ドアカット


ドアカット(和製英語: door + cut)は、鉄道駅において列車の一部のドアを開けず、限られた車両またはドアからのみ乗降させる措置のこと。ドア非扱い扉非扱いともいう。JR部内では一般的に、ドア締切扱いと呼んでいる。




ホームからはみ出した車両のドアを開けない例(183系・富士急行富士吉田駅(現・富士山駅))
※写真は2010年当時。その後は富士山駅ホーム改修により解消済み。




目次





  • 1 概要


  • 2 ドアカット実施駅の例

    • 2.1 短い駅ホーム

      • 2.1.1 駅ホーム長を理由としたドアカット実施駅


      • 2.1.2 駅ホーム長を理由としたドアカットの解消駅



    • 2.2 ワンマン運転


    • 2.3 車内保温


    • 2.4 検札


    • 2.5 優等列車運用


    • 2.6 その他の理由



  • 3 参考

    • 3.1 ドアカットできないことを理由に通常の停車駅を通過していた例


    • 3.2 車両にドアカット機能がないことから停車できずに通過していた例



  • 4 脚注


  • 5 関連項目




概要


ドアカットは大きく分けて、1)駅のプラットホームが列車より短い、2)ワンマン運転、3)車内温度の保持、4)特急列車やホームライナー乗車時の検札、5)優等列車運用のため、といった理由によって実施されている。


なお、一編成中全ドア一律に半自動ドアを使用している場合には「ドアカット」とは呼ばない(半自動ドアについては、後述のワンマン運転のためのドアカットにて開閉できるドアに半自動ドアを設定している事例がある)。



ドアカット実施駅の例




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1.ドアカットスイッチ盤
2.ドアカットスイッチ盤の動作中の画像の画像提供をお願いします。2011年6月


ドアカットスイッチ(一番奥)。阪神8000系(8248)



短い駅ホーム


駅ホームでのドアカットはおおむね以下のような場合に行われる。


  1. 駅のホームの前後が踏切やトンネルに挟まれていたり、カーブの途中にあったり、都市部などで用地の取得が困難で編成両数の増加にもかかわらずホーム有効長の延伸がままならない場合

  2. 長い編成数の列車が停車することがあっても(短い編成数の列車より)本数が少なく、ホーム有効長の延伸をする程の投資効果が得られない場合

  3. ホーム工事中で早期に営業を開始するため、工事終了までの期間を暫定的にドアカットで対応することになった場合

  4. 当該駅での乗降する客を何らかの理由で選別する要がある場合に、その乗降を管理するために行う場合。

  5. その他(安全上の理由など)


図 - ホームが短いことによるドアカット
通常の例
Door full open.gif
ドアカットの例
Door cut.gif
上 - 通常の事例。ドアをすべて開ける。
下 - ドアカットの事例。プラットホームが短く、後の車両はドアを開けない。

ほとんどの場合、専用のスイッチを設けて簡単にドアカットが行われるように対処しているが、JR各社の車両では配線用遮断器の操作により行っているケースもある(箱根登山鉄道の風祭駅は、非常用ドアコックによるドア扱いを行う希少な例であった)。


なお、下記に挙げる例には臨時列車のみドアカットを行うケースは含まれていない。臨時列車のドアカットの例としては、6両編成の「ホリデー快速富士山」が富士急行に乗り入れる場合、富士急行線内では富士山駅および富士急ハイランド駅を除く全ての停車駅でドアカットが行われる、などがある。



駅ホーム長を理由としたドアカット実施駅



北海道旅客鉄道(JR北海道)


天塩中川駅・豊富駅(宗谷本線)(類型2)
ホーム有効長が天塩中川駅は5両、豊富駅は4両分しかないため、特急列車が多客期などの増結で有効長を超える編成になった場合、先頭車両を停止位置に合わせ、進行方向後方の車両のうち超えた分をドアカットする。なお当駅に停車する特急「宗谷」・「サロベツ」は増結を行わない場合、4両編成である。


新札幌駅(千歳線)(類型2)
特急「スーパーおおぞら」、「スーパー北斗」が10両編成で運転された場合、先頭車両を停止位置に合わせ、進行方向後ろ寄りの数両をドアカットする。過去には急行「はまなす」が客車を増結して運転する場合、進行方向後ろ寄りの数両をドアカットしていた。


トマム駅(石勝線)(類型2)
特急「スーパーおおぞら」が10両編成で運転された場合、先頭車両を停止位置に合わせ、釧路方1両をドアカットする。


東日本旅客鉄道(JR東日本)


柴橋駅(左沢線)(類型2)
ホーム有効長が2両分しかないため、4・6両編成の列車は先頭車両を停止位置に合わせ、後方車両をドアカットする。


信濃浅野駅・立ケ花駅・上今井駅・替佐駅・蓮駅(飯山線)(類型2)
ホーム有効長が3両分しかないため、4両編成の列車は先頭車両を停車位置に合わせ、後方車両をドアカットする。


本名駅・会津越川駅・会津横田駅・会津大塩駅・会津塩沢駅・会津蒲生駅(只見線)(類型2)
ホーム有効長が1両分(18m強)しかないため、2両編成以上の列車は先頭車両を停止位置に合わせて後方車両をドアカットする。なお、全駅とも2011年の豪雨災害以降、鉄道としての営業を休止中。


田浦駅(横須賀線)(類型1)
ホーム有効長が10両分弱しかなく、両側をトンネルに挟まれているため11両編成の先頭1両(千葉方面行は11号車、久里浜方面行は1号車)を全てドアカットする。4扉車11両編成では1両目の扉だけでなく2両目(千葉方面行は10号車、久里浜方面行は2号車)の最前部の扉もドアカットする。113系までの3扉車では車両全体のドアをカットするため、配線用遮断器の切断で済んだが、4扉のE217系では「田浦スイッチ」と呼ばれる専用のドアカットスイッチが設けられている。


下郡駅・俵田駅・平山駅・上総亀山駅(久留里線)(類型2)
ホーム有効長が平山駅は3両分、そのほかは2両分しかないため、多客期などの増結で有効長2両を超える編成になった場合、先頭車両を停止位置に合わせて、進行方向後方の車両のうち2両を超えた分をドアカットする。

