千葉マリンスタジアム
千葉マリンスタジアム (ZOZOマリンスタジアム) Chiba Marine Stadium (ZOZO MARINE STADIUM) | |
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施設データ | |
所在地 | 千葉県千葉市美浜区美浜1番地 |
座標 | 北緯35度38分42.86秒 東経140度1分51.32秒 / 北緯35.6452389度 東経140.0309222度 / 35.6452389; 140.0309222座標: 北緯35度38分42.86秒 東経140度1分51.32秒 / 北緯35.6452389度 東経140.0309222度 / 35.6452389; 140.0309222 |
開場 | 1990年(平成2年)3月24日[1] |
所有者 | 千葉市 |
管理・運用者 | 千葉ロッテマリーンズ(指定管理者) |
グラウンド | 野球専用人工芝「MS Craft Baseball Turf」 |
ダグアウト | ホーム - 一塁側 ビジター - 三塁側 |
照明 | 大庇先端上投光器照明方式(サークルライン方式)
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建設費 | 133億円 |
設計者 | 富家建築事務所 |
建設者 | 大成建設、清水建設、西松建設、 熊谷組、五洋建設 |
旧称 | QVCマリンフィールド(2011年3月1日 - 2016年11月30日) |
使用チーム • 開催試合 | |
千葉ロッテマリーンズ(1992年(平成4年)[2] - 現在) | |
収容能力 | |
30,082人(内野:23,000席、外野:約7,000席) | |
グラウンドデータ | |
球場規模 | グラウンド面積 : - m2 両翼 : 99.5 m(約326.4 ft) 中堅 : 122 m(約400.3 ft) 左右中間 : 116.3 m(約381.6 ft) バックストップ : 19 m(約63.3 ft) |
フェンス | 4.4 m (約14.4 ft) |
千葉マリンスタジアム(ちばマリンスタジアム)は、日本の千葉県千葉市美浜区の県立幕張海浜公園内にある多目的野球場[3]。
1992年(平成4年)からプロ野球・パシフィック・リーグ(パ・リーグ)の千葉ロッテマリーンズが専用球場(本拠地)として使用している[2]ほか、高校野球などのアマチュア野球も開催されている(後述)。
2016年12月1日より「ZOZOTOWN」を運営するZOZO(旧:スタートトゥデイ)が施設命名権(ネーミングライツ)を取得しており、名称をZOZOマリンスタジアム(ゾゾ マリンスタジアム)としている[4][5](詳細は後述)。
地名を冠せずにマリンスタジアム、マリスタ、或いは千葉マリン、マリンといった形で略した通称が使用される。「ZOZOマリンスタジアム」という名前になってからはゾゾマリンが用いられている。
目次
1 歴史・ 概要
1.1 建設・開場
1.2 プロ野球の球団招致
1.3 千葉ロッテマリーンズの本拠地として
1.4 命名権の導入
1.5 アマチュアスポーツの殿堂として
1.6 国際大会の会場として
1.7 多目的の娯楽の殿堂として
1.8 東日本大震災の影響
1.9 運営管理会社について
2 年表
3 施設概要
3.1 球場データ
3.2 スタンド
3.3 フィールド
3.4 スコアボード
3.5 リボンビジョン
3.6 照明
3.7 ブルペン
3.8 広告
3.9 マリーンズ・ミュージアム
3.10 室内練習場
3.11 観客向け設備の拡充
4 風
5 施設命名権
5.1 命名権導入まで
5.2 QVCマリンフィールド
5.3 ZOZOマリンスタジアム
5.4 施設名以外の命名権
6 ヤクルト主催の公式戦
7 交通アクセス
7.1 鉄道
7.2 バス
7.3 高速バス
7.4 自動車
8 近隣施設
9 脚注
9.1 注釈
9.2 出典
9.2.1 広報資料・プレスリリースなど一次資料
10 関連項目
11 外部リンク
歴史・ 概要
建設・開場
全国屈指の[6]多目的野球場を目指して[3]「千葉球場(仮称)」として1988年(昭和63年)1月30日に起工式が行われた[7]。
愛称の募集が行われ[8]、同年4月15日に「千葉マリンスタジアム」に決定した[9]。
球場施設は千葉市、駐車場などの土地部分は千葉県がそれぞれ所有であるが、建設時から民間のノウハウを活用して各種イベントなどの運営・管理を第三セクターが担うことを目指しており[10]、地元企業など官民49社が共同出資して[11]、1989年(平成元年)5月19日に「株式会社千葉マリンスタジアム」が設立された[11]。
1990年(平成2年)3月24日に開場した。こけら落しはオープン戦巨人対ロッテ戦となり[12][13][14]、市民1万人を無料で招待することになった[13][14][15]。なお、当該試合の主催はロッテではなく巨人であった。
初のプロ野球公式戦は翌1991年(平成3年)5月25日のヤクルト対中日戦(ヤクルト主催)。なお、当球場の初安打は古田敦也(二塁打)、第一号本塁打は荒井幸雄(ランニングホームラン)であった[広報 1](#ヤクルト主催の公式戦の項も参照)。
プロ野球の球団招致
老朽化しかつ狭隘な川崎球場を本拠地とし、観客動員が伸び悩んでいたロッテオリオンズは関東の他球場への本拠地移転を検討しているとされており、建設開始前後から当球場へ進出する構想がささやかれていた[16]。
また、「株式会社千葉マリンスタジアム」が運営会社として活動を開始した直後の1989年(平成元年)6月25日に「千葉にプロ野球を誘致する県民会議」が県民・市民や県内政財界関係者によって結成され、プロ野球誘致を求める署名運動が開始された[17][18]。
そのため、「株式会社千葉マリンスタジアム」がロッテ球団に対して招致を行って「公式戦」を1989年(平成元年)11月に開催するとの回答を得ると共に[16]、同年11月24日には同球団の松井社長が来季からの移転に意欲を見せるなど本拠地移転に向けて進展が見られた[19]。
しかし、プロ野球の球団本拠地化に伴う補助金の返還が約5億円に上ることなどもあり[20]、「公共性重視」を掲げて千葉県側が招致に慎重な姿勢を示したことから1991年(平成3年)の移転すら困難と見られるようになった[21]。
こうした状況を受けて、千葉青年会議所が千葉県と千葉市にプロ野球誘致に向けて努力を要望したものの[22]、状況は進展しなかった[23]。
ところが、開場後の1990年(平成2年)7月になっても千葉県当局は県議会でプロ野球の球団誘致に慎重な姿勢を変えなかった[24]。同年9月に千葉青年会議所が千葉県議会に改めて請願書を提出し[25]、同年10月に入ってようやく千葉県知事が誘致へ協力することを表明することになった[26]。
