ユニエスキー・ベタンコート




この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はベダンコート、第二姓(母方の姓)はペレスです。



















ユニエスキー・ベタンコート
Yuniesky Betancourt
オアハカ・ウォーリアーズ

Yuniesky Betancourt on July 27, 2009(2).jpg
カンザスシティ・ロイヤルズ時代
(2009年7月27日)

基本情報
国籍
メキシコの旗 メキシコへ亡命)
出身地
 キューバ
ビジャ・クララ州サンタ・クララ
生年月日
(1982-01-31) 1982年1月31日(36歳)
身長
体重

5' 10" =約177.8 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席
右投右打
ポジション
内野手
プロ入り
2005年 アマチュアFA
初出場
MLB / 2005年7月28日
NPB / 2014年3月28日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)


  • ナランハス・デ・ビジャ・クララ


  • シアトル・マリナーズ (2005 - 2009)


  • カンザスシティ・ロイヤルズ (2009 - 2010)


  • ミルウォーキー・ブルワーズ (2011)

  • カンザスシティ・ロイヤルズ (2012)

  • ミルウォーキー・ブルワーズ (2013)


  • オリックス・バファローズ (2014)


  • ティフアナ・ブルズ (2015)


  • ユカタン・ライオンズ (2017)


  • オアハカ・ウォーリアーズ (2018 - )


国際大会
代表チーム
キューバの旗 キューバ

ユニエスキー・ベタンコート・ペレスYuniesky Betancourt Pérez , 1982年1月31日 - )は、キューバ共和国ビジャ・クララ州サンタ・クララ出身のプロ野球選手(内野手)。右投げ右打ち。2018年現在は、メキシカンリーグのオアハカ・ウォーリアーズに所属。




目次





  • 1 経歴

    • 1.1 キューバ時代


    • 1.2 プロ入りとマリナーズ時代


    • 1.3 ロイヤルズ時代


    • 1.4 ブルワーズ時代


    • 1.5 ロイヤルズ復帰


    • 1.6 ブルワーズ復帰


    • 1.7 オリックス時代


    • 1.8 メキシカンリーグ時代



  • 2 プレースタイル


  • 3 人物


  • 4 詳細情報

    • 4.1 年度別打撃成績


    • 4.2 記録


    • 4.3 背番号


    • 4.4 代表歴



  • 5 脚注


  • 6 関連項目


  • 7 外部リンク




経歴



キューバ時代


キューバのサンタ・クララに生まれ、幼い頃はキューバ代表の二遊間コンビだったヘルマン・メサとフアン・パディーヤのプレーを観戦して育った
[1]


2000年夏の第19回AAA世界野球選手権大会にジュニアナショナルチームの正遊撃手として出場し、打率.523の好成績を残した[2]


その後はキューバ国内リーグであるセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボルのナランハス・デ・ビジャ・クララに入団したが、チームには代表常連のスター遊撃手であるエドゥアルド・パレが在籍していたため、二塁手にコンバートされた[3]。キューバでの生活は厳しく、ベタンコートは当時の事を「キューバでは、みんなその日暮らしさ。その瞬間を生きる事に精一杯で、中長期的視点で将来の事を考えるのはおろか、明日の事すら考える時間がなかったからね。」と振り返っている[4]


2003年12月4日、他の仲間と共にボートでキューバから逃亡してアメリカ合衆国へ密入国、その後カリフォルニア州ロサンゼルスを経由してメキシコに入国し、不正に入手したパスポートを持ってアメリカ合衆国に入り直す、という手順で亡命を果たした[5]。当時は入国の経緯について「11月28日、9人の仲間と共にいかだに乗ってキューバから逃亡し、4日後にメキシコのキンタナ・ロー州カンクンに漂着した[3]。」と偽っていたが、真相が明らかになるのは2006年12月になってからであった。入国後にフリーエージェント(FA)を宣言し、複数の球団と自由に交渉する権利を得た。



プロ入りとマリナーズ時代


2005年1月25日にMLBのシアトル・マリナーズと4年総額282万6000ドルの契約を結び、入団した。この年のうちにマイナーリーグのAA級サンアントニオとAAA級タコマを経て、7月28日の対クリーブランド・インディアンス戦でMLB初出場。また、昇格前にオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選ばれている[6]


