金羊毛




金羊毛とイアソン。


金羊毛(きんようもう、古希: χρυσόμαλλον δέρας, 英: Golden Fleece)は、ギリシア神話に出てくる秘宝のひとつで、翼を持つ金色の羊の毛皮のこと。コルキスの王が所有し、眠らないドラゴンによって守られていた。


日本語では金羊裘(きんようきゅう)、金色の羊毛、黄金の羊毛、金色羊の革など様々に訳されている。




目次





  • 1 神話

    • 1.1 プリクソス


    • 1.2 イアーソーンの冒険



  • 2 脚注


  • 3 参考文献


  • 4 関連項目


  • 5 外部リンク




神話




金色の羊で逃げるプリクソスとヘレー。


黄金の羊に関しては以下の二つの神話が有名である。



プリクソス


ボイオーティア王のアタマースはネペレーと結婚し、プリクソスとヘレーをもうけるが、カドモスの娘イーノーに恋をし、彼女と再婚する。2人の子はこの後妻に殺されそうになるが、ゼウスが(ネペレー説も)翼のある金色の羊をつかわし、2人はそれに乗って逃げる。ヘレーは途中で落ち、プリクソスはコルキスに到着し、眠らないドラゴンにその羊を守らせる。[1]



イアーソーンの冒険


異父兄弟のペリアースに王位を奪われたイオールコス王のアイソーンは、自分の息子のイアーソーンを死んだことにして、山の賢者のもとに送った。成長したイアーソーンは、王位を奪還するために故郷へ向かう途中、川の前で困っている老女に会い、彼女を背負って川を渡る際にサンダルを片方流してしまう。老女は女神ヘーラーの化身だった[2]


ペリアースは、「片足だけサンダルを履いた男に気をつけろ」という予言を得ていたため、イアーソーンが現れたとき、「コルキスの金色の羊毛を持ってくることができたら王位を譲る」と、できそうにない難題を出してイアーソーンを遠ざける。




アルゴー号。


イアーソーンは50人の勇士(アルゴナウタイ)を集め、アルゴー号に乗ってコルキスに向かう。さまざまな苦難を乗り越え、ヘレーの助けを借りながら目的地に辿り着き、コルキス王のアイエーテースに金羊毛を渡すよう願い出る。アイエーテースもイアーソーンに難題を出すが、イアーソーンに恋する王の娘のメーデイアの助けを借りて成功させる。金羊毛を渡したくないアイエーテース王は、イアーソーンたちを殺そうとするが、イアーソーンは再びメーデイアの助けを借りて、危機を脱し、金羊毛を奪い取る。


イアーソーンはメーデイアを連れて勇士たちとコルキスを出発。アイエーテース王が追いかけてくるが、再びメーデイアの助けで危機を脱し、故郷に戻る。金羊毛を渡してもペリアースが王位を譲らないため、ペリアースの娘たちを騙して父親を殺させる。その罪からイアーソーンとメーデイアは国外追放になり、コリントスで暮らすが、イアーソーンはコリントスの王女グラウケーに恋し、メーデイアを離縁する。怒ったメーデイアはイアーソーンの一族すべてを根絶やしにする。[3]



脚注


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  1. ^ 『知っておきたい伝説の英雄とモンスター』西東社, 2007


  2. ^ ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻66行-74行。


  3. ^ 『「歯車」の迷宮(ラビリンス): 注釈と考察』三嶋譲 hanashoin, 2009


参考文献


  • 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)


関連項目


  • おひつじ座

  • 金羊毛騎士団

  • リムノス島


外部リンク





  • 「金色の羊毛を捜しにゆく話 ​」『児童図書館叢書』.(イデア書院, 1925)







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