東武鉄道


浅草駅(伊勢崎線(東武スカイツリーライン))(類型1)(類型5)
1番線は8両編成が停車可能だが、ホームが狭く急カーブになりホームと電車の間が広く開いてしまい危険な箇所があるため、北千住寄り40mにわたって固定柵が設置されている。このため、8両編成の場合は北千住寄り2両をドアカットする。以前は自動扉締切装置が2連のみに取り付けられていたため北千住寄りが2連に限定されていたが、現在は4連にも取り付けられて運用の制約が少なくなった。2番線は6両編成が停車可能だが、1番線と同様にホームが狭く危険な箇所があるため、2011年9月29日より6両編成の場合は北千住寄り2両をドアカットしている。

東京急行電鉄


九品仏駅(大井町線)(類型1)



東京急行電鉄 大井町線九品仏駅(ホームドア設置前)。手前の木造ホームは車掌の安全確認用。


ホーム有効長が4両分しかなく、両側を踏切に挟まれているため、5両編成の各駅停車の溝の口寄り1両をドアカットする(7両編成は急行専用車のため停車しない)。同駅のホームドアも有効長に合わせた4両分が設置されている。大井町線の各駅停車用の車両には九品仏駅で使用する自動扉非扱いスイッチ盤を備えている。
江ノ島電鉄


腰越駅(類型1)
ホーム有効長が40mほどしかないため、4両編成では鎌倉寄り1両をドアカットする。以前のホーム有効長は25mしかなく、4両編成では鎌倉寄り2両のドアが全く開かなかった。ドアカットの操作は、前駅(江ノ島駅または鎌倉高校前駅)出発時に車掌によるスイッチ操作のほか、車両が腰越駅停車を車上子と地上子により判別し、自動的にドアカットの投入・解除を行えるように、二重の安全対策が施されている。

小湊鐵道


上総川間駅 - 上総大久保駅間各駅(小湊鉄道線)(類型2)
ホーム有効長が2両分しかないため、多客期などの増結で2両を超える編成になった場合、先頭車両をホームに合わせて、進行方向後方の車両のうち2両を超えた分をドアカットする。

伊豆急行


今井浜海岸駅(類型1)
ホームがトンネルに挟まれているために有効長が7両分しかなく、8両編成の普通列車と臨時停車する10両編成の特急「踊り子」は前7両をドア扱い、それ以外の車両をドアカットする。かつては日常的に行われていたが、普通列車の大半が6両編成となったため、8両編成の2100系「アルファ・リゾート21」が運用されるときのみの扱いとなった。

富士急行


禾生駅(大月線)(類型1)
ホーム有効長が3両分しかないため、4両編成では後部1両をドアカットする。

富山地方鉄道


東三日市駅・浦山駅(本線)(類型2)
ホーム有効長は3両分あるものの、16010形が3両編成で運転した場合のみ扉が各車とも車端部にあり、最後部車両の乗務員室脇の扉がホームに掛からないため、その扉のみドアカットする。


名古屋鉄道(類型1・2)

名古屋鉄道ではドアカットを「締切」という。名鉄では先頭車同士の貫通幌を使用する編成が2000系をのぞいて存在しないため、後部2両に2両固定編成を連結している場合は、ドアカット実施駅で物理的に降車できないことも起きる。



小田渕駅(名古屋本線)
平日下り1本のみ。ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では後部2両をドアカットする。


国府駅(名古屋本線、豊川線)
5番線、6番線のホーム有効長は6両であり、6両編成が当駅から2両増結して8両となる場合、後部2両をドアカットする。


名電山中駅(名古屋本線)
平日上下各1本と土休日下り1本のみ。ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では後部2両をドアカットする。


左京山駅(名古屋本線)
平日の下り初発の普通列車のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。2011年3月改正までは平日朝の特別停車する準急がドアカットしていた。


本星崎駅・本笠寺駅・桜駅・呼続駅(名古屋本線)
平日上り朝時間帯の一部のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


東枇杷島駅(名古屋本線)
ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


西枇杷島駅(名古屋本線)
ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では本線上で後部2両をドアカットする。なお、待避線である1・4番線では6両編成での待避はできない。


今伊勢駅・石刀駅・黒田駅・木曽川堤駅・茶所駅(名古屋本線)
平日上り1本のみ。ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では後部2両をドアカットする。


甚目寺駅・木田駅・勝幡駅(津島線)
平日下り1本のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


日比野駅(尾西線)
平日上下各1本のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


五ノ三駅(尾西線)
ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では後部2両をドアカットする。


尾張横須賀駅・朝倉駅・新舞子駅(常滑線)
上りの朝の「ミュースカイ」の一部と平日下り1本のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


古見駅(常滑線)
下り列車のみ。ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では2両をドアカットする。


長浦駅・日長駅(常滑線)
上下線ともホーム有効長が4両分しかなく、6両編成では後部2両をドアカットする。


河和口駅(河和線)・上野間駅・美浜緑苑駅・知多奥田駅・野間駅(知多新線)
朝・深夜の一部特別車編成の特急列車のみ。ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。


二十軒駅・新加納駅・高田橋駅・細畑駅・田神駅(各務原線)
ホーム有効長が4両分しかないため、6両編成では後部2両をドアカットする。


喜多山駅(瀬戸線)※解消予定
上り始発列車(平日3本、休日1本)のみ。ホーム有効長が1両分しかないため、4両編成では後部3両をドアカットする。2015年現在喜多山駅は、単独立体交差事業による高架化工事が進められており[1][2]、完成後はホーム有効長が6両分の高架駅となるため、上り始発列車のドアカットは解消される予定である。その後2016年の下り線の仮ホーム移転と同時に上り線にあった始発列車用のホームは使用されなくなり、ドアカットは解消された。


大山寺駅(犬山線)
ホーム有効長が6両分しかないため、8両編成では後部2両をドアカットする。

愛知環状鉄道


中水野駅・瀬戸市駅・瀬戸口駅(愛知環状鉄道線)(類型2)
平日の夕方 - 夜間に運転されている名古屋駅発瀬戸口駅行きの直通列車は、3 - 4両編成を2編成併結した列車で運行されているが、そのうち後ろの編成をドアカットする。中水野駅・瀬戸市駅が相対式ホームであり、岡崎駅方面ホームが4両分しか対応していないため。なお、瀬戸口駅は島式ホームで10両編成に対応しているが、愛知環状鉄道線内では後ろの編成に一切乗車できない措置を取っている。また、平日朝に運行される瀬戸口駅発名古屋駅行きの直通列車は、いずれの駅も高蔵寺駅方面のホームが10両編成に対応しているため、10両で運行されている。