こうした千葉県の姿勢の転換を受けて同月25日に千葉市と千葉県はプロ誘致について正式合意し、千葉県が千葉市に了承書を交付した[27]。
ところが、同月30日にロッテの松井静郎球団社長は1991年(平成3年)の移転断念を表明し[28]、
1991年(平成3年)2月5日に「株式会社千葉マリンスタジアム」がパシフィック・リーグに招致への協力要請した[29]
後の3月31日に行われた千葉市長との会談でロッテ球団側はあくまで「白紙」状態であると表明するなど[30]、今度はロッテ球団側が慎重な姿勢を見せた。
その後、同年7月31日に日本プロ野球のオーナー会議で重光昭夫オーナー代行が正式に移転を表明し、同日開催されたロッテ主催による千葉マリン初のパ・リーグ公式戦(対西武戦)に花を添えた[31]。
そして同年9月4日の実行委員会でロッテの保護地域の千葉県への移転が承認され[32]、同年10月31日のオーナー会議での承認を経て、1992年からロッテは千葉マリンに本拠地を移すことが決定した。
移転の際、従来からのファンからは球団名として「オリオンズ」の継続を望む声もあったが[33]、低迷を脱出するためにイメージを一新したいとして変更することになった[34]。同年11月19日に一般公募から選考して、新たな愛称は「千葉ロッテマリーンズ」に決定した[35][注釈 1]。
千葉ロッテマリーンズの本拠地として
1992年(平成4年)3月3日に「千葉ロッテマリーンズ」は当球場で初の練習を行い[2]、同月7日には初のオープン戦[36]、同年4月4日には初公式戦を開催して本拠地としての活動を開始した[37]。
移転初年度のロッテはチームの勝敗では6位と最下位に低迷したものの[38]、観客動員では移転景気で約28万人増の約130万人と球団新記録を達成したが[39]、2年目に大きく落ち込んだ[40]。
その後は、チーム成績が好調だった1995年(平成7年)には観客動員が伸びたものの[41][42]、チーム成績および観客動員共に低迷した。
1996年(平成8年)3月の千葉市議会で「千葉マリンのドーム化」についての質疑が行われるなど[43]、県や市の政財界関係者の一部の間で、伸び悩むロッテの観客動員と強風など気象条件に左右されやすい環境を改善する打開策として「千葉マリンのドーム化」を求める動きが起こった。
1999年(平成11年)にロッテがシーズン序盤好調だった際に、千葉市の松井旭市長が「優勝した場合はドーム化を検討する」と表明した[44]。この際には建設費は約80億円で民間資本を活用して行うことが構想されていた[45]。
2004年(平成16年)6月に「ボールパーク化構想」の実現のために、千葉県議会が、当球場と隣接する千葉県立の海浜公園の一体的な活用が可能となる管理基準の改訂を行った[46]。
同月にロッテ球団はその一環として、球場周辺に物販施設を併設することなどを提案して、千葉市とも協力することになった[47]。
2006年(平成18年)4月に一塁側にカクテルなどを味わいながら観戦可能な「バー」を[48]、同年8月1日にスタジアム敷地内に「マリーンズ・ミュージアム」を開設するなど「ボールパーク化」が進められることになった[49]。
こうした取り組みに伴って千葉ロッテマリーンズが指定管理者となった。
命名権の導入
2010年(平成22年)11月4日 - 千葉市が施設命名権売却先の募集要項を原則として「契約期間3年以上で年額2億円以上」と発表して公募に踏み切った[50]。同年12月7日に施設命名権売却先の交渉先にQVCジャパンを交渉先に選定した[51]。同社の契約は、年額2億7500万円の10年間契約で、総額27億5000万円というものであった[52]。同年12月27日に千葉市およびロッテ球団は、QVCジャパンが基本合意して呼称を選定したと発表し、2011年(平成23年)3月から「QVCマリンフィールド」となることになった[53]。
- 以降、球場名称の変遷詳細は#施設命名権の節も参照。
アマチュアスポーツの殿堂として
社会人野球公式戦のJABA千葉市長杯争奪野球大会の第1回大会[注釈 2]を皮切りに高校野球や社会人野球などのアマチュア野球も行われるようになった。
高校野球では、夏の全国高等学校野球選手権千葉大会の開会式と準々決勝以降の試合(ロッテの日程の兼ね合いで5回戦以下の試合で使用される場合もある)などで使用されている。
他球場と同じく草野球場としての一般貸し出しも行っている。しかし、使用条件があり『1チームのメンバーが25名以内で、3分の2以上の方が「千葉県民あるいは千葉市内在勤・在学者」であること。(対戦チームについても同様とします。)』となっている。[広報 2]
2010年(平成22年)9月25日に国民体育大会(ゆめ半島千葉国体)の開会式会場となった。野球場で国体の開会式をするのは初めて。2010年にロッテがクライマックスシリーズに進出した際には、ファーストステージならびにファイナルステージ全試合のパブリックビューイングが元ロッテの立川隆史をゲストに行われ[広報 3]、最終戦には公式戦並みの約1万3千人の観客を集めた[54]。
国際大会の会場として
2018年に千葉県で開催される第16回世界女子ソフトボール選手権の決勝ラウンドの会場に予定されている[55]。2019年はWBSCプレミア12の2次ラウンド(スーパーラウンド)の会場に予定されている[56]。
多目的の娯楽の殿堂として
スポーツだけでなく、娯楽の殿堂としての機能も持つ多目的野球場[3]として、完成間もない1990年4月13日のマドンナのコンサートを皮切りに[57]、コンサートでも数多く利用されており、近年では都市型音楽フェスティバルのサマーソニックの会場等にもなった。
しかし、一方ではそのマドンナのコンサートに対して、近隣住民などから騒音としての苦情が約60件寄せられ[58]、中には3km離れたところからのものもあった。住宅もある都市部での野外施設のため、騒音問題も開場当初から存在している[59]。
東日本大震災の影響
2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、球場自体には大きな被害はなかったが駐車場や海浜幕張駅周辺で液状化が発生。観客の安全に配慮して同月15日と16日のオープン戦が中止となった[60][61]。
運営管理会社について
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 260-0026 千葉県千葉市中央区千葉港2番1号 |
設立 | 1989年5月19日 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 2040001004928 |
事業内容 | 野球その他のスポーツおよび各種催事のための施設の賃貸など |
