シュー皮
シュー皮またはシュー生地(pâte à choux)は、シュークリーム、クロカンブッシュ、エクレア、フランスのクルーラー、ベニエ、サントノーレ、パリ・ブレスト、ドイツのフロッケンザーネトルテ、インドネシアのkue sus、またグジェール等を作るのに用いられる、軽いペイストリーである。バター、水、小麦粉と卵のみから作られる。ヨークシャー・プディングやDavid Eyre's pancakeと同様に、膨張剤の代わりに、高い水分濃度のため調理中に発生する蒸気を用いて膨らませる。
シュー皮は通常焼いて用いられるが、ベニエは揚げて作る。スペインや南アメリカでは、揚げたシュー皮でチュロスを作り、薄いチョコレートブラン・マンジェに浸して朝食に食べられる。オーストリアでは、茹でて甘いアンズのダンプリングであるMarillenknödelが作られる。これにクリームを詰めて、クレームパフやエクレアが作られることもある[1]。なお、茹でたシュー皮をマカロニがわりに使用する「パリ風グラタン」といった調理例もある[2]。
歴史
いくつかの料理本では、カトリーヌ・ド・メディシスとともにフィレンツェを離れた7年後の1540年に、PantarelliまたはPantarelliという名前の料理人が発明したとされている。彼はこのドウをケーキを作るのに用い、pâte à Pantanelliと名付けた。その後、彼のレシピは進化して名前はpâte à popelinと変わり、ポプランという女性の胸の形の小さなケーキを作るのに用いられるようになった。その後、18世紀のパティシエであるジャン・アヴィスは、当時シューバンズと呼ばれていたものを考案した。アヴィスのバンズはキャベツ(フランス語でchoux)に似ていたことから、pâte à chouxと呼ばれるようになった。
アントナン・カレームは、このレシピを改良し、今日一般的なシュークリームのレシピを完成させた[3]。
ベニエの生地を混ぜる。
絞り袋でベニエ用の生地を絞り出す。
出典
^ “Basics: Choux pastry”. Just Hungry (2004年4月6日). 2010年9月8日閲覧。
^ 大森由紀子『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』117p 世界文化社
^ Juillet, Claude (1998). Classic Patisserie: An A–Z Handbook. Butterworth-Heinemann. ISBN 0-7506-3815-X.
外部リンク
Bigne’ (Pâte à Choux (choux pastry)) with illustrated instructions