西日本旅客鉄道(JR西日本)


郡家駅(因美線)(類型1)(類型2)
ホーム有効長が5両分しかないため、特急列車が多客期などの増結で6両編成になった場合、進行方向後ろ寄りの1両をドアカットする。なお当駅に停車する特急は増結を行わない場合、編成はいずれも5両以下である(「スーパーはくと」は5両、「スーパーいなば」は2両)。


嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線


トロッコ嵐山駅(類型1)
ホームが嵯峨野線(山陰本線)の分岐点とトンネルに挟まれているため、トンネル内に停車しているトロッコ亀岡方2両をドアカットする。

山陽電気鉄道


大塩駅(本線)(類型1)
3番線のホーム有効長が5両分しかないため、直通特急など6両編成の列車は山陽姫路方1両をドアカットする。2・4番線も4両までの対応。


四国旅客鉄道(JR四国)


勝瑞駅・池谷駅・板野駅・引田駅・讃岐白鳥駅・三本松駅・讃岐津田駅・オレンジタウン駅・志度駅・屋島駅(高徳線)(類型2)
ホーム有効長が4両分しかないため、特急うずしお4号(平日のみ)、並びに多客期などの増結で4両を超える編成になった場合、進行方向後方の車両のうち4両を超えた分をドアカットする。


大杉駅(土讃線)(類型2)
ホーム有効長が4両分しかないため、特急「南風・しまんと」の併結列車、並びに多客期などの増結で4両を超える編成になった場合、高知方の車両のうち4両を超えた分をドアカットする。

繁忙期の増結時には他にも、善通寺駅・琴平駅(3番線)・大歩危駅・土佐山田駅・後免駅・旭駅・伊野駅・多ノ郷駅・土佐久礼駅でもドアカットを実施。



土佐穴内駅(土讃線)(類型2)(類型5)

ホームのかさ上げされている部分が1両分しかないため、2両編成の列車は高知方の1両をドアカットする。



角茂谷駅(土讃線)

ホームのかさ上げされている部分が1両分しかないため、2両編成の列車は多度津方の1両をドアカットする。


伊予鉄道


大手町駅(高浜線)(類型1)
ホーム有効長が3両分しかないため、700系または610系が朝ラッシュ時に4両編成で運転した場合のみ、松山市方1両をドアカットする。

西日本鉄道


津古駅(天神大牟田線)(類型1)
ホーム有効長が5両分しかないため、6両編成以上は大牟田方5両以外ドアカットする。


三沢駅(天神大牟田線)(類型1)
ホーム有効長が5両分しかないため、6両編成以上は福岡(天神)方5両以外ドアカットする。


櫛原駅・矢加部駅(天神大牟田線)(類型1)
ホーム有効長が3両分しかないため、大牟田方面4両編成は大牟田方1両をドアカットする。福岡(天神)方面4両編成は福岡(天神)方3両のみドア開閉、5両編成以上は福岡(天神)方1両のみドア開閉を行う。


駅ホーム長を理由としたドアカットの解消駅


JR北海道


日本国有鉄道(国鉄)時代の北海道特有の仮乗降場、またはJR北海道への移行に伴い駅へ昇格した場合(類型1)
車両1両分の長ささえないものが多かった簡易なホームのため、半自動扱いが実施されていた。2両編成以上の場合も隣り合う2車両双方の連結面寄りのドアが乗降台にかかるのみとなる(最大扱いドア数は2)。

該当する駅のある線区のほとんどがワンマン運転とされたため、現在は後述の「ワンマン運転のためのドアカット」に該当する。



津軽今別駅(現・奥津軽いまべつ駅)(海峡線)(類型2)
ホーム有効長が5両分しかなかったため、快速「海峡」は機関車を含めて6両以上での運行時、特急「白鳥」が6両の基本編成運行時、及び8両の増結運行時での運転となる時は、青森方にある車両のうち5両を超えた分をドアカットしていた。北海道新幹線工事に伴い8両対応の在来線仮ホームへ切り替わり解消。

JR東日本


林崎駅(五能線)(類型2)
ホーム有効長が3両分しかなく、下り快速「深浦」などの4両以上の編成で運行された場合、上り進行方向後ろ側・下り進行方向前側の3両のみドアを開けていた。4両分にホーム延伸した事と5両以上の運行が無くなった事により解消。


油川駅(津軽線)(類型2)
ホーム有効長が機関車を含めて8両分しかなく、快速「海峡」が8両以上の編成で運転された場合には前7両のみドアを開けていた。同列車の特急格上げにより油川駅は通過となり解消。


群馬大津駅・袋倉駅(吾妻線)(類型1)
ホーム有効長が4両分しかなく、7両編成の普通列車では後部3両をドアカットしていた。7両編成の停車がなくなったため解消。


広野駅(常磐線)(類型2)
ホーム有効長が10両分しかないため、「スーパーひたち」などが11両編成で運転される場合、仙台駅寄りの1両をドアカットしていた。東日本大震災(福島第一原子力発電所事故)に伴い「スーパーひたち」の運行が休止され、後にいわき以北の運転が廃止されたため解消。


偕楽園駅(常磐線)(類型2)
ホーム有効長が11両分しかないため、14両編成の「フレッシュひたち」は先頭車両をホームに合わせて後方車両3両をドアカットしていた。2012年3月17日のダイヤ改正以降、偕楽園駅営業日(土休日の9:00-15:10頃)に運行する「フレッシュひたち」で14両編成の運転がなくなったため解消。


横浜駅(東海道線)(類型2)
ホーム有効長は15両分あったが、1981年10月1日から急行「東海」・「ごてんば」は両列車併結で座席車のみでは在来線最長となる16両編成(「東海」12両+「ごてんば」4両)となったため、最後部1両をドアカットしていた。1985年3月14日の急行「ごてんば」廃止により解消。

「あさかぜ1・4号」も年間を通して15両編成(電源車を含む、機関車は除く)であったため、東京駅以外の停車駅では東京寄り1 - 2両をドアカットしていた。1994年12月1日の同列車廃止により解消。



藤沢駅・茅ヶ崎駅(東海道線)(類型2)

