義親
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
義親(ぎしん)は、生物学的な親である実親(じっしん)に対して「義理」や「法律上」の親を指す。生物学的な親ではないため、対象者より年上であるとは限らない。男性の義親のことを義父(ぎふ)といい、女性の義親を義母(ぎぼ)という。義親の中にはいくつかのケースがあるので、それぞれについて詳述する。
目次
1 親の再婚相手
1.1 継父母の排他的行動
1.2 連れ子の姓と相続権
2 配偶者の親
3 養い親
4 関連項目
親の再婚相手
子供から見て母親の再婚相手は義父であり、父親の再婚相手は義母である。他の義親と区別する場合には継父(けいふ、ままちち)、継母(けいぼ、ままはは)という表現が使われる。自分より年少となる場合も稀にみられる。また、互いに重婚とならない限り実父が姑(配偶者の母)や養母と、実母が舅(配偶者の父)や養父と結婚(再婚)することも可能で、その場合、配偶者の片親や養父母のどちらか片方が同時に継父母となる。また、父母の再婚相手(継父母)の親や祖父母の再婚相手は義理の祖父母にあたる。なお、再婚相手に既に(血の繋がりのない)子供がいる場合などは、継子(けいし、ままこ)または連れ子(つれこ、つれご)などと呼ばれる。
継父母の排他的行動
ウィリアム・ドナルド・ハミルトンの血縁選択説によれば、非血縁者間には利他的行動が生じにくく、実子がいれば継子に優先するのは当然のようにも思える。しかし、実子の有無に関わらず、血縁の認知が継父母・継子間の親子感情の惹起を阻む訳でもない。
歴史の上でも、春秋時代の晋の文公のように継母に酷い目に遭わされた例がある一方で、毛利元就のように継母を自分の育ての親であるとして生涯にわたり敬愛し続けた例もある。
連れ子の姓と相続権
親が子を連れて結婚または再婚をする場合、親はそれまで子と共にあった戸籍から抜けて、新しい配偶者との間に新たな戸籍を作成する。その際、子はそれまでの戸籍に残ったままなので、子の姓もそのまま変わらない。したがって連れ子は、実親・義親の戸籍に連ならないばかりか、その姓まで実親・義親のそれとは異なったものとなり、さらには義親の遺産相続権もないという状態になる。連れ子を実親と義親の戸籍に入れて姓を同じにし、遺産相続権を付与するためには、連れ子と義親との間にも別個に養子縁組をする必要がある。
配偶者の親
配偶者の親も義親の一種である。他の義親と区別する場合には、義親のうち男性(父親)を舅(しゅうと)または岳父(がくふ)、女性(母親)を姑(しゅうとめ)または丈母(じょうぼ)、岳母(がくぼ)。自身より年少の場合もある。
養い親
養子縁組をした場合の養い親も義親の一種である。他の義親と区別する場合には養父(ようふ)、養母(ようぼ)という表現が用いられる。また、父母の養親や養親の父母は義理の祖父母にあたる。他の義親と異なり、法的にも実の親と同等になる。ただし、特別養子縁組を除き実の親との法的な関係が消滅するわけではない。
関連項目
- 続柄
- 義兄弟姉妹
- ステップファミリー