (en:Russian State Geological Prospecting University)


  • ロシア経済アカデミー (Russian University of Economics、プレハーノフ記念)


研究所


  • クルチャトフ研究所

  • シュテルンベルク天文研究所

  • ステクロフ数学研究所

  • モスクワ研究所 アガト

  • モスクワ熱技術研究所

  • レベデフ物理学研究所

  • ロシア宇宙科学研究所


スポーツ


  • プロサッカークラブ
    • ロコモティフ・モスクワ

    • スパルタク・モスクワ

    • PFC CSKAモスクワ

    • ディナモ・モスクワ

    • FCモスクワ

    • FCトルペド・モスクワ

    • FCニカ・モスクワ

    • FCゼレノグラード・モスクワ

    • スポーツアカデミークラブ・モスクワ


  • プロバスケットボールクラブ
    • PBC CSKAモスクワ

    • ディナモ・モスクワ

    • BCヒムキ・モスクワ


  • プロバレーボールクラブ
    • CSKAモスクワ_(男子バレーボール)

    • VCディナモ・モスクワ


  • プロアイスホッケークラブ
    • HC CSKAモスクワ

    • HCディナモ・モスクワ

    • HCスパルタク・モスクワ



  • 1980年モスクワオリンピック: レーニン・スタジアムをメイン・スタジアムとして、1980年に開催された。共産圏では史上初のオリンピック競技大会だったが、50カ国以上がボイコットし「スポーツと政治」の関係が問われた大会となった。

  • プロテニスクレムリン・カップ毎年開催


  • 2018 FIFAワールドカップの開催都市のひとつとなり、FCトルペド・モスクワの本拠地ルジニキ・スタジアムとFCスパルタク・モスクワの本拠地となる新築のスパルタク・スタジアムが会場として使用された。


観光


モスクワには赤の広場、クレムリン、美術館劇場からモスクワ川クルーズ、サーカス、動物園まで、あらゆる世代の人々の観光ができる。



世界遺産





  • クレムリンと赤の広場


  • コローメンスコエの昇天教会


  • ノヴォデヴィチ修道院の建造物群


教会




  • 聖ワシリイ大聖堂

  • 救世主ハリストス大聖堂


  • 生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)


  • 生神女福音大聖堂(ブラゴヴェシェンスキー大聖堂)


美術館




  • トレチャコフ美術館

  • プーシキン美術館


その他の建造物




  • 全ロシア博覧センター


  • モスクワ国際ビジネスセンター(モスクワ・シティ)

  • トライアンフ・パレス


  • モスクワ大学(スターリンゴシック・セブンシスターズ)


  • ホテル・レニングラード (スターリンゴシック・セブンシスターズ)


  • ロシア外務省(スターリンゴシック・セブンシスターズ)


  • ホテル・ウクライナ(スターリンゴシック・セブンシスターズ)