代表者 | 岩成一弘(代表取締役社長) |
資本金 | 2300万円(2016年3月31日現在) |
発行済株式総数 | 4600株 |
純利益 | 2125万円(2016年3月期) |
純資産 | 2億3425万2000円 (2016年3月31日現在) |
総資産 | 4億9884万4000円 (2016年3月31日現在) |
決算期 | 3月末日 |
主要株主 | 千葉市、千葉銀行、千葉日報、千葉マツダ、JFEスチール、京成電鉄、京葉銀行、千葉興業銀行、千葉信用金庫、東日本旅客鉄道 |
外部リンク | http://www.marinestadium.co.jp/ |
上述の通り、球場開設時にその運営管理会社として「株式会社千葉マリンスタジアム」が設立されている。基本的業務として千葉マリンスタジアムの管理運営を行っており、千葉ロッテマリーンズが指定管理者となって以降は利用者管理業務・施設管理業務等を受託して管理運営を行っている[62]。
また、これ以外にも千葉市の指定管理者として京葉銀行文化プラザ、千葉市美浜区の高洲コミュニティセンターと真砂コミュニティセンター、蘇我スポーツ公園施設の管理運営を行っている[62]ほか、NASスポーツクラブより受託を受けて青葉の森スポーツプラザの管理運営を行っている[63]。
年表
1988年(昭和63年)
1月30日 - 仮称「千葉球場」起工式[7]。
4月15日 - 愛称が「千葉マリンスタジアム」に決定[9]。
11月18日 - 「株式会社千葉マリンスタジアム設立準備委員会」が発足[64]
1989年(平成元年)
5月19日 - 「株式会社千葉マリンスタジアム」設立[11]。
1990年(平成2年)
2月22日 - 竣工。総建設費133億円。
3月24日 - 開場[1]。
1991年(平成3年)
5月25日 - 初のプロ野球公式戦(ヤクルト - 中日)開催。
7月31日 - 初のロッテオリオンズ(当時)公式戦(ロッテ - 西武)開催。
1992年(平成4年)
3月3日 - 「千葉ロッテマリーンズ」の初練習[2]。
3月7日 - 「千葉ロッテマリーンズ」の初オープン戦[36]。
4月4日 - 「千葉ロッテマリーンズ」の初公式戦[37]。
2006年(平成18年)- 4月 - 一塁側にカクテルなどを味わいながら観戦可能な「バー」を開設[48]。
8月1日 - 敷地内に「マリーンズ・ミュージアム」を開設[49]。
2010年(平成22年)
11月4日 - 千葉市が施設命名権売却先の募集要項を原則として「契約期間3年以上で年額2億円以上」と発表[50]。
12月7日 - 千葉市が施設命名権売却先の交渉先にQVCジャパンを交渉先に選定したと発表[51]。契約金額は年額2億7500万円の10年間契約で総額27億5000万円[52]。
12月27日 - 千葉市およびロッテ球団はQVCジャパンが基本合意し、呼称を「QVCマリンフィールド」に選定したと発表[53]。
2011年(平成23年)
3月1日 - 「QVCマリンフィールド」に呼称を変更[53]。
2016年(平成28年)
3月1日 - スコアボードを全面大型映像装置に改修[65]。詳細後述
7月26日 - QVCジャパンが千葉市に対して残り5年の命名権利を返上・解約したいとの意思を表明。
9月27日 - QVCと千葉市が解約について協議した結果、千葉市はこれを了承。同年11月30日をもって「QVCマリンフィールド」の名称を終了すると発表。
10月28日 - 新名称の優先交渉権者に、スタートトゥデイが選定される。
12月1日 - QVCマリンフィールドから「ZOZOマリンスタジアム」に呼称を変更にした。
2019年
オープン戦から、ホームランテラスを増設。これにより、2018年以前よりも5メートル外野スタンドが手前にきた。また「マリンシート」を増設することも発表した。
施設概要
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サッカーやアメリカンフットボールでの使用も視野に入れた真円形のスタンドを採用しているが、可動席(現在は廃止)には他の多くの円形兼用球場のようなスライド式ではなく取り外し式のものが採用されている。
球場データ
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- 構造:地上5階(RC造、S造)
- 建築面積:14,938m2(コンコース含まず)
- 大庇先端高さ:内野33.9m、外野23.02m
- グラウンド面積:非公表
- 開場当初から2005年までは14,674m2、最大グラウンド面積:15,018m2(可動席取り外し時)
- グラウンド:野球専用人工芝(ミズノ社製 MS Craft Baseball Turf、ミズノ社・積水樹脂社の共同開発)
- グラウンド規模:両翼99.5m、左右中間116.3m、中堅122m
- 外野フェンス高さ:4.4m(ラバーフェンス2.4m+金網フェンス2.0m)
- 照明設備:大庇先端上投光器照明方式(小糸工業製:通称「サークルライン方式」。最大24種の点灯パターンにより照度可変)
- 電光掲示板:6か所(メインスクリーン、サブスクリーン2ヵ所、ネット裏スクリーン2か所、帯状映像装置)
- メインスクリーン:フルカラーLED式(三菱電機製 オーロラビジョン、H 10.8 × W 28.8 m、1,201型相当)
- サブスクリーン:フルカラーLED式(オーロラビジョン、H 5.76 × W 20.16 m、825型相当)
- ネット裏スクリーン:フルカラーLED式(オーロラビジョン、スコア部:H 2.4 × W 11.2m、451型相当。カウント部:H 2.4 × 2.88 m、148型相当)
- 帯状映像装置:フルカラーLED式(三菱電機製 オーロラリボン、H 0.96 × W 295.68 m)
- スタンド:内野2層式、外野1層式、全席個別座席
- 収容人員:30,082人(車椅子席8席含む)
- 2006年より小規模な改修が毎年繰り返されており座席数が増減しているが、その変更に対しての増減は細かく発表されていない。ロッテ球団公式サイトによれば2012年2月現在の定員は30,082人。最高観客動員数は2006年の31,024人である。プロ野球公式戦の場合は入場者が30,000人を超えた時点で「満員御礼」が出る。
スタンド
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内野は二層、外野は一層式。全体の形状は円形であるが、外形は内野席の比率が大きくなるようになっている。かつてはサッカーコートをフィールド内に収めるための取り外し式可動席がダッグアウト横にあったが、フィールドシート増設時に廃止され可動席部分もフィールドシートとなった。球場の管理権が球団に移った2006年以降には小規模な改装が繰り返されており、通常の座席がボックスシートに変更されている箇所がある。また内野下段スタンドの最上段には室内観覧席が設置されている他、バックストップ裏(バックネット裏下)1階部分の記者席一塁寄りを「マリーンズ・プレスシート」として観客席としている。