貨物線上に設置されている「湘南ライナー」専用ホームの有効長は10両分しかないため、E351系12両編成で運行されていた「おはようライナー新宿」および「ホームライナー小田原」各1本は小田原寄り3両をドアカットしていた。2008年3月15日のダイヤ改正でE351系が充当されなくなったことにより解消。



かつて行われていた根府川駅でのドアカット



早川駅・根府川駅(東海道線)(類型1)
ホーム有効長が12両分しかなかったため、15両編成では後部3両をドアカット。ホーム延伸により解消。
東武鉄道


大谷向駅・大桑駅・小佐越駅(鬼怒川線)(類型2)
ホーム有効長が4両分しかなく、快速列車のうち下今市駅での分割併合を行わない6両編成の列車では後部2両をドアカットしていた。快速用6050系には自動扉締切装置が取り付けされていないため、前から4両目にも車掌が乗務しドアカット対象駅でのドア扱いを行っていた。快速列車の全列車が下今市駅で東武日光・鬼怒川温泉方面への分割併合を行い、下今市以北を4両以下の編成に変更したため解消。


大山駅(東上本線)(類型1)
ホーム有効長は6両分しかなかったため、8両編成の電車が停車する際には2両分をドアカットしていた(「大山対策車」という特別の編成が用意されていた)。なお、当時10両編成の運行はなかった。池袋寄りの踏切が地下化され、ホーム延伸により解消。

西武鉄道


下山口駅(狭山線)(類型2)
1976年の営業再開時、ホームは線路の北側に、単線1面1線で6両分しかなかったため、西武球場(現・西武ドーム)の野球・イベント開催時、池袋線の8両編成の普通列車(特に4連+4連)が停車する際には、池袋寄りの4両分をドアカットしていた。新宿線の臨時普通列車は通過していた。1981年3月6日、旧ホーム(ホームとしては閉鎖。現ホームの連絡通路に転用。)の南側に、列車交換可能な1面2線で、10両編成対応の島式構造のホームが完成したため解消し特急以外の優等列車が停車するようになった。

京王電鉄


神泉駅(井の頭線)(類型1)
ホーム有効長が18m車3両分しかなく、吉祥寺寄り2両をドアカットしていた。ホーム延伸により解消。


つつじヶ丘駅(京王線)(類型3)
1975年10月の一部列車8両編成化時にホーム延長工事が間に合わず、京王八王子寄り2両をドアカットしていた。ホーム延伸により解消。

東京急行電鉄


代官山駅(東横線)(類型1)

中目黒寄りのトンネルと渋谷寄りの踏切に挟まれホーム有効長が18m車8両分しかなかったため、20m車8両編成では中目黒寄り1両をドアカット。踏切の廃止とトンネルの改良によるホーム延伸で解消。


菊名駅(東横線)(類型1)
渋谷寄りに踏切があり、ホーム有効長が18m車8両分しかなかったため、20m車8両編成では渋谷寄り1両をドアカット。20m8両編成の各駅停車が踏切をふさいだ状態で急行の待ち合わせをしていたため、踏切の閉まる時間が日中でも長かった。菊名駅 - 大倉山駅間が一部高架化された際に踏切を廃止してホーム延伸がされ解消。


鵜の木駅(目蒲線(当時))(類型1)
ホーム有効長が3両分しかなかったため、4両編成が運用されていた時代は目黒寄り1両をドアカット扱いしていた。同線が東急多摩川線となり、編成が3両に短縮されたため解消。










東京急行電鉄 大井町線戸越公園駅停車中の3両目と4両目。4両目のドアが開けられていないことがわかる。


梅屋敷駅浦賀方にあった車掌用の台

東京急行電鉄 大井町線戸越公園駅停車中の3両目と4両目。4両目のドアが開けられていないことがわかる。



梅屋敷駅浦賀方にあった車掌用の台




戸越公園駅(大井町線)(類型1)
ホーム有効長が3両分しかなく、両側を踏切に挟まれていたため、5両編成の各駅停車の大井町寄り2両をドアカットしていた。大井町寄りの踏切を移設した上でホームを5両対応に延伸して、2013年2月24日に解消。
京浜急行電鉄


梅屋敷駅(本線)(類型1)
ホーム有効長が4両分しかなく、両側を踏切に挟まれていたため6両編成では横浜寄り2両をドアカットしていた。梅屋敷駅に停車する列車は、必ず横浜寄り2両目と3両目が通り抜けられる車両を使用した。本線平和島 - 六郷土手間と空港線京急蒲田 - 大鳥居間の高架化工事により、2010年5月16日から上り線、2012年10月21日から下り線がホーム有効長6両分の高架駅となったためドアカットが解消した。

横浜市営地下鉄


戸塚駅(1号線)(類型3)

1987年5月24日の開業時は仮設駅であり、ホーム有効長は4両分であったため、後部2両をドアカットしていた。1989年8月27日の本開業により解消。

箱根登山鉄道









箱根登山鉄道・風祭駅停車中の列車。係員や利用者が手動で開扉していた


風祭駅停車中の小田急3000形の車内表示。ホームにかからないことも表現されていた

箱根登山鉄道・風祭駅停車中の列車。係員や利用者が手動で開扉していた



風祭駅停車中の小田急3000形の車内表示。ホームにかからないことも表現されていた




風祭駅(鉄道線)(類型1)
ホーム有効長が約30mしかないため、全列車(20m車4・6両編成)箱根湯本寄りの1両(4両編成は7号車・6両編成は1号車)のみ駅員や車掌が非常用ドアコックを使用してドアを扱い、それ以外の車両はすべてドアカットしていた。2007年2月まではホームの長さは49mあったため、箱根駅伝開催日など多くの利用者が見込まれる場合には2両目(4両編成は8号車・6両編成は2号車)のドア扱いを行うこともあった。

なお線路の有効長は150mほどあるが、かつては線路有効長も短かったので2400形「HE車」では上下列車とも前から2両目(上り列車の場合は箱根湯本寄りから3両目)だけでドア扱いを行っていた。小田原寄りには踏切があり、6両編成では踏切にかかっていた。


2008年3月15日のダイヤ改正以降はホームが20m車4両対応となり、また停車する全列車が4両編成となったことにより解消。

JR東海


沼津駅(東海道本線静岡地区)(類型2)
国鉄時代、1日1本のみ、ホーム有効長が12両分しかない1番線で待避する15両編成の普通列車があり、後方3両をドアカットしていた(2 - 4番線は15両対応)。1986年11月のダイヤ改正で当該列車が11両編成に短縮されたため解消。


