ジャーナリスト










ジャーナリスト(英: Journalist)とは、新聞、雑誌など、あらゆるメディアに報道用の記事や素材を提供する人、または職業である。明治時代には「操觚者(そうこしゃ)」と訳された。




目次





  • 1 発祥


  • 2 定義


  • 3 分業制


  • 4 研究や評価


  • 5 企業等の対応


  • 6 脚注

    • 6.1 注釈


    • 6.2 出典



  • 7 参考文献


  • 8 関連項目


  • 9 外部リンク




発祥


19世紀はじめごろはチャールズ・ディケンズのような、ジャーナル (journal) に記事を書く人を指した。


これが転じて新聞やジャーナルの記事を書く人を指すようになった。ジャーナリストとは、新聞社やテレビ局など報道機関に所属して取材活動を行う者もいれば、特定の報道機関に所属しないでフリーランスとして取材活動を行う者もいる。前者に関しては、報道機関に所属しているという点で、ジャーナリストとしての一定の資質や能力が推定される。フリーランスのジャーナリストにおける資質や能力に関しては下記を参照のこと。



定義


マスメディアに報道記事を寄稿する人のことを指す。ただし写真、動画を専門にメディアに提供する人や職業は通常、カメラマンと呼び、ジャーナリストとは呼ばれない。 また報道以外(小説、漫画、宣伝広告、読者欄など)へ寄稿する人もジャーナリストとは呼ばれない。類似の活動として野次馬があるが、ジャーナリストとの違いは報道記事として寄稿しない、本人の興味や利害に影響されることである。


欧米諸国では大学ないし大学院におけるジャーナリズム教育が盛んに行われていて、オンブズマン制度が浸透しており、政府機関が記者会見に参加するためのメディアパスを発行の基準が存在している。フリーのジャーナリストは新聞社、テレビ局(まれに専門出版社)でジャーナリズムの実務経験を積んだ後で転身するケースがほとんどである。


いっぽうで日本の法律においては「ジャーナリスト」と自称する際の特別な基準は存在していないが、日本自動車ジャーナリスト協会のように業界独自の基準を定めている場合もある。ジャーナリストとなるために教育システムや制度は整備されていない。このため教育は報道機関の社員教育、経験者に教えてもらう、独学で覚えるなどを行う必要がある。だれでも「ジャーナリスト」と自称することが可能であり、ジャーナリストとしての資質や実績がまったくない者が「ジャーナリスト」と自称しても法的に詐称にはならない。また、より専門的な分野を得意としていることを示すために、「**ジャーナリスト[注釈 1]」を自称することもある。ただし日本における「ジャーナリスト」は文章を採用するメディアが取捨選択する過程で自然淘汰されることに任せている状態であり、資質や能力に問題がある者がジャーナリストにふさわしくないとして強制的に排除されるシステムは存在しない。そのため、文章作成を初めとする能力、資質、倫理観などが欠如している者でも何らかのメディアに寄稿さえしていれば「ジャーナリスト」と自称してもまちがいとまでは言えないが、ジャーナリストと呼ぶに値するかの点では議論の対象になる[注釈 2]


ジャーナリストは事実に対する現状や意義、展望を報道する専門家であるとされるが[2]、ジャーナリストの倫理観や政治的態度にもとづいて左右され、ジャーナリスト自身の経済的基盤、個人的利害関係が記事の内容に大きく影響を与えるケースもある[注釈 3]。特定の団体に所属していないジャーナリストのなかには「フリージャーナリスト」と自称する者も多いが、出稿媒体や取材対象、ジャーナリストの取材対象及びその隣接分野を研究している研究者との利害関係がないことを示すものではない。日本では政治活動家が「ジャーナリスト」と自称する者が少なくはないが、個々のジャーナリストもしくは政治活動家の活動領域にもよるが、ジャーナリストと政治活動家との活動領域は非常に密接に重なりあうこともある。


ジャーナリストとして社会的に高い評価を受けるには、報道の正確性・客観性のみならず、報道対象の選定も重要となる。たとえば犯罪や社会的不祥事とはまったく無関係の無名の私人について報道したところで、いかに内容が正確であっても単なるプライバシーの侵害にしかならないとも解釈できる。適切な報道対象の選定を行う能力、正確かつ客観的な報道を行う能力を兼ね備えなければジャーナリストとして評価を受けることはできないのである。


社会的評価を受けているジャーナリストの書いた記事や報道(ジャーナリズム)は影響が大きい。フリージャーナリストの草分けである黒田清のように「ジャーナリズムの基本は伝えることではなく弱者の訴えを代弁すること」を信念とするものもいるように、日本独自に発展したジャーナリズム観も生まれている。


ニュース雑誌の巻頭を飾るような記事を、雑誌社に売り込むことを仕事にしているフリージャーナリストのことを「トップ屋」と呼ばれる。


なおゴシップ誌に代表される芸能人の結婚・離婚などのスキャンダル情報を主に扱うジャーナリズムは、イエロージャーナリズムと呼ばれる。イエロージャーナリズムをジャーナリズムに含めるべきかどうかはつねに論争となる点ではあるが、報道価値の点からみると、社会的には評価されない傾向にある。