内野スタンドと外野スタンドは分かれた構造となっており、場内通路で繋がれている。ロッテ主催試合では外野席の入場者は内野部分に入れるが、逆に内野席の入場者は2006年から外野部分に入れなくなった。2005年までは、外野席が満員になった試合、優勝決定ゲームなど混雑が予想される試合のみ。
2005年のプレーオフ第1ステージ第1戦では、ライト側(ロッテ側)外野席が満員となり、レフト側(西武側)の一部をロッテファン用に開放したものの、ロッテファンの一部がチケットを持っているにも関わらず入場できないという混乱が起きた。現在では、レフト側外野席のセンター寄り部分をマリーンズ側として設定しており(一部対戦は除く)、ビジター、ホームの席の割合が3:7となっている。
紙テープや紙吹雪は許可が下りた場合のみ可。ダッグアウトに選手が入る際、ベンチにはテンピュール製のクッションが配備される。
近隣に居住地域が無いため試合時間が遅くなっても他球場と異なり鳴り物制限は一切無い。
フィールド
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サッカーコートが収まる大きさにしていたがスライド式可動席を採用しなかったため、同クラスのフェアグラウンドを持つ野球場よりかなりファウルグラウンドが大きくなっている。ロッテが本拠地としてからフィールドウイングシートが増設されるまで、NPBの球団が一軍本拠地とする球場の中でグラウンド面積が最も広かった(公式発表では阪神甲子園球場がより広かったが訂正されている)。フィールドウイングシート設置後のグラウンド面積は公表されていない。
アメリカンフットボールはフィールドシート増設後でも使用可能で、社会人リーグであるXリーグの公式戦も行われている(オービックシーガルズが本拠地のように表現している)。使われるのは外野部分で、その際にはライト側とレフト側にゴールポストが設置される。
グラウンドは全面人工芝で、2003年初めにアストロ製のショートパイル人工芝「ネクストターフ」(パイル長30mm)に張り替えられた。張替え当時はいわゆる「ハイテク人工芝」と称された高機能型であった。2009年頃からパイル硬化などの劣化が指摘され、ロッテは同年オフ、千葉市に対し人工芝の張替えを求める要望書を提出した。千葉市は慢性的な財政難のため、張替え費用を捻出することが困難としたため、約5億円の工費はロッテ球団が立て替え、市が2011年度から6か年かけて返済する形で費用を工面することが決定した。
2010年オフから張替えに着手し、同年末に着工して2011年2月下旬に竣工。アストロ製のショートパイル型「アストロステージMJ〔マリンヴァージョン〕」(パイル長32mm)が採用された。基本は西武ドームなどに敷設されているものと同品種だが、マリンスタジアムではロッテ選手会の要望などを踏まえ、芝の下に敷設するアンダーパッドの下部に緩衝材を敷き、足腰への衝撃を軽減する工夫が施されている。パイル一本一本には芯が入っており、より天然芝の感触に近付けて仕上げている。施工したアストロの関係者は「選手の要望にいかに応えられるかが醍醐味。選手が最高のプレーをして、勝ってくれるのが一番嬉しい」と話している。
市はこの人工芝張り替えに関する問題を契機に、築20年を経過して老朽化が進んでいる球場全体の施設改修などを計画的に進めるため、市民をはじめ全国のファンから寄せられた募金・寄付金や「ふるさと納税制度」を活用して広く協力を求める「千葉マリンスタジアム基金」を創設し、2010年9月1日から受付を開始している。2011年3月1日からスタジアムに施設命名権が導入され、売却益の一部は改修費用に充当される(基金の名称は命名権導入に伴い、同日より「マリン基金」に改称。命名権の導入経緯については後述)。
2018年にはミズノ社と積水樹脂社の共同開発による野球専用人工芝「MS Craft Baseball Turf」を採用。総工費は3億2000万円。張替え工事は2017年オフから開始され、2018年2月28日に完成、同年3月のオープン戦に使用開始された[66]。
スコアボード
開場当初、スコア表示部は白色電光式で、ロッテの本拠地となった1992年に高輝度放電管の大型映像装置を増設した(松下電器産業製 アストロビジョン、H 7.844 × W 9.911 m)。老朽化のため2002年に全面改修を行った際はスコア表示部にLEDを採用した。さらに2008年の改修において映像装置が従来よりやや大きな三菱電機製のLED式オーロラビジョンに更新された。映像装置には1992年の設置当初から「マリンビジョン」の愛称が付いている。ライト側に風速表示、レフト側にサッカー用と思われる45分計とアメフト用と思われる経過時間計がある。風速表示の真上に風車型風速計が設けられている。2011年からボールカウントの表示方式を、従来の「SBO(上からストライク・ボール・アウト)」順から、国際ルールに則った「BSO」順に変更している。また球場命名権の設置に伴い、マリンビジョン上部の電光表示広告を、前年までの「LOTTERIA」に代えて「QVCマリンフィールド」に電光表示を変更、下部の「JR東海」の看板広告に変えて、「CHIBA LOTTE MARINES」の看板を掲げた(2013年はサントリーの『ソウルマッコリ』、2014年からは三井住友銀行が掲示されている)。2012年から審判の上に投球数が表示されるようになった。高校野球開催時にイニング得点に表示される校名部分は2文字しか表示できない(泉、土気、多古はそのまま。専大松戸=専松、市立船橋=市船、習志野=習志)[注釈 3]。球速を表示する専用の欄があるにもかかわらず、字が小さいためか試合中は球速を中央のオーロラビジョンに(広告とともに)表示する。
2014年8月19日ロッテ-オリックス戦においてスコアボードが故障。オリックスの選手の名は全員消え、ロッテは加藤、角中、岡田、益田の4人だけとなった。
2016年に約5億円をかけてスコアボード部分を改修、メインスクリーン(縦10.08m×横28.8m(1,201型))1面、外野スタンドサブスクリーン(縦5.76m×横20.16m(825型))2面およびバックネット裏サブスクリーン(スコアなどを表示する縦2.4m×横11.2m(451型)と、打率、投球スピード等を表示する縦2.4m×横2.88m(148型))2面の合わせて5面の三菱電機製オーロラビジョンが設置された。これは球団側がスコアボードの所有者の千葉市に改善を要望していたことに加え、市長へ「映像が見づらい」という市民からの投書や、上述の通り老朽化による故障がみられたためであった。整備事業費は約7億円で千葉市とロッテ球団が2:1の割合で費用を負担する[67]。外部サイトの図解にもあるが、在来のスコアボードの箇所に加え、レフト・ライト側のそれぞれポール際にあった回転式広告板の箇所にサブビジョンが設置される[広報 4]。大時計についてはサッカー用の45分タイマーは外され、代わりに球場のマークが入る。