片浜駅・安倍川駅・西焼津駅・六合駅(東海道本線静岡地区)(類型1)
ホーム有効長が10両分しかないため、東京から静岡や島田まで(または島田や静岡から東京まで)行き、ドアカット該当駅に停車する11両編成の普通電車は島田・浜松側1両をドアカットしていた。東京方面から直通する10両編成以上の普通列車の運行が全て沼津までに変更されたのと11両編成の普通電車全てが10両へ変更されたため解消。

北陸鉄道


粟ヶ崎駅(浅野川線)(類型1)
ホームが踏切と大野川に挟まれていたため、ホームが33mしかなく8000系車両では最後部の扉がホームにかからないため、朝ラッシュ時の係員が乗務する列車でもワンマン運転時と同じ扉扱いが行われていた。2008年(平成20年)12月に大野川にせり出す形でホームが延長され解消。

名古屋鉄道


三河鹿島駅・形原駅(蒲郡線)(類型2)
ホーム有効長が2両分しかないため3両以上の編成の車両(早朝・深夜のみ)は前2両のみドア扱い、3両目以降の車両をドアカットしていた。


2008年6月29日のダイヤ改正による系統分離で2両編成のみの運行になったため解消。



学校前駅・顔戸駅・御嵩口駅(広見線)(類型2)
ホーム有効長が2両分しかなく、3両編成以上の列車はドアカットしていた。学校前駅に至っては乗降客数が少ないことから、普通列車の半数も通過していた。

学校前は2005年に廃止、顔戸と御嵩口は2008年6月のダイヤ改正による系統分離で2両編成のみの運行となったためそれぞれ解消。



手力駅・市民公園前駅・苧ヶ瀬駅・羽場駅・鵜沼宿駅(各務原線)(類型2)
同線でドアカット実施中の各駅と同様に、もともとは4両編成分のホーム有効長しかない急行通過駅であったが、それまで4両だった普通列車が一部6両とされたためドアカットを実施した。その後ホームの延長工事が行われ解消。


栄生駅(名古屋本線)(類型2)
ホーム有効長が6両分しかなかったため、8両編成の電車が停車する際には2両分をドアカットしていた。1996年にホームの延長工事が行われ解消。


布袋駅 (犬山線)(類型2)
同駅は元々、上下の待避線側のホームが6両編成対応で上り名古屋方面の急行のうちの約半数が同駅で後続の特急を待避し、その中には8両編成の列車もあり、その際には後部2両をドアカットしていた。1996年に上り待避線のみ名古屋方にホームが延長されたため解消。さらにその後の2005年1月改正では8両編成の列車の同駅での後続列車待避が解消された。2012年10月27日に下り線が仮ホームに移行され、待避線も8両対応になったため完全に解消。


新羽島駅(羽島線)(類型5)
一時冒進事故の後、安全対策上ホーム長を短縮し4両編成では笠松寄り2両をドアカットしていた。その後ホーム長を4両分に戻して解消。

阪急電鉄


西院駅・大宮駅(京都本線)(類型1)
ホーム有効長が7両分しかなく、大宮駅では特急の後部1両・急行の後部1両(8両編成)もしくは前部2両+後部1両(10両編成)、西院駅では急行の後部1両をドアカットしていた。このため当時特急・急行で運用されていた車両には車体側面にドアカットの旨を告知する大型ステッカーが貼り付けされていた。普通電車は当時6両または7両編成であったため、ドアカットは行われていなかった。

西院駅は急行の10両運転開始前に、大宮駅は10両運転開始後にホームを延伸することにより解消。



茨木市駅(京都本線)(類型3)
高架化工事中の上り仮設ホームの有効長が8両分しかなく、10両編成の急行は前部2両をドアカットしていた。

高架化工事完了・10両長のホーム供用により解消。



川西能勢口駅(宝塚本線)(類型1・2)
地上時代のホーム有効長が8両分しかなく、1982年3月に運行開始した10両編成の梅田駅行き急行は前2両をドアカットしていた。

1992年12月の宝塚本線高架化・10両長のホーム供用により解消。


近畿日本鉄道


近鉄奈良駅(奈良線)(類型1)
ホーム有効長が8両分しかないため10両編成で運行される列車は近鉄難波駅(現:大阪難波駅)寄り2両をドアカットしていた。1988年に1・2番のりばのホームが延伸されたため解消。


大久保駅(京都線)(類型1)
1982年3月より朝ラッシュ時の一部の急行が6両編成での運転となったが、両端に踏切があった関係でホーム有効長が5両編成分しかなかったため、6両編成の急行は京都寄り1両をドアカットしていた。しかし、両端の踏切は交通量が多く、長時間の遮断によって支障することが問題となったため、 同年6月1日に5両編成での運転に変更されたため解消。なお、京都線急行の6両編成運転は同駅が高架化されてホーム有効長が6両編成対応となった1987年12月6日に再開されている(ただし大久保駅を通過する特急については1979年7月より6両運転を開始し、急行が最大5両運転に短縮されていた期間中も最大6両運転が継続されていた)。

阪神電気鉄道


春日野道駅(本線)(類型3)

相対式ホームへの改良の際に新ホームを仮供用したため、平日朝の下り準急(6両編成)のみ神戸方1両をドアカットしていた。新ホーム本供用開始により解消。


三宮駅(本線)(類型1)
3番線降車ホームの有効長が5両分しかないため、梅田寄り先頭車をドアカットしていた。2011年7月22日に駅改良工事により3番線降車ホームが廃止されたため解消。

山陽電気鉄道


飾磨駅(本線)(類型1)
1番線のホーム有効長が4両編成分しかないため、6両編成の場合は後部2両をドアカットしていた。駅舎改良工事(橋上化)とホーム延長工事の施工により解消。

JR西日本


上郡駅(山陽本線)(類型2)
ホーム有効長が12両分しかないため、寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」14両編成(「瀬戸」7両+「出雲」7両)の場合は6両(高松・出雲市寄り3両と東京寄り3両)をドアカットしていた。2010年3月ダイヤ改正で同駅を通過駅にしたため解消。