2006年以降はマリナーズの正遊撃手としてプレーする。1983年生まれの二塁手ホセ・ロペスとの若手コンビは、以後のマリナーズを担う存在として期待されていた[1][2]


2008年までの3年間、どんな状況でもお構いなしに早いカウントから振っていく粗い打撃が目立ち、毎年打率.280前後に対して出塁率は.300をやや超える程度に留まる。2008年シーズン終了後に就任したドン・ワカマツ監督が「打席内で落ち着きがない。打者として才能があるだけに、新しいスタイルを教えるのが我々の責任でもある」と指摘し、打撃スタイル矯正に乗り出す意向を表明したほどだった[7]


2009年も正遊撃手として前半戦は63試合に出場したが、打率.250・出塁率.278は共に過去最低の数字。課題とされていた早打ちも、245打席で相手に投げさせた球数は802球で、1打席あたりの球数3.27は過去3年の平均3.20とほぼ変わらない水準だった。6月24日の試合で右大腿を傷めて故障者リスト(DL)入りする[8]



ロイヤルズ時代


2009年7月10日にマリナーズがトレードを成立させ、復帰前にマイナーリーガー2人との交換でカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍する事になった。ロイヤルズでは正遊撃手のマイク・アビレスが故障で復帰の見通しが立たず、傘下のマイナーリーグにもめぼしい選手がいない事から、ベタンコートにはレギュラーとしての期待がかけられていた[9]。移籍後は71試合に出場している。


2010年4月5日のデトロイト・タイガースとのシーズン開幕戦に7番・遊撃手として先発出場し、2回裏の第1打席にジャスティン・バーランダーから2点本塁打を放つ[10]。下位打線を担ったこの年に151試合に出場したベタンコートは、3本の満塁本塁打を含むチーム最多の16本塁打・78打点を記録した。



ブルワーズ時代


2010年シーズン終了後にミルウォーキー・ブルワーズとの2対4のトレードでザック・グレインキーと共にミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[11]


2011年は、ブルワーズの正遊撃手として定着。この年のワイルドカードゲーム進出にも貢献した。



ロイヤルズ復帰


2011年12月21日、1年総額200万ドルで1年ぶりにロイヤルズに復帰した[12]


2012年8月14日にロイヤルズから放出され、FAとなった[13]



ブルワーズ復帰


2013年1月28日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだが、3月24日に自由契約となり、26日に単年のメジャー契約で2年ぶりにブルワーズに復帰した[14]が、シーズン終了後、10月31日にFAとなった。



オリックス時代


2014年1月29日にオリックス・バファローズへ入団した[15]。李大浩、アーロム・バルディリスの穴を埋めるべく主軸を期待され開幕戦では7番・二塁手で出場する。12試合で打率.106と低迷し、4月11日に登録を抹消される[16]。およそ1か月の二軍調整を経て、5月6日に一軍へ再昇格するも[17]、5月17日に再び登録を抹消[18]。2度目の抹消以降、二軍戦にまったく出場しなかったり、練習にも来たり来なかったりするなどした[19]。その後、「右足親指滑液包炎」と診断され、「米国でかかりつけの医師の診察を受けたい」という本人の希望を球団が受け入れ、アメリカへ一時帰国することとなった[20]。7月12日には怪我の原因である両足外反母趾の手術を受けることを発表した[21]。7月22日、球団から契約解除を通告され、ウエーバー公示にかけられ[22]、29日に不請求となっている[23]



メキシカンリーグ時代


2015年はメキシカンリーグのティフアナ・ブルズと契約するが、4月29日に解雇された。オフはメキシコのウィンターリーグに参加。


2017年3月29日、メキシカンリーグのユカタン・ライオンズと契約[24]


2018年3月1日にトレードでラグナ・ユニオン・コットンファーマーズに移籍するが、3月22日にオアハカ・ウォーリアーズに移籍。



プレースタイル


打撃は早いカウントから積極的に打っていく典型的なフリースインガーであり[25]、四球・三振は共に少ない。走力はあるが通算盗塁成功率は2012年終了時点で5割となる低さであり、盗塁技術にはまだ改善の余地がある[25]


