ボールカウント
ボールカウントとは、野球・ソフトボールの試合における投手と打者との勝負に対する判定(ボール・ストライク)の記録である。単にカウントと呼ばれることも多い。
目次
1 概要
2 ボールカウントの順番
2.1 日本国内での読み上げ順番変更
3 脚註
概要
打者はストライクを3回宣告されると三振(第3ストライクがきちんと捕球されなかった場合は即アウトにはならない。振り逃げを参照)、ボールを4回宣告されると四球となる。ボールカウントは、投手と打者の勝負の経過を表すものであり、投手有利か打者有利かを示すバロメーターとなっている。一般的にストライクが先行していれば投手有利(2ストライクになると、投手は「追い込んだ」、打者は「追い込まれた」と言われる)、ボールが先行していれば打者有利と言われる。
野球の試合においてボールカウントの把握は、そのイニングにおけるアウトの数を示すアウトカウントとともに重要であり、野球場のスコアボードや野球のテレビ中継の字幕等にはしばしば、下の図のように表示されている。
B●●● | 3ボール-2ストライク 2アウト |
ボールカウント・アウトカウントに色をつけて表現する場合、ボールは緑、ストライクは黄、アウトは赤で示すことが慣例となっているが、そのようにしなければならないという根拠となるものはない。
ボールカウントの順番
国際的には、ボール→ストライクの順で読み上げる(BSO方式)。読み上げる際には、しばしば英語の数字のみを用いて簡略される。
- 3ボール1ストライクは、 "three and one," あるいは "a three-one count" と表現され、3-1と表記される。
一方、日本やその影響を受けた韓国や台湾では長くストライク→ボールの順に読み上げてきた(SBO方式)。1996年にハバナで試合を観戦した伊東一雄によると、キューバもこの時点ではストライクを先にコールする方式を採用していた[1]。
- 3ボール1ストライクは、日本語では"ワン・スリー"と表現され、1-3と表記される。
- 日本語でツー・スリー(2-3)と言えば「2ストライク3ボール」を指し、フルカウントとも表現される。フルカウント後の投球は、俗に“勝負球”と呼ばれる。
野球場のスコアボードや野球のテレビ中継の字幕等も、下の図のようにSBOの順で表示された。
S●● | 2ストライク-3ボール 2アウト |
今では、日本もBSO方式になっているところがほとんどである。
したがって単に2-1と書いたり、ツー・ワンと読み上げたりした場合、国際的には2ボール1ストライクと認識されるが、日本や韓国では2ストライク1ボールと認識される場合がある。そのため、特に日本では、意味を明確にするため、2ボール1ストライクと省略せずに表したり、2B-1Sのように、BやSの字を付加して表記したりするなどの工夫が求められる。
日本国内での読み上げ順番変更
日本では国際慣習に従い、日本高等学校野球連盟が1997年の選抜大会から、球審がボール→ストライクの順で読み上げるように変更した(この時点から2010年までは一般向けにはSBO式で表示・アナウンスしていた)。
大リーグ中継(NHK制作分)では、以前からBSO式で表示しているが、2008年ごろから、オリンピックの野球やワールド・ベースボール・クラシック、ソフトボールの中継についても、国際慣習に倣ってBSO式で表示している。
また、日本プロ野球でも2010年からは球審がボール→ストライクの順でコールをすることとした[2]。同年より大学や社会人野球もプロ野球に合わせている[3]。
これを受け、一部新聞や、J SPORTS STADIUM、千葉ロッテマリーンズ球団制作映像(地上波放送局〈以下地上波〉はチバテレ)、埼玉西武ライオンズ球団制作映像(地上波はテレ玉、BSはいずれもTwellV)が2010年からBSO方式に変更され、NHKや民間放送各局も2011年からは高校や大学などの中継を含めてBSO方式に変更された。
プロ野球本拠地球場のスコアボードでは、2011年シーズンに全ての本拠地球場が「BSO」表記になった[4]。また、地方球場でも「BSO」方式に変更している球場が増えている。
脚註
^ 伊東一雄、吉川達郎(監修) 『メジャーリーグこそ我が人生:パンチョ伊東の全仕事』 産経新聞ニュースサービス、2003年、396頁。ISBN 4594041175。
^ “ボールの次にストライク プロ野球でコール順を逆に”. 47NEWS. 共同通信社. (2010年1月25日). オリジナルの2012年7月20日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/20120720034529/http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012501000892.html 2017年7月22日閲覧。
^ “言葉まがじん 野球のボールカウントの表記順”. Astand. 朝日新聞社 (2010年4月1日). 2013年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月22日閲覧。
^ “野球のボールカウント BSOへ”. 日本放送協会 (2011年8月2日). 2018-0728閲覧。(アーカイブ)元[1][リンク切れ]
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