メインボード(バックスクリーン)は、中央に明治神宮野球場と同じ要領で各イニングスのヒット数が表示できるようになった。またイニング表示は基本9イニングスのみ。延長についてはプロは12回(2016・2017年シーズンの日本シリーズを除く[注釈 4])までなので9回の隣に3イニングをつぎ足し。アマチュア及びソフトボールは10回まで表記し、11回から先は1からもう一度記入し直しとなる。なお、2016年9月24日のロッテ-オリックスにおいて機器の不調のせいかアマチュアタイプで表示された。
リボンビジョン
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2008年の改修で、内野席1階席直上の庇部分に増設された。三菱電機製の「オーロラリボン」を採用している。ファンからの公募による「marines wing vision(マリーンズ・ウイング・ビジョン)」の愛称が付いている。ホームゲームの際、マリーンズの好プレイ(安打、本塁打、盗塁成功など)を称えるメッセージやリリーフ登板に「It's your time」「We believe」の文字を流したり、マリンビジョンでのCMに対応するメッセージ、他に球場側からの告知事項を表示する。
2019年の改修では、全長295.68m、高さ1.28mのものに更新し、国内の野球場では最長・最大のリボンビジョンとなる予定。
照明
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スタンド上部の庇にサーチライトを架設。照明塔を使わないため外観をスマートに保つ事ができる上、高い照明効果を得られるなどのメリットがある。球場の外周全面に高い壁を造る必要があるため日本国内の屋外野球場でこの方式を全面採用しているのは千葉マリンだけだが、内野スタンドの庇先端部にサーチライトを分散させる手法は後に岡山県倉敷スポーツ公園野球場(マスカットスタジアム)や松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)、秋田県立野球場(こまちスタジアム)、新潟県立野球場(HARD OFF ECOスタジアム新潟)、改修された阪神甲子園球場(改修前は集中的に設置)などでも取り入れられている。
2018年には総工費8億3000万円をかけ、グラウンド内の照明を全てLED化。現状のメタルハライドランプと高圧ナトリウムランプに替えて、高演色LED照明を採用することで、照度(グラウンドの明るさ)を維持したまま、総消費電力を約50%削減することができるという。また、統合制御システムとの連携により、ビジョンや音響と連動した躍動感あふれる演出を実現できるようになり、新たにフルカラーのLED照明による球場外壁のライトアップも行われる[68]。
ブルペン
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ブルペンは内野スタンドの外野寄り1階にあり、プロ野球ではリリーフピッチャーは内野スタンドと外野スタンドの間(LゲートおよびRゲートの手前。場外からの搬入口にもなっている)からリリーフカーに乗って登場する。車種は2018年現在はアウディ・TTを使用中。
広告
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1992年のロッテ千葉移転後、外野席にプリズムビジョン形式の広告両サイド6枚ずつの12枚を設置している(2016年に外野サブスクリーン設置のため、両サイドから2枚ずつ撤去され現在は計8枚)。2005年には、武富士との契約期間満了をもって、消費者金融の広告を外した。2006年からロッテ球団が指定管理者になり、内外野フェンスの広告が設置され(外野は白一色、内野はカラー広告)、2008年にはバックスクリーンにプリズムビジョンが設置された。
マリーンズ・ミュージアム
2006年(平成18年)8月1日に開館した「マリーンズ・ミュージアム」では、ロッテにまつわる様々な資料が展示されていた[49]。
2017年のリニューアルでミュージアムは事実上撤去され、併設されていたマリーンズストア(グッズショップ)が拡張された。なお、2階部分は閉鎖された。現在はマリーンズストア・ミュージアム店としてその名を残しており、一部の展示物が移設されている。またスタジアム内のコンコースにも一部の展示物が移設された[広報 5]。
支配下登録選手一覧、写真パネルで見る優勝パレード、2005年に日本一を含めた6冠となった際に贈られた4つのトロフィーの受賞者保存用レプリカ- 実際に使用されていたミニカーを使ったリリーフカー
- 球場で実際に使われているダッグアウトや芝および照明灯、ファウルポール周辺部分の実物大外野フェンス、実際に操作出来るボールカウント表示器。2010年9月から11年7月までストライクのカウントは作動するがボールは壊れて反応しなかった。切り出した形でのマウンドとホームベースエリアの再現
- ロッカールームの再現。選手から寄贈を受けた使用済みのスパイクやグローブ、バット他が置かれており、里崎智也がワールド・ベースボール・クラシックに出場した際に着用した日本代表ユニフォーム、成瀬善久が北京オリンピック野球日本代表として出場した際に着用したベースボールキャップとグラウンドコートも飾られている。
- 前身「毎日オリオンズ」以来の千葉ロッテマリーンズの歴史
- 入り口すぐ脇の屋外にマリンスタジアム竣工当時に敷かれていた初代の人工芝のマット
室内練習場
室内練習場は建設時からなく、やや離れた場所にある稲毛海浜公園の練習場が使用されていた。選手側からの要望もあり、2012年からの使用を目指して球場場外に建設され、2012年2月14日に竣工した[広報 6]。
観客向け設備の拡充
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2000年以降に実施された、ファンサービス向上を目的とした施設拡充について下記に挙げる。
2001年 - 球場近くの知的障害者支援施設が寄贈した「絵馬堂」を設置。
2003年 - 児童用遊戯施設および託児所、授乳室、ベビーベッドを設置。授乳室・ベビーベッドについては花王が命名権を獲得し「メリーズ ベビールーム」(現在は命名権を解消して「キッズハウス」)として、遊戯施設についてはイケアが命名権を獲得し「イケア キッズスクエア」(現在はリクルートが命名権を獲得して「スーモ キッズスクエア」)として運用している。