守備範囲が広く肩も強いため、2007年にベースボール・アメリカ誌が行ったアメリカンリーグ各球団監督へのアンケートでは、「守備の上手い遊撃手」と「肩の強い内野手」の2部門でリーグ3位の評価を受けている[26]。また、ESPN記者のロブ・ネイヤーは、ゴールドグラブ賞の選考方法が各球団の監督・コーチ陣による投票である事を批判する際に「2006年、レッドソックスのマリナーズとの対戦は6回。果たしてレッドソックスのコーチたちは、本当にユニエスキー・ベタンコートの守備力について確固たる考えを持っていると言えるだろうか?」と[27]、ベタンコートの守備を引き合いに出している。ただし守備指標においては、2006年から2011年までの6年間の守備防御点で-72(メジャーワースト)[28]、つまりこの期間中の同じ守備イニングの平均的な遊撃手と比べて守備で防いだ失点が72点も少ないという、上記の識者による評価とは逆の結果が出ている。2012年は出場57試合のうち46試合で二塁手として出場した。



人物


マリナーズ時代は同僚のイチローと仲がよく、「何度も食事をした。特にお寿司屋によく連れていってもらった」[29]と振り返っている。



詳細情報



年度別打撃成績


[30]


























































































































































































































































































































































































































































































































































O
P
S

2000-2001

VCL
892982714871948112251210921501363.262.301.413.714
2001-2002
8232229943861184125451110071105305.288.317.418.735
2002-2003
89371328641042177160521110282825258.317.371.488.859
2003-2004
521192420061000100121.211.238.316.554

2005

SEA
6022821124541151781513221102242.256.296.370.666

2006
157584558681612868225471187117015410.289.310.403.713

2007
15555953672155382922467543415314810.289.308.418.725

2008
15359055966156363721951446617024223.279.300.392.691

2009
6324522415561012742231831000189.250.278.330.609

KC
7126324625591054912702331100268.240.269.370.639
'09計
134508470401152066165493311621004417.245.274.351.625

2010
151588556601442921622578234423116413.259.288.405.692

2011

MIL
1525845565114027313212684401016326316.252.271.381.652

2012
KC
5722821521491417863601139002510.228.256.400.656

2013
MIL
1374093913583151131394600031431719.212.240.355.595

2014

オリックス
1874711101001140121000152.141.139.155.294

CNS:4年
265101291715726543191940312334301118542129317.289.331.439.770

MLB:9年
115642784052437105721829801573457303034391431010435110.261.285.388.673

NPB:1年
1874711101001140121000152.141.139.155.294
  • 2017年度シーズン終了時

  • 各年度の太字はリーグ最高

  • キューバで通常用いられる個人通算成績は、プレーオフや選抜リーグなども合算するため、この表の合計とは一致しない


記録


MiLB

  • オールスター・フューチャーズゲーム選出 1回:2005年
NPB
  • 初出場・初先発出場:2014年3月28日、対北海道日本ハムファイターズ1回戦(札幌ドーム)、4番・二塁手で先発出場

  • 初打席:同上、1回表に吉川光夫から二飛

  • 初安打:2014年4月2日、対東北楽天ゴールデンイーグルス2回戦(楽天Koboスタジアム宮城)、6回表に松井裕樹から中前安打

  • 初打点:2014年4月6日、対埼玉西武ライオンズ3回戦(京セラドーム大阪)、4回裏にグレッグ・レイノルズから中前適時打


背番号



  • 46 (2005年) 


  • 5 (2006年、2008年) 


  • 3 (2007年、2009年 - 2011年、2013年) 


  • 7 (2009年) 


  • 11 (2012年)


  • 1 (2014年) 


代表歴


  • 2000年AAA世界野球選手権大会キューバ代表


脚注



  1. ^ ab“The Keystone Combo: Yuniesky Betancourt and Jose Lopez” (英語). Seattlepi.com. 2013年4月3日閲覧。[リンク切れ]

  2. ^ ab“マリナーズ再建の“次世代コンビ” ホセ・ロペスとユニスキー・ベタンコート”. 『スポーツナビ』. 2006年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月3日閲覧。

