プランク長
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プランク長 Planck length | |
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記号 | ℓPdisplaystyle ell _P |
値 | 6965161622900000000♠1.616229(38)×10−35 m |
相対標準不確かさ | 2.3×10−5 |
語源 | マックス・プランク |
プランク長(プランクちょう、英: Planck length)は、長さのプランク単位である。記号 ℓPdisplaystyle ell _P で表す。コンプトン波長を πdisplaystyle pi で割ったものとシュワルツシルト半径とが等しい長さとなる質量で定義される。このときの質量をプランク質量という。
導出
質量 mdisplaystyle m、光速度を cdisplaystyle c、万有引力定数を Gdisplaystyle G とすると、そのシュワルツシルト半径 rsdisplaystyle r_s は、
- rs=2Gmc2,displaystyle r_s=2Gm over c^2,
と表される。一方、質量 mdisplaystyle m のコンプトン波長 λcdisplaystyle lambda _c はプランク定数 hdisplaystyle h を使って
- λc=hmc,displaystyle lambda _c=h over mc,
と表される。定義 rS=λCπdisplaystyle r_S=lambda _C over pi となるときの質量(プランク質量)を mPdisplaystyle m_P で表すと、
- rS=2GmPc2=hπmPc=2ℏmPc,displaystyle r_S=2Gm_P over c^2=h over pi m_Pc=2hbar over m_Pc,
ここで、ℏ=h2πdisplaystyle hbar =h over 2pi (=ディラック定数)である。すると、プランク質量 mPdisplaystyle m_P、プランク質量でのシュワルツシルト半径 rSdisplaystyle r_S はそれぞれ、
- mP=ℏcG,rS=2ℏGc3,displaystyle m_P=sqrt hbar c over G,r_S=2sqrt hbar G over c^3,
となる。このときのコンプトン波長で
- λC=2πℓP,displaystyle lambda _C=2pi ell _P,
となる ℓPdisplaystyle ell _P をプランク長といい、
- rS=2ℓP,displaystyle r_S=2ell _P,
の関係がある。すなわち、プランク長の値は
- ℓP=ℏGc3≈1.616 229(38)×10−35m.displaystyle ell _P=sqrt hbar G over c^3thickapprox 1.616 229(38)times 10^-35,mboxm.
となる[1]。
背景
この単位は自然単位による計測系を作ろうとしていたマックス・プランクによって作られた。プランク長はプランク質量に基づくものである。この単位が提唱されたときには量子力学や一般相対性理論は知られていなかったが、後に、プランク長の距離では重力が量子力学の影響を示すことが明らかとなった。そしてこの事から、重力が重力子によって媒介されていると言う重力相互作用の理論が予測された。
観測可能な宇宙の推定の大きさ(共動距離:直径 930億光年 = 7026879800000000000♠8.798×1026 m)は、7061544400000000000♠5.444×1061 プランク長である。量子カオス系においてはプランク長よりも小さいスケールが現れることがある。大きさがないといわれている素粒子のシュワルツシルト半径はプランク長以下であるが、プランク長以下の長さが存在するか否かは判明していないことなどから実際に素粒子がシュワルツシルト半径を形成しているかどうかは定かではない。
脚注
^ (括弧内は標準不確かさ)。Planck length 2014年CODATA推奨値