備前三門駅(吉備線)(類型1・2)
ホーム有効長が4両分しかなく、両側を踏切に挟まれていたため、5両編成の場合は後ろ寄り1両をドアカットしていた。5両編成の運転がなくなったため解消。


七軒茶屋駅・梅林駅・上八木駅・中島駅・可部駅(可部線)(類型2・5)
七軒茶屋と上八木についてはホーム有効長が3両分しかないため、4両編成で運行する列車は広島寄り1両をドアカットしていた。梅林・中島・可部についてはホーム有効長自体は4両分あるものの、車掌の取り扱い不注意による事故(誤って七軒茶屋、上八木でも4両目のドアを開けてしまう事故)を防止するために2005年10月のダイヤ改正以降はこの3駅においても広島寄り1両のドアカットを実施するようにした。

七軒茶屋駅の移設、上八木駅のホーム延伸により4両対応となったため2008年3月15日のダイヤ改正をもって解消。



三江線のほとんどの駅(類型2)

三次駅や江津駅といった一部の駅を除き、ホーム有効長が2両分しかないため、2018年4月1日の路線廃止直前による旅客急増で2両編成では対応しきれず、3両編成になった場合、進行方向後ろ寄りの1両をドアカットを行っていた。

JR四国


香西駅・讃岐府中駅・八十場駅・讃岐塩屋駅(予讃線)(類型1)
ホーム有効長が2両分しかなかったため、各進行方向前寄り1 - 2両をドアカットしていた。国鉄時代は仮乗降場同然の扱いで、普通列車もほとんど通過していた。気動車列車や岡山 - 琴平間を直通するJR西日本岡山電車区配置の115系3両編成はドアカットができないため通過していた。ホーム延伸により解消。


児島駅(本四備讃線)・坂出駅・高松駅(予讃線)(類型2)
客車時代の寝台特急「瀬戸」はホームにすべての車両が入らず、ドアカットしていた。坂出駅は編成の半分しか入らなかった。最晩年に高架化されたが、「サンライズ瀬戸」への置き換えが迫っていたためか客車「瀬戸」への対応は行われなかった。


ワンマン運転





JR北海道富良野線・鹿討駅。ワンマン運転で鹿討駅が無人駅のため、最前部のドアのみが開く。



車内収受式のワンマン運転ではバスと同様に後方のドアから乗り込み前方のドアから降りるのが一般的だが、2両以上連結して運転する場合、有人駅以外では2両目以降の車両について開・閉扉しないことが多い。


不正乗車防止のため、また後乗り・前降りを徹底させるためか単行(1両)運転であっても無人駅では車両後方内側の開扉ボタンを機能させないようにするなど、後方から降りられず前方から乗れないようにするある種のドアカットが見られる。


また、JR北海道のように、前乗り・前降りで最前部の扉以外は開かないようにしているケースも見られる。これは冬期に後部ドアのミラーによる確認が難しいという事情があることや、仮乗降場から昇格した一部の駅は、前扉がかかる程度の長さしかホームがないことによるためとされる。
[要出典]



車内保温




常磐線原ノ町駅で発車を待つ415系電車。車内保温のためにドアカットを行っている。

常磐線原ノ町駅で発車を待つ415系電車。車内保温のためにドアカットを行っている。

JR九州 行橋駅にて、発車を待つJR九州813系電車のドアカット。中央の扉のみ解放。

JR九州 行橋駅にて、発車を待つJR九州813系電車のドアカット。中央の扉のみ解放。

JR北海道の一般形車両の多くに設けられている乗客用ドアスイッチ。このようにランプの点灯中は個別開閉が可能。

JR北海道の一般形車両の多くに設けられている乗客用ドアスイッチ。このようにランプの点灯中は個別開閉が可能。



通過列車待ちや始発列車など停車時間が長い場合に、車内の冷暖房の効果を上げるためにドアを閉め切るケースがある。ドアカットを行うことにより、車内に入り込む外気(寒暖)の流れを遮断することにより、車内温度をある程度維持でき、省エネルギーにも繋がっている。また、近年は悪天候において車内に雨水などが入り込まないようドアカットを行うケースもある。かつてはすべてのドアを閉め切るものが多かったが、1車両につき1・2箇所のみ開ける例もある。





東京メトロ10000系電車の乗務員室にある一部締切スイッチ。この車両では「一部締切」を使用すると片側の4か所のうち3か所のドアを締め切ることができる。


また、ドアカットとは異なるが、冬季の寒冷地では車内保温のため乗降扉を半自動扱いとして、乗客自らが手動で開閉する方法がある(詳細は自動ドア#半自動を参照)。


車両側に特別な装備を必要とせず、さらに簡便な方法としては、通常どおり全扉での客扱いを行った後、一旦全ての扉を閉め、乗務員が非常コックを扱い、乗務員室至近の扉を手動開閉する例もある。普通列車の待避時間が長い名古屋鉄道や近畿日本鉄道などで冬季に行われている。



図 - 車内保温のため1箇所のみを開けておく事例


Door cut for AC.gif
1箇所以外のドアを締め切る事例。この事例では、いったんドアをすべて開いて乗降が終わったのち、車内保温のため中央部以外のドアを締め切っている。




検札


  • JR東日本の特急「スーパービュー踊り子」では編成の半分のドア(窓ガラスが入っていないドア)が終点でしか開かない。ただしこれは同列車に使用する251系電車の運用に際してであり、同車両を用いる臨時列車でも同様な運用事例がある。なお、「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」で運用される際は検札を行う「おはようライナー新宿」の小田原、「ホームライナー小田原」の新宿・渋谷を除く全駅で全車両のドアを開ける。251系使用列車以外では「あずさ」でも新宿駅で一部のドアのみを開けてそこで検札していたが、1993年に同駅の特急ホームであった当時の5・6番線に中間改札が設置されたため解消した。

  • 東武鉄道では特急「けごん・きぬ」、「しもつけ」、臨時の「きりふり・ゆのさと」のとうきょうスカイツリー駅(下りのみ)・春日部駅(けごん39号・きりふり283号、285号を除く)、同「りょうもう」のとうきょうスカイツリー駅(下りのみ)・東武動物公園駅・久喜駅で2号車・5号車以外の車両、「スカイツリートレイン」は停車駅全駅で2号車・4号車のドアカットを実施している。「しもつけ」・「きりふり」・「ゆのさと」は4両では2号車(1号車寄り)・3号車以外、6両では3号車・4号車(5号車寄り)以外でドアカットされる。