2006年 - 管理権が市からロッテ球団に移行。フェンス広告の解禁をはじめ、ファンの「マッサージを受けながら試合を見たい」と言う声に応えたマッサージ席やフィールドシート(フィールドウイングシートと呼称)を新たに設けるなど、大幅なリニューアルが行われる。ラブラドール・レトリバーのボールドッグ“エルフ”登場。同年8月1日、スタジアム敷地内に「マリーンズ・ミュージアム」がオープン。シーズン途中より、リリーフカーがボールが半分に割られたような車体のゴルフのカートを改造した電気自動車(ロッテ移転前はマツダユーノスロードスターで、投手が助手席のドアを開けていた)からボルボ・C70(クーペカブリオレのオープンカー。球場使用にあたり投手がすぐに降りられるように助手席側ドアと助手席がないカスタムモデル)に替わった。
2007年 - 同年シーズンから一塁側自由席に限り、横断幕の使用を許可。シーズン開幕戦はサッカースタジアムのような雰囲気となり、よりホーム色が強くなった。3月30日からライトゲート付近にバッティングセンターを設置。目玉は渡辺俊介のアンダースローを再現した、地上5センチからボールが撃ち出される、映像つきのバッティングマシン。その他にも硬球が打ちだされ、木製バットも用意されていて実際のトスバッティングを体験できるトスバッティングマシンも用意されている。
2008年 - 1階席と2階席のひさし部分に、右翼ポールからバックネットを経由して左翼ポールまで、三菱電機製の帯状映像装置「オーロラリボン」を設置、バックスクリーンの映像装置も大型化し、同社製オーロラビジョンに更新。球場内のテレビカメラもハイビジョン対応となった。レフトスタンド上段センター寄りをスタンドデッキに変更。このためにビジター側応援席の最大収容人数が縮小されることになり、批判の対象となっている。
2009年8月 - 6月11日の広島戦で達成した日本プロ野球記録となる“1イニング15得点”の記念碑を設置(当時の画像を記録したデジタルフォトフレームと打席に立った選手達が使ったバット、スコアシートの写真が嵌め込まれている)。
2014年 - 内野席7748席の改修。
2015年3月 - 球場内内野外野各コンコースにあるすべてのトイレの改修が完了。コンコースや入場ゲートなどに大型液晶TVモニターをおよそ50台設置。球場内音響設備の更新。ダグアウト上のフェンスを改修。球場正面ボールパークステージを改修。リリーフカーをアウディ・A5カブリオレに更新。
風
ドーム球場ではなく、しかも海に極端に近いため、秒速10mを超えることも珍しくない強い海陸風(通称「マリン風」)がある。本来なら外野まで飛ぶような打球が内野まで押し戻されたり、投手の投げた球が予想外の変化をすることは日常茶飯事である[69]。このため、スコアボードに風向と風速を表示できるようになっている珍しい球場である。風速が秒速18mを超えた場合、プレー進行の障害となるため、雨天でなくても試合が中止となるケースがある[注釈 5]。実際に中止になった試合もある。
また夏季のナイトゲーム時には5回終了時にスコアボード裏の海岸側から花火を打ち上げているが、これも強風(秒速10m以上)時やホーム方向に風が吹いている場合(特に秒速4-6mが最も危険とされる)は火の粉がグラウンド内に降り注ぐ恐れがある為に中止になる場合がある。
施設命名権
- 施設命名権による呼称
QVCマリンフィールド(2011年3月1日 - 2016年11月30日)
ZOZOマリンスタジアム(2016年12月1日 - 2026年11月30日予定)
- ※命名権導入後も、千葉市の条例上の施設名称は「千葉マリンスタジアム」を維持している。
命名権導入まで
千葉マリンスタジアムを所有・管理する市、マリンスタジアム社およびロッテ球団の3者は2005年からマリンスタジアムに対する施設命名権(ネーミングライツ)の売却について検討を開始[71]。
市の財政難はこの間にも悪化の一途をたどり、2009年秋には2010年度の予算編成において約270億円の収支不足が見込まれたため、千葉市の熊谷俊人市長が10月21日付で「『脱・財政危機』宣言」を発出し、収支バランスの安定化に向けて施策の方針転換が図られることになった[72]。一環として、施設命名権導入の是非が長らく棚上げされていた千葉マリンスタジアムについても、市はロッテ側に対しスタジアムの施設全体の命名権売却を強く要望し続け、2010年10月、市とロッテ球団は2011年シーズンから命名権を導入することで合意し[73]、これを受けて市は売却先の募集要項を11月4日に発表した[50]。11月5日から11月25日にかけて売却先の公募を実施し、売却条件は原則として契約期間3年以上、年額2億円以上に設定し、地域貢献に関する提案などを考慮して優先交渉権を決定した上で、12月上旬を目途に売却先を選定、2011年1月に新呼称を公表し、同年シーズン開幕時から採用する旨が発表された[50]。
結局売却先の公募には、締切日までに4社が応募した。市は応募企業名を非公表としたが、球場近隣の美浜区・幕張新都心に本社を置きファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは11月17日に公募に申し込んだ旨を自ら公表し[74]、同日から11月23日に掛けて同社サイトで取得に向けた署名活動を実施し15,977名の署名を集めた他、署名と同時に募集した命名案では「ZOZOマリンスタジアム」が664件と最も多かった。
QVCマリンフィールド
市は応募した4社について審査した結果、テレビ通販業「QVC」の日本法人で、幕張新都心に本社を置くQVCジャパンを交渉先に選定した旨を12月7日に発表した[51][広報 7]。同社は契約期間10年と、新名称の一部に「マリン」を残したものを提案したのに加え、社員の幕張周辺への在住支援やイベントの実施などといった地域貢献策も提示した。
選定理由について、熊谷市長は自身のブログで「金額・期間のほか、企業の安定性、地域貢献や名称案などを総合的に評価」「各社から良い提案(いずれもファンの「マリンという名称を残して」という声に配慮した名称案でした)を頂けた」と述べた[75]。優先交渉権獲得に対し、QVCジャパンのクリス・ホロビンCEOは「命名権は日本や千葉へのQVCの長期的コミットメントを強化するきっかけとなるでしょう」とコメントした[76]。選定から漏れたスタートトゥデイは前掲の「千葉マリンスタジアム基金」にふるさと納税制度を利用して寄付した旨を表明した[77]。
