カーソル
カーソル(英: cursor)はコンピュータのユーザインタフェースを構成する要素のひとつで、指示や操作の対象を指し示すために用いられる。この語の語源はラテン語で「走者」もしくは「競争者」を意味するcursorである。
目次
1 一般的なカーソルの姿
1.1 文字入力インタフェース
1.2 旧式のワードプロセッサ(ワープロ)のカーソル
1.3 メニュー選択インタフェース
1.4 GUI
2 特殊なカーソル
2.1 プログラミング言語LOGO
3 カーソルの操作
4 脚注
一般的なカーソルの姿
文字入力インタフェース
コンソールやテキストエディタといった文字入力インタフェースにおけるカーソルは、次に入力される文字がテキスト中のどこに追加されるかを示す。古くから見られる形式では、塗りつぶされた四角形または下線として表示される。目立たせるために点滅させる場合も多い。また、挿入モードでは下線で上書きモードでは四角形など、カーソルの形状を使ってモード切替を利用者に伝えるシステムもある。
近年のビットマップによる画面表示では、文字の間に表示される縦線あるいはキャレット等でカーソルを表示する場合も多い。こうすることで文字間への「挿入」をより直接的に表現できるようになり、またプロポーショナルフォントでもカーソル形状の変化を抑えることができる。反面、四角形のカーソルに比べて画面上で目立ちにくくなるという欠点もある。
旧式のワードプロセッサ(ワープロ)のカーソル
ワードプロセッサも参照。
メニュー選択インタフェース
あらかじめ与えられた選択肢の中から操作を選択して指示する、メニュー選択型のインタフェースでは、どの選択肢を選ぼうとしているのか示す必要がある。具体的な形状としては、選択肢の前に矢印を表示したり、あるいは選択肢自身を反転表示したりといった方法がとられる。
GUI
GUI環境において、操作対象を示すために表示される矢印などの小さな図形もカーソルと呼ばれる。「カーソルの操作」の節で後述するとおり、マウスで操作されることが多いので、マウスポインタ(mouse pointer)とも呼ばれる。
GUI用のカーソルとテキスト用のカーソルが両方とも現れるシステムでは、「カーソル」の名称はGUI用に対して使い、テキスト用の方をキャレットと呼んで区別している例もある[1]。
多くのGUIでは状況に応じてカーソルの形が変化する。
グラフィックソフトウェアではユーザが選択した機能に応じて、ブラシ・鉛筆・ペンキバケツなど様々な形をとる。
ウィンドウの端や角にきたときは両矢印の形になり、ウィンドウのサイズを変更できることを示す。- プロセスが処理を行っていてユーザの入力を受け付けないときは、待ちカーソルが表示される。Windowsでは砂時計の形をしており、macOSでは虹色をしている。
ハイパーリンクに重なったときは人差し指を突き出した手の形になる。このとき、ふきだしの形でツールチップが表示されることが多い。- ハイパーリンクに似ているが、カーソルが指す対象にヘルプが存在するときは疑問符の形になる。
特殊なカーソル
プログラミング言語LOGO
プログラミング言語LOGOでは、画面上の亀(タートル)に対して「旋回」「前進」などのコマンドを与えることで図形を描くことができる。タートルは現在位置と進行方向を保持する。
カーソルの操作
コンピュータシステムのキーボードの多くは、上下左右の4方向へのカーソル移動キー(方向キー、矢印キー)を持つ。また、コントロールキーと他のキーの組み合わせでカーソルの移動を指示するインターフェイスもある。ダイヤモンドカーソルは、その一例である。
UNIXで人気の高いテキストエディタのviとEmacsは、それぞれ独特のカーソル移動操作を採用している。他のアプリケーションでも、これらのカーソル移動を再現するためのカスタマイズ方法を提供しているものが散見される。
ゲーム機では、メニュー型インタフェースを採用して十字キーで操作させるものが多い。
GUIでは主にマウスなどのポインティングデバイスを使ってカーソルを操作する。
脚注
^ Win32 APIにおけるShowCaretとShowCursor、JavaのInput Method FrameworkやJava 2D APIなど