  • 京成電鉄では「モーニングライナー」・「イブニングライナー」でドアカットを実施している。モーニングライナーは成田空港駅・空港第2ビル駅・京成成田駅・京成佐倉駅・八千代台駅・京成船橋駅にて、イブニングライナーは京成上野駅・青砥駅・京成船橋駅にて、一部の扉のみドアカットをしている。以前は下りの日暮里駅でもドアカットを行っていたが、2009年に駅改良工事が完成したことにより廃止された。一方で、空港第2ビル駅の3番線は6両しか有効長がないため、8両編成が停車すると後2両が成田スカイアクセス線専用ホームの1番線に停車するが、一般列車ではドアカットは行われない。3番線に8両編成の一般列車が停車している時は、駅員と車掌により1番線から乗降ができないように対応している。


  • 小田急電鉄のロマンスカーでは1999年まで乗車改札を行うため一部の扉を除いて締め切りしていたが、車内改札システム変更と同時に全てのドアを使用して乗車扱いする方法に変更された。ただし、2008年から運転されている60000形「MSE」の場合は東京地下鉄(東京メトロ)線内では1, 4, 5, 7 - 9号車のドアしか開かない。


  • 西武鉄道(および直通先の東京地下鉄有楽町線・副都心線、東京急行電鉄東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線)では、ホームライナーの一種といえる池袋線・西武有楽町線・西武秩父線系統のS-TRAINや新宿線・拝島線系統の拝島ライナーで、40000系の片側4扉のうち1扉のみを開放する措置を採っている。
    • 以前は新宿線の特急「小江戸」で実施されていた。「小江戸」の停車駅である西武新宿駅・狭山市駅で1号車の運転室寄り・3号車・5号車・7号車以外の車両でドアカットを実施していたが、全廃された。以前は始発駅となる西武新宿駅・本川越駅で1号車の運転室寄り・7号車以外の車両でドアカットを実施していた。一方で、ほとんどの特急停車駅に特急専用ホームが存在する池袋線の特急列車では実施していない。

  • 京浜急行電鉄の京急ウィング号では品川駅で乗車改札を行うため、前後4両において1つのドアを除いて締め切りしている。

  • 近畿日本鉄道では特急列車降車の際(近鉄では乗車時ではなく降車時に確認していた)に、1999年までは特急券回収などの関係上一部の扉を締め切りしていた駅があったが、特急券回収方法の変更により現在は行っていない。同様のドアカットは南海電気鉄道でも特急「サザン」において実施されていたが、こちらも2005年に解消されるに至った。

  • 京阪電気鉄道のライナーでは、奇数号車のドアを一部駅を除きドアカットしている。


優等列車運用



  • JR東海中央本線で運行されていた「セントラルライナー」では車両中央の扉を締め切りとしていた。そのため専用車両である313系8000番台は中央の扉に色を施し、LED式表示灯も取り付けられている。2006年3月18日のダイヤ改正で廃止となった急行「かすが」は1999年から3扉車のキハ75形を使用しており、同様に中央のドアを締め切りとしていた。


  • 京阪電気鉄道本線・鴨東線では、特急が3000系や8000系といった2扉車のみの運用となっていたため、特急列車に9000系が運用開始された当初は、乗客の混乱(列車到着直前に、誰も並んでいない各車両中央の乗車目標位置に乗客が殺到するなどの事態)を未然に防止するため、始発駅以外では3扉車の各車両の中央の扉を締め切り事実上2扉車として運転していた。同様に京浜急行電鉄でも600形使用の快速特急では中央扉を締切扱いとしていたが、すぐに中止した。
    • 現行ダイヤでは各駅設置の時刻表などに「2扉車」(II)・「3扉車」(III)の区別を示す記号を付け、その上、駅係員が次に到着する特急列車の扉数を適宜アナウンスして注意喚起するようになった(その後、各駅の乗車位置表示の方法を見直し、発車標や駅自動放送で停車列車の乗車位置を記号と色分け(「黄色または緑の乗車位置、△印の1番から8番」など)で案内するようになった)ことに伴い、このようなドアカットは解消されている。


  • 小田急電鉄では新宿 - 小田原間にノンストップ特急を1948年に運行を開始したが、当初の車両はロングシート車である1600形が使用され、中央の扉を締め切っていた。締め切られた部分には補助席が置かれていた。1949年に特急用車両である1910形(後の2000形)が登場したため、解消した。


  • 京成電鉄では開運号に3150形及び3200形の専用車両が使用されていた時代、中央の扉を締め切っていた。締め切られた部分は車内販売のスペースとして使用していた。1973年にAE形に置き換えられたため、解消した。


その他の理由





東京メトロ日比谷線03系5扉車が北千住駅で2つの扉を締め切っている様子



  • JR東日本吾妻線では1991年10月28日の群馬県民の日に、通常は115系3両編成の列車を増結扱いで6両編成にした際スイッチ盤操作を省略するため、有効長に余裕のある上越線内も含めて全区間で後部2両のドアカットを行い、全停車駅で4両編成の停車位置に停車させた。途中駅の案内も乗車位置はすべて4両編成としての案内であった。吾妻線内にはホーム有効長が4両分しかない駅があり、県内の小・中学生およびその家族を対象とした県民の日限定フリーきっぷ利用客の乗車による大混雑が見込まれ、その際は乗務員の車内移動が困難になるがゆえの措置であった。
    • なおこの年の群馬県内JR各線の列車の増結扱いは通常107系2両の列車が165系6両や185系7両になるケースもあり、予備車や波動用車両をフルに活用して混雑をさばいていた。

  • 西武鉄道狭山線の西武球場前駅では西武ドームでコンサートなどのイベントがあった際の定期列車の折り返しにおいて、降車客が少ない場合最前部だけのドアを利用して降車客を降ろしてからすべてのドアで乗車を扱うことがある。分類としては「乗客整理のためのドアカット」になる。なお、住之江競艇場の最寄り駅であるOsaka Metro四つ橋線の住之江公園駅でも、かつてはこれとほぼ同じことが行われていた。

