声楽
声楽(せいがく)とは器楽の対語であり、人声を中心とした音楽を指す。通常、浪曲や演歌は含まない[1]。
目次
1 概要
2 西洋音楽における声楽
2.1 声種
2.2 声の性格
2.3 声楽の種類
3 伝統的な日本音楽における声楽
4 脚注
4.1 注釈
4.2 参照
5 参考文献
6 関連項目
概要
人間の声によって人生の哀歓や悲壮美・崇高美などを聴衆に感じさせる音楽分野である[1]。本来的には西洋音楽の用語であり、器楽に対して人間の声による音楽を指す[2]。
西洋音楽における声楽
歌、歌曲、合唱曲、オペラ、カンタータなど人間の声による音楽[2]であり、しばしば楽器伴奏が加わる。声楽を専攻し、生業としている音楽家を声楽家と呼ぶが、この用語は主にクラシック音楽の歌手を指して用いられる。
なお、人声があってもベートーヴェンの第9交響曲「合唱付き」やグスタフ・マーラーの交響曲のように、関心が器楽的演奏に向けられている場合は声楽曲とはよばない[3]。
声種
声の音域による区別を声種という。
女声- ソプラノ
- メゾソプラノ
アルト(コントラルト)
男声
ソプラニスタ(ソプラニスト)
カウンターテナー(カウンターテノール)- テノール
- バリトン
- バス
- カストラート
- 児童の声
- ボーイソプラノ
声の性格
ソプラノ- コロラトゥーラ・ソプラノ
ソプラノ・レッジェーロ:軽やかなソプラノ(レッジェーロleggieroはイタリア語で「軽い」の意)。
ソプラノ・リリコ・レッジェーロ:リリック・ソプラノの中でも軽めのソプラノ。- ソプラノ・リリコ(リリック・ソプラノ):抒情的なソプラノの意。
リリコ・スピント:リリコよりも更に重い役を歌うソプラノを指す。- ソプラノ・ドラマティコ(ドラマティック・ソプラノ):最も重いソプラノの声種。メゾ・ソプラノの役もカバーしている歌手もいる。
テノール- テノーレ・レッジェーロ
- テノーレ・リリコ・レッジェーロ
- テノーレ・リリコ(リリック・テノール)
- テノーレ・リリコ・スピント
- テノーレ・ドラマティコ(ドラマティック・テノール)
声楽の種類
- 独唱
- 斉唱
- 重唱
- 合唱
伝統的な日本音楽における声楽
声楽は、伝統的な日本音楽(邦楽)において、その大部分を占めている[4]。日本音楽における声楽は、「歌いもの」と「語りもの」に大きく分けられる[4]。
「歌いもの」は、旋律やリズムなど、その音楽的要素が重視される楽曲であるのに対し、「語りもの」は詞章が何らかの物語性をもつ楽曲であり、語られる内容表現に重点が置かれる音楽である[4]。
脚注
注釈
参照
- ^ ab『新明解国語辞典』(2010)
- ^ ab『旺文社国語辞典』(1965)
^ 石多 (2004)- ^ abc薦田 (1990) p.116
参考文献
松村明・山口明徳・和田利政編『旺文社国語辞典』1965年2月。[要検証 ]- 薦田治子「平曲の旋律-〈卒塔婆流〉」山川直治編集『日本音楽の流れ』音楽之友社、1990年7月。ISBN 4-276-13439-0
石多正男「声楽」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4-09-906745-9
山田忠雄ほか編『新明解国語辞典』三省堂、2010年1月。ISBN 978-4-385-13144-3
関連項目
- 発声法
- ベルカント
- ボイストレーニング
- ディクション