  • ボリショイ劇場

  • マールイ劇場

  • タガンカ劇場

  • ロシア国立図書館

  • モスクワ芸術座

  • トレチャコフ美術館

  • ルジニキ・スタジアム

  • ロコモティフ・スタジアム

  • ディナモ・スタジアム

  • エドゥアルド・ストレリツォフ・スタジアム

  • ツェントロソユーズ

  • モスクワ動物園

  • ボリショイ・モスクワ国立サーカス


ギャラリー



ジンクス


ソ連発足以来政治・経済・文化の中心であるはずのモスクワの出身者はなぜか最高指導者になれないと言うジンクスが存在する。実際に、



  • ウラジーミル・レーニン ウリヤノフスク出身


  • ヨシフ・スターリン 現ジョージア、ゴリ出身


  • ゲオルギー・マレンコフ オレンブルク州出身


  • ニキータ・フルシチョフ クルスク出身


  • レオニード・ブレジネフ 現ウクライナ、カメンスコエ出身


  • ユーリ・アンドロポフ スタヴロポリ地方、ナグツカヤ出身


  • コンスタンティン・チェルネンコ クラスノヤルスク出身


  • ミハイル・ゴルバチョフ スタヴロポリ地方、プリヴォリノエ村出身


  • ボリス・エリツィン エカテリンブルク出身


  • ウラジーミル・プーチン サンクトペテルブルク出身


  • ドミートリー・メドヴェージェフ サンクトペテルブルク出身

となっている。



主な姉妹都市









文学・芸術上に現れたモスクワ


歌曲


  • 『モスクワ郊外の夕べ』


  • 旧ソ連の歌曲-『モスクワ防衛軍の歌』


  • マイケル・ジャクソンの曲-『ストレンジャー・イン・モスクワ』


  • ジンギスカンの曲 -『めざせモスクワ』


脚注



  1. ^ ab「朝倉世界地理講座 大地と人間の物語10 東ヨーロッパ・ロシア」p255 朝倉書店 2007年1月25日初版1刷


  2. ^ 世界の都市圏人口の順位(2016年4月更新) Demographia 2016年10月29日閲覧。

  3. ^ ab
    “WMO averages”. 2011年1月12日閲覧。



  4. ^
    “Pogoda & Climate (Weather & Climate)” (Russian). 2011年1月12日閲覧。


  5. ^ ab
    “Climate monitor 2005-2011” (Russian). 2011年1月12日閲覧。


  6. ^ ab
    “Average monthly Sunshine hours” (Russian). Meteoweb.ru. 2011年1月12日閲覧。



  7. ^
    “VVC info” (Russian). 2011年1月12日閲覧。



  8. ^ Cities Rank Among the Top 100 Economic Powers in the World Chicago Council on Global Affairs 2016年10月28日閲覧。


  9. ^ The Cities With The Most Billionaires Forbes 2016年10月28日閲覧。


  10. ^ モスクワ市の予算 世界中の都市で第2位: The Voice of Russia


  11. ^ 「新版 ロシアを知る事典」内「モスクワ」項 平凡社 2004年1月21日発行


  12. ^ 「朝倉世界地理講座 大地と人間の物語10 東ヨーロッパ・ロシア」p244 朝倉書店 2007年1月25日初版1刷


  13. ^ 「現代ロシアを知るための55章」pp98-101 下斗米伸夫・島田博編 明石書店 2002年6月25日初版第1刷


  14. ^ ロシア:メドベージェフ大統領、モスクワのルシコフ市長を解任 ブルームバーグ、2012年6月9日閲覧


  15. ^ http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/gaimuka/shimaiyuukou/sistercitytop.htm 東京都 東京都の姉妹友好都市 2013年2月26日閲覧


  16. ^ “Twin Towns”. www.amazingdusseldorf.com. 2009年10月29日閲覧。


  17. ^ “Miasta partnerskie Warszawy”. um.warszawa.pl. Biuro Promocji Miasta (2005年5月4日). 2007年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月29日閲覧。


  18. ^ “Prague Partner Cities” (Czech). 2009 Magistrát hl. m. Prahy. 2009年7月2日閲覧。


  19. ^ “Sister Cities of Manila”. 2008–2009 City Government of Manila. 2009年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月2日閲覧。


  20. ^ Moscow and Rejkjavik sister cities. Archived 2009年1月7日, at the Wayback Machine.. Retrieved on 2008-03-11


  21. ^ Twinning Cities: International Relations (PDF)”. Municipality of Tirana. www.tirana.gov.al. 2011年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月23日閲覧。


  22. ^ Twinning Cities: International Relations. Municipality of Tirana. www.tirana.gov.al. Retrieved on 2008-01-25.


  23. ^ “Cooperation Internationale” (French). © 2003–2009 City of Tunis Portal. 2008年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月31日閲覧。



関連項目


  • モスクワ・シティ


  • モスクワ (小惑星)(モスクワに因んで命名された小惑星)

  • モスクワの市旗


  • パルナス製菓‐かつて大阪府にあった食品メーカー。モスクワの国営ボルシェビーク製菓工場長の指導を受けモスクワの味をキャッチコピーとしていた。


外部リンク




政府

  • モスクワ市役所 (ロシア語)


  • モスクワ市議会 (ロシア語)

日本政府

  • 在ロシア日本国大使館 (日本語)
観光

  • モスクワ市観光局 (英語)
その他
  • モスクワのウェブカメラ


  • ロシア国立図書館 (ロシア語)(英語)


  • ロシア正教会の聖堂 (ロシア語)








Popular posts from this blog

Top Tejano songwriter Luis Silva dead of heart attack at 64

ReactJS Fetched API data displays live - need Data displayed static

Evgeni Malkin