また、ジャーナリストは他の職業と比較すると非常に身の危険がともない殉職する者も少なくない。特に、戦場ジャーナリストは、紛争地を取材中に死亡したり、負傷する者も少なくない。ジャーナリストの危険性は紛争地の取材だけではなく、戦後の日本においても公式には自殺や事故死などとして処理されるが極めて不審な死を遂げたジャーナリストもいる。日本平和学会は特定秘密保護法により、特にフリージャーナリストは同法に違反した容疑で逮捕される可能性が高まると主張している[5][6]



分業制


ジャーナリストのなかでも、特に記事執筆のために必要なデータ収集を専門とする人間を「データマン」、そしてデータマンの集めてきたデータを元に記事を執筆する人間を「アンカーマン」と呼ぶ。


いわばデータマンはアンカーマンのアシスタント的な役割を果たしており、多くのジャーナリストはまずデータマンとして経歴をスタートし、経験を積んだ上でアンカーマンとなるのが一般的である。テレビのニュース番組の司会者(ニュースキャスター)のことを「アンカーマン」と呼ぶのは、この用法が転じたものである。



研究や評価


社会に広く情報を提供する役割を担っているため、ジャーナリスト自身がしばしば研究の対象ともなる。 ジャーナリストという呼称自体が人物に対する社会的評価であるという見方もある。


ジャーナリストにどのようなかたよりがあるか、それがどのようなバイアスに結びつくか、といった研究や、個々のジャーナリストの活動や判断についての評論などが存在する。これらの評論は、ジャーナリストの信頼性等を評価する意味で有用であったり、そもそもジャーナリストと呼ぶに値しない者を排除するシステムとしても機能している。ジャーナリストとして活動を行い始めた時点で、彼らは公人とならざるを得ない宿命があり彼ら自身の態度ならびに態度変容にいたるまで観察ならびに研究対象とされる。たとえば、前科前歴のある者がジャーナリストを名乗った場合、ジャーナリストの公人性により前科等の言及は名誉毀損とはならず、むしろ積極的な研究の対象となるのである。


国際的に情報技術の高度な発展により、一般人でも、個人のウェブサイトやブログなどを用いて「ジャーナリスト」と名乗るか否かはともかく容易に情報発信活動を行うことが技術的に可能になっている。情報を受信する者にとっては、一定の時間内で「無意味な」情報を捨てて「有意義な」情報を収集するという、情報の価値や真贋を見抜くリテラシー能力がより一層求められているが、各個人の情報リテラシーにはおのずと限界がある。そのため、ジャーナリストによって発信される情報は、情報収集の過程で重要な意味を持つ。情報発信者は「ジャーナリスト」と名乗ることで情報発信力を強めることができるため、「ジャーナリスト」の肩書きは濫用される傾向にある。



企業等の対応


近年のインターネットの発達により、ブログなどのメディアを主な発表の場として活動するジャーナリストが増加しているが、それらのジャーナリストに対する対応は企業によってまちまちである。個人ジャーナリストに対しても積極的に情報提供を行い企業の広報活動に利用しようとする企業がある反面、個人ジャーナリストを警戒し、新聞社等の紹介があった場合のみ対応する、あるいは個人の取材を受け付けないという方針を持つ企業も存在する。


多くの企業では、社会的評価を得ていない個人ジャーナリストへの対応は、原則として一般個人の活動として扱う実務が定着してきた。



脚注


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注釈




  1. ^ 例:国際ジャーナリスト、軍事ジャーナリスト、経済ジャーナリスト、教育ジャーナリスト、芸能ジャーナリスト、中東ジャーナリスト。


  2. ^ 『ジャーナリズムの原則』の著者でニューヨーク・タイムズのワシントン支局長を務めたビル・コヴァッチは、真実を追求する作業を行わない者はジャーナリストとは呼べないと指摘している[1]


  3. ^ アメリカではジャーナリストの取材対象からの独立が強く求められていて、記者が社会運動にかかわることは固く禁じられている[3][4]



出典




  1. ^ 烏賀陽 2012, pp. 190-191.


  2. ^ 烏賀陽 2012, p. 194.


  3. ^ 烏賀陽 2012, pp. 194-195.


  4. ^ 原 2009, pp. 20-21.


  5. ^ 日本平和学会第20期理事会有志一同、歴史に逆行する「特定秘密保護法案」に反対し即時廃案を求める緊急声明


  6. ^ 日本平和学会 平和フォーラム 2 安倍政権の「積極的平和主義」と特定秘密保護法に対して 2014年3月18日版 平和憲法下の特定秘密保護法 山口響(一橋大学 大学院社会学研究科 特別研究員)



参考文献


  • 烏賀陽弘道、2012、『報道の脳死』初版、 新潮社〈新潮新書〉 ISBN 9784106104671

  • 原寿雄、2009、『ジャーナリズムの可能性』第1刷、 岩波書店〈岩波新書〉 ISBN 9784004311706


関連項目




  • 報道(ジャーナリズム)

  • タブー


  • 報道におけるタブー
    • 創価学会

    • 菊タブー




  • トップ屋

  • ルポライター

  • 記者

  • 記者クラブ



  • 新聞

  • 雑誌

  • テレビ

  • ルポルタージュ


  • リポーター (reporter)

  • コラムニスト

  • 戦場カメラマン

  • ビデオジャーナリスト

  • ネットジャーナリスト

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  • ベトナム戦争

  • ウォーターゲート事件

  • 公民権運動

  • 朝日ジャーナル

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  • 噂の真相(書籍)



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  • ジャーナリスト保護委員会(cpj)



外部リンク


  • ジャーナリストになるには

  • ネットジャーナリスト協会

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