  3. ^ ab“Betancourt following his dreams /Young shortstop's road to the Majors anything but easy” (英語). The Official Site of The Seattle Mariners. 2013年4月3日閲覧。


  4. ^ “Mariners' shortstop seeks greatness Mariners' shortstop seeks greatness” (英語). ESPN.com. 2013年4月3日閲覧。


  5. ^ “Identities of smuggled Cubans revealed for first time” (英語). ESPN.com. 2013年4月3日閲覧。


  6. ^ “Futures GameHistory” (英語). MLB.com. 2013年8月31日閲覧。


  7. ^ 「MLB30球団レポート&全選手個人成績 シアトル・マリナーズ/SEA ベタンコートの打撃に早くも変化が見えた」 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-6、77頁


  8. ^ “Betancourt placed on disabled list / Mariners shortstop shelved with strained right hamstring” (英語). The Official Site of The Seattle Mariners. 2013年4月3日閲覧。


  9. ^ “Royals acquire shortstop Yuniesky Betancourt from Mariners”. Kansas City Star. 2009年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月3日閲覧。


  10. ^ “Apr 5, 2010, Tigers at Royals Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. 2013年4月3日閲覧。


  11. ^ “Brewers add Greinke in deal with Royals / Kansas City trades right-hander for package of prospects” (英語). MLB.com. 2013年4月3日閲覧。


  12. ^ “Royals sign utility infielder Yuniesky Betancourt to a one-year contract” (英語). MLB.com. 2013年4月3日閲覧。


  13. ^ “Royals cut Betancourt, call up Abreu from minors” (英語). Sports.Yahoo.com. 2013年4月3日閲覧。


  14. ^ “Yuniesky Betancourt joins Brewers” (英語). ESPN.com. 2013年4月3日閲覧。


  15. ^ “ペレス選手 獲得のお知らせ”. オリックス・バファローズ. 2014年1月29日閲覧。


  16. ^ “オリ・ベタンコート抹消、2軍で再調整”. nikkansports.com. 2014年4月11日閲覧。


  17. ^ “オリックス・ベタンコート 1軍に再昇格”. nikkansports.com. 2014年5月6日閲覧。


  18. ^ “オリックスがマエストリ登録、ベタンコート抹消”. nikkansports.com. 2014年5月17日閲覧。


  19. ^ “オリ二軍でベタンコートやる気なし”. 東スポWeb. 2014年6月8日閲覧。


  20. ^ “オリックスのベタンコートが米へ一時帰国”. nikkansports.com. 2014年7月2日閲覧。


  21. ^ “オリ・ベタンコート手術!再来日しない可能性も”. SANSPO.COM. 2014年7月12日閲覧。


  22. ^ オリがベタンコートと契約解除 今季絶望 日刊スポーツ、2014年7月23日閲覧。


  23. ^ 2014年度 自由契約選手NPB公式サイト


  24. ^ “Mexican League Transactions” (English). MiLB. (2017年3月29日). http://www.milb.com/milb/stats/stats.jsp?t=l_trn&lid=125 2017年5月12日閲覧。 

  25. ^ ab“Preview 2008: Seattle Mariners” (英語). FOX Sports. 2008年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月3日閲覧。


  26. ^ “American League Best Tools” (英語). BaseballAmerica.com. 2013年4月3日閲覧。


  27. ^ “Gold Gloves losing their luster” (英語). ESPN.com. 2013年4月3日閲覧。


  28. ^ “Major League Leaderboards » 2011 » Shortstops » Fielding Statistics” (英語). 2013年4月28日閲覧。


  29. ^ 『週刊ベースボール』2014年3月31日号 54頁


  30. ^ Serie_Nacional Archived 2013年11月1日, at the Wayback Machine. - キューバ国内リーグのシーズン成績



関連項目


  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 B

  • キューバ出身のメジャーリーグベースボール選手一覧

  • オリックス・バファローズの選手一覧


外部リンク




  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)

  • Yuniesky Betancourt stats MiLB.com (英語)


  • Cuban Baseball Career statistics - キューバ国内リーグ通算成績 (スペイン語)




  • 個人年度別成績 ベタンコート - NPB.jp 日本野球機構


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