  • 東京メトロの前身である帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が日比谷線に03系5扉車を導入し、東武線内への直通を開始した当初、東武線内では2番目と4番目の扉を締め切り、事実上3扉車として運用していた。その後も日比谷線では北千住駅・中目黒駅で当駅始発の5扉車の2番目と4番目の扉を締め切っている。

  • 東京急行電鉄世田谷線の上町駅は急カーブ上にホームがあって危険なため、三軒茶屋寄りの扉をドアカットしている。


  • 秩父鉄道の上長瀞駅上りホーム・和銅黒谷駅下りホーム・影森駅上りホーム・浦山口駅においては、ホームが外側に膨らみ急カーブとなっており、車両両端部とホームの間に大きな隙間ができるため4扉車のうち外側2つをドアカットしている。そのため列車のドアにはその駅では開かないことが明記されている。
    • なお、秩父鉄道に乗り入れを行っている西武鉄道4000系は2扉車のため、やむなく全てのドアを開けている。

  • 一時期、小田急電鉄江ノ島線の片瀬江ノ島駅では線路の有効長が140mであったことから編成長70mの2400形を2本留置することが可能であった。しかしホーム有効長が120mしかないため後から到着した列車についてはドアカットを行っていたことがある。これはホーム長のためのドアカットの事例の変形(通常の運用では発生しないドアカットのため)とされる。

  • 京阪電気鉄道では5000系は5扉車であり、平日ラッシュ時はすべての扉を使用するが、それ以外の時間帯は2番目と4番目の扉を使用せずドアカットしている。なお、2番目と4番目の扉は昇降式座席が降りてくるほか、扉の色が違うので容易に判別が付く。
    • また、京阪電気鉄道ではダイヤが乱れたときにはプレミアムカーを締切扱いにすることがある(ロープを張って対応)。

    • 2018年9月15日のダイヤ改正からは、ライナーでドアカットが行われている。


  • 名古屋鉄道では、特急用の一部特別車編成(1000-1200系・1700系・2200系)に間合い運用として早朝・深夜帯の急行や普通の定期運用が存在する。快速特急・特急以外の種別では特別車は営業しないため特別車のみ締切扱いになりドアカットされる。




参考



ドアカットできないことを理由に通常の停車駅を通過していた例



京成電鉄本線 - 博物館動物園駅(廃止)

博物館動物園駅は普通列車の停車駅だが、ホーム有効長が4両弱でありかつ地下駅であるため、1981年以降普通列車の一部が6両編成になった際に6両の普通列車は当駅を通過していたうえ、停車する4両の普通列車でさえ先頭車両の端はホームからはみ出ており、ドアカットせず列車と壁の隙間に台を設置して対応していた。やがて4両の普通列車が6両に転換されるにつれ停車する本数が減り、結果として利用客数も減った挙句1997年に休止され、再開することなく2004年に廃止された。

小田急電鉄小田原線 - 経堂駅

経堂駅は通常の準急停車駅だが、ホーム有効長が8両であるため、1978年から設定された東京メトロ千代田線直通準急は10両編成のため通過していた。その後小田原線の高架複々線化事業により、経堂駅は10両編成対応の高架駅となったため、現在は平日朝上りを除く千代田線直通準急が停車するようになり、2018年3月17日のダイヤ改正によりすべての準急が終日停車するようになった。

小田急電鉄江ノ島線 - 本鵠沼駅・鵠沼海岸駅

本鵠沼駅・鵠沼海岸駅は通常の急行の停車駅だが、ホーム有効長が6両であるため、1998年から設定された10両編成の急行は通過している。これは両駅のホームが踏切に挟まれており、ドアカットもホーム延伸もできなかったことによる。当時は10両編成の急行が少なかったため、一部通過という扱いであったがその後2004年から10両編成の急行が増加したため、一部停車という扱いとなったのち、2018年以降は急行の停車駅から除外されている。

JR西日本湖西線 - 新旭駅

新旭駅は新快速の停車駅であるが、ホーム有効長が8両でしかも高架駅のため朝の通勤時間帯に一本だけ設定されている12両の快速は新旭駅を通過するダイヤになっていた。なおこの快速は近江高島駅、北小松駅も通過し、代わりに新快速が通過する雄琴駅→おごと温泉駅に停車していた。

2011年3月12日のダイヤ改正よりホームが12両対応になり、この日から12両での運行が始まった新快速とともに停車するようになった(同時に近江高島駅、北小松駅も停車開始。おごと温泉駅の停車も継続している)。

阪急電鉄宝塚本線 - 豊中駅

1986年12月改正で、急行が停車するようになったが、当時の地上ホームは8両分しかなく、10両編成の梅田駅行急行が存在する朝ラッシュ時は通過とした(当時、折返しはすべて回送とされた)。その後、高架化が完成した1997年11月改正ですべての急行が停車するようになった。なお、同じく高架化工事中であった川西能勢口駅では1992年12月の高架化まで前2両のドアカットを行っていた。

西日本鉄道天神大牟田線 - 春日原駅

春日原駅は通常の急行の停車駅だが、ホーム有効長が6両であるため、朝の通勤時間帯に2本設定されていた8両編成の急行は通過していた。これは春日原駅のホームが踏切に挟まれており、ドアカットができなかったことによる。その後2001年に8両編成の急行について快速急行という種別が設定され、この駅を通過する急行はなくなった。その後、2010年に快急は廃止となった。


車両にドアカット機能がないことから停車できずに通過していた例


快速「ムーンライトながら」(1996年3月16日~2009年3月13日)

9両編成[3]で定期運転を行っていた当時、下り大垣行きが東海道本線豊橋駅から終点までこの区間の始発列車を兼ねる為に各駅停車となっていたが、途中の三河塩津駅と尾頭橋駅はホーム有効長が8両編成しか対応しておらず、当時運用されていた373系電車にドアカット機能が搭載されていないことから通過していた。定期運転終了後は豊橋~大垣間の各駅停車は廃止された。


脚注


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  1. ^ “道路と鉄道の立体交差化”. 名古屋市 (2012年7月23日). 2015年9月27日閲覧。


  2. ^ “一般国道302号及び都市計画道路守山本通線と名古屋鉄道瀬戸線との立体交差事業”. 名古屋市 (2014年4月4日). 2015年9月27日閲覧。


  3. ^ 下りは名古屋駅で後方3両(1編成)を切り放し、6両で運転



関連項目


  • プラットホーム

  • 車掌スイッチ


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