市およびロッテ球団はQVCジャパンとの間で交渉を進めた結果、12月24日までに基本合意に達し、3者は12月27日にマリンスタジアムで合同記者会見を行った。契約金額は年額2億7500万円の10年間契約で総額27億5000万円と、日本のプロ野球本拠地球場の施設命名権としては過去最長の契約期間となった[52]。呼称は「QVCマリンフィールド」とすることも決定した[53][広報 8]。QVCジャパンの佐々木迅社長は契約期間について「海浜幕張地区と共に歩み、末永く根を下ろしてやっていくという決意の表れ」と話し、呼称については同年「和」をスローガンに日本シリーズを制したロッテと、映画『フィールド・オブ・ドリームス』をイメージしたと述べた上で「日本のプロ本拠地で『フィールド』が付く球場は初めて。闘いの場、夢を育む場という意味で敢えて使うことにした」と説明した。熊谷市長は呼称に対し「県民の9割が『マリン』を残してほしいと言っていた心情に配慮してくれた。一ファンとしても嬉しい」と評価した。
その後3者はさらに交渉を進め、契約内容の細部調整を図った上で2011年2月28日付で正式契約を締結し、新名称は3月1日から採用された[53]。QVCジャパンは今後10年間、市とロッテ球団に対し契約額のそれぞれ半額となる年額1億3750万円ずつを支払う予定で、収益の一部は前述の人工芝張り替えなどの施設改修に充当される。
契約6年目の2016年7月24日、6月にQVC社側から「知名度の向上など一定の成果を得た」として契約の中途解除を申し入れたことを千葉市が発表[78]。市・球団との3者協議の末、残り4年の契約料の3割となる3億3000万円をQVC社が違約金として払う(違約金は市と球団に折半)ことで9月27日に合意された[79]。
ZOZOマリンスタジアム
千葉市はQVC社に代わる新しいスポンサーを募集。「契約期間5年以上、年額2億5000万円(税別)以上、新名称に『マリン』を入れることを希望」を条件として10月6日から10月20日まで募集を行った[広報 9]結果、締切日までに4社からの応募があり[80]、10月28日、千葉市は新しいネーミングライツ権の優先交渉権者として、2010年時の権利取得にも立候補したスタートトゥデイが選ばれた事を発表[5]。11月18日に新名称である「ZOZOマリンスタジアム」が発表され、12月1日に改名された。山室晋也球団社長は「スタジアムに近い千葉市の幕張に本社を置かれ、地域密着を推進される株式会社スタートトゥデイ様とネーミングライツ契約を結べましたことを大変、うれしく思っております」とコメントを発表している。契約期間は10年、年額3億1000万円(税別、市と球団に折半)[81]。
施設名以外の命名権
施設そのものとは別に、スタンド部分にも命名権を採用している[広報 10]。
イープラス ビジター応援ピクニックボックス(レフトポール際)
CNホームプレートシート(バックネット裏のホーム最前列)
ミニストップシート(3塁側2階席の一部 人工芝生席)
セブン-イレブン スタンドデッキ(レフト最上段)
ヤクルト主催の公式戦
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1991年5月25日、ヤクルトスワローズ主催の対中日戦が行われたが、これが当球場初のプロ野球公式戦となった。翌年、ロッテが本拠地を置いてからも、2005年まで主に5月下旬または6月上旬の週末に年間1カード(2 - 3試合)行われていた。この時期にはヤクルトが本拠地としている明治神宮野球場で東京六大学野球春季リーグの最終節である早慶戦があり、多くの来場者が見込まれ同日に共用した場合には周辺の混雑や観客の入れ替え時の混乱が予想されるため、それらを避けるという意味で行われていた。
この当時、ヤクルトには千葉県出身や同県の高校出身の選手が多数在籍しており(飯田哲也(拓大紅陵出身)、石井一久(千葉市出身、東京学館浦安出身)、土橋勝征(船橋市出身、印旛高出身)、城友博(習志野市出身、習志野高出身)ら)、公式戦開催のポスターにはこれらの選手が用いられていた。
当時、ヤクルトが首都圏で開催する唯一のデーゲームによる公式戦[注釈 6]だったが、2005年は5月上旬から6月中旬にかけてセ・パ交流戦が行われるのに伴い、早慶戦を考慮する必要が少なくなったことから千葉マリンでの主催公式戦は開催時期を7月にずらして行った。2006年からは大学野球側との調整の結果、神宮でもデーゲーム開催が可能となったことなどからヤクルト主催では千葉マリンの公式戦を開催していない。以降はセ・パ交流戦のビジターゲームでのみ試合を行っている。
交通アクセス
鉄道
東日本旅客鉄道(JR東日本)京葉線または武蔵野線直通 海浜幕張駅から徒歩15分またはバス(京成バス)で3分- JR東日本総武線・京成千葉線 幕張本郷駅からバス(京成バス)で15分
- JR東日本総武線 稲毛駅西口からバス(千葉海浜交通)で25分
- JR東日本総武線 幕張駅北口からバス(千葉シーサイドバス)で15分
バス
- 海浜幕張駅南口にあるプレナ幕張の西側にあるプレナ幕張停留所(マリーンズ ストア 海浜幕張店前)からは、千葉ロッテマリーンズ主催試合時に限り京成グループのバスによる臨時シャトルバスが運行される(運賃は現金で大人100円後払い。車内では千葉ロッテマリーンズ選手によるマナー喚起などの車内放送が流される)。
- 駅北口ターミナル発の定期路線バスも通常通り運行される(同じく料金は大人100円)。
- その他の駅から路線バスでのアクセスは、本数からJR総武線・京成千葉線の幕張本郷駅からがメインとなるが、JR幕張駅やJR稲毛駅からのバスも約30~60分間隔で運行されている。
- 試合終了時には海浜幕張駅、幕張本郷駅、JR稲毛駅(京葉線 検見川浜駅、稲毛海岸駅経由)への臨時バスが運行される。このうち海浜幕張駅行と幕張本郷駅発着便にはノンストップ便もある(幕張本郷駅発着便は、幕張新都心地区を通らず、免許センター交差点からメッセ大橋交差点に出て県道千葉船橋海浜線を経由して幕張海浜公園交差点に出る順路)。
- 運賃
海浜幕張駅(北口2番のりば)、プレナ幕張(臨時直行バス:マリーンズ ストア 海浜幕張店前): ZOZOマリンスタジアム (京成バス・千葉中央バス・ちばグリーンバス・ちばフラワーバス) 大人100円 ※現金払いのみ(ワンコイン区間)
幕張本郷駅(1番のりば): ZOZOマリンスタジアム(京成バス) 大人IC258円、現金260円
JR稲毛駅(西口5番のりば): (京成稲毛駅入口) - (稲毛海岸駅) - (検見川浜駅) - (海浜幕張駅) - ZOZOマリンスタジアム(千葉海浜交通) 大人IC258円、現金260円
JR幕張駅(北口2番のりば): ZOZOマリンスタジアム(千葉シーサイドバス) 大人200円 ※千葉シーサイドバスのみSuica・PASMOの使用は不可
高速バス
- 東雲車庫・東京駅 - 幕張ベイタウン(京成バス、千葉海浜交通)
- 幕張メッセ中央
- 銀座駅・東京駅 - 海浜幕張(平和交通、あすか交通)
- 幕張メッセ中央
羽田空港 - 幕張・千葉(京成バス、ちばシティバス、京浜急行バス、東京空港交通)- アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>幕張メッセ
- 海浜幕張駅 北口7番のりば
成田空港 - 千葉・幕張(京成バス、ちばシティバス、成田空港交通)- アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>幕張メッセ
- 海浜幕張駅 北口7番のりば
自動車
- 東京方面:東関東自動車道湾岸習志野ICより約5分。
- 千葉方面:東関東自動車道湾岸千葉ICより約10分。
球場内および付近に駐車場が多数存在する。
駐車場
※多数あるため、プロ野球開催時にメインとなるもののみ
※駐車場の空き状況確認は下記リンクを参照
幕張海浜公園駐車場Fブロック(千葉市美浜区美浜1-1) ※球場まで徒歩1-2分- 収容台数: 普通車 577台
- 営業時間: 8:30 - 21:00(但し、ナイター時最大23:00まで)
- 利用料金: 普通車 600円/日
幕張海浜公園駐車場Dブロック(千葉市美浜区美浜1-1) ※球場まで徒歩7-8分- 収容台数: 普通車 833台
- 営業時間: ※プロ野球開催時に限り試合終了後1時間まで営業。通常時8:30-17:30 但し、4月~6月は8:30~18:30 、7月~9月は8:30~19:30
- 利用料金: 普通車 600円/日
幕張メッセ駐車場(千葉市美浜区豊砂3-1) ※球場まで徒歩10分- 収容台数: 普通車 5,500台、大型車 120台、二輪車 50台
- 営業時間: 8:00 - 23:00(入庫は21:00まで)
- 利用料金: 普通車 1,000円/日、大型車 4,100円/日、二輪車 200円/日
- 上記の海浜公園駐車場が満車の場合、主にこちらを利用することになる。
- 他の駐車場はプロ野球開催時には、営業時間・球場までの距離・収容台数等に大きな制約があるため本項では割愛する。
- イベント時も駐車場の予約・前売券購入などは不要である。
近隣施設
東日本旅客鉄道(JR東日本)京葉線の海浜幕張駅から徒歩圏内にあり、隣接した場所に幕張メッセ、アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉(旧幕張プリンスホテル)、ホテルニューオータニ幕張、三井アウトレットパーク 幕張(旧ガーデンウォ〜ク幕張)、コストコ幕張店、イオンモール幕張新都心や大規模マンションなどがある。
脚注
注釈
^ 応募1位の愛称は「ドルフィンズ」だったが、中日ドラゴンズと被るという理由で採用されなかった。他にも「パイレーツ」などが上位だった
^ 同大会はマリンスタジアムの竣工を機に行われたもので、日立製作所が第1回の優勝チームとなった。
^ 改修された現在は、5文字(例:日大習志野)までは全角表記(4文字以下は均等割付、6文字(例:我孫子二階堂)を超える名前は文字幅を狭くしたうえで密着割付)が可能になった[要出典]。
^ スコアボードリニューアルしてから千葉ロッテが日本シリーズに進出していないため、13回以降、どのようなスタイルになっていたかは不明
^ 2014年3月18日に行われたロッテ対楽天のオープン戦は風速14mの中で試合開始となったが、強風のため1回裏途中でノーゲームとなった[70]。
^ ヤクルトの本拠地である神宮球場は学生野球との併用であり、プロ野球は夏季以外でも通年ナイター開催が原則であった。
出典
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- ^ abcd“千葉ロッテマリーンズ マリンスタジアムで初練習 球団本社もWBGで事務所開き”. 千葉日報 (千葉日報社): pp. 1,18. (1992年3月4日)
- ^ abc“スポーツ、レクの新しい殿堂 多目的に楽しめる千葉マリンスタジアム”. 千葉日報 (千葉日報社): pp. 6-7. (1989年4月27日)
^ “QVCマリンの球場名「ZOZOマリン」に”. 日本経済新聞. (2016年11月17日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ17HL9_X11C16A1TI5000/ 2016年11月17日閲覧。- ^ ab“千葉マリンの命名権、「ZOZOTOWN」のスタートトゥディが優先権”. ITmedia. (2016年10月28日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1610/28/news104.html 2016年11月14日閲覧。
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広報資料・プレスリリースなど一次資料
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関連項目
- 日本の野球場一覧
千葉ロッテマリーンズ 26-0 東北楽天ゴールデンイーグルス - 2005年3月27日に当球場で行われた公式戦。
千葉ロッテマリーンズ主催試合の地方球場一覧 - ロッテの主催公式戦は2006年以降、全て千葉マリンでの開催となっていたが、2016年に11年ぶりに千葉マリン以外開催の試合が行われた。- 幕張新都心
BEST COLLEGES 硬式野球選手権大会 - 学校法人立志舎グループの専門学校各校生徒を参加対象とした野球大会で、第18回(2007年)大会から第27回(2016年)大会まで決勝トーナメント会場として使用。
B'z - 2000年8月9日のライブ中、ステージ付近に雷が落ちてスタッフに怪我人が出たため、ライブが短縮・打ち切りになった。
サマーソニック - 2001年から常打ち会場になっているロック・フェスティバル。
全国高等学校クイズ選手権 - 第10回(1990年)の全国大会第1回戦及び準々決勝で使用。
夢がMORI MORI - 番組内のコーナー「スーパーキックベース」の収録に使用。
ゴジラvsメカゴジラ - 劇中でゴジラに壊される。
DEATHTOPIA - 劇中で主人公たちが横浜DeNAベイスターズ対千葉ロッテマリーンズのセ・パ交流戦を観に訪れる。
谷保恵美 - 当球場のウグイス嬢(場内アナウンサー)。サブローの呼び出し声で有名。
外部リンク
千葉マリンスタジアム - 株式会社千葉マリンスタジアム公式サイト
千葉市都市局公園緑地部公園管理課 - 千葉市ホームページ
ZOZOマリンスタジアム - 千葉ロッテマリーンズ公式サイト
幕張新都心地区駐車場案内 - 海浜幕張駅周辺の駐車場の空き状況をリアルタイムで確認
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