コムーネ



コムーネ(伊: comune)は、イタリア語で「共同体」を指す語であり、現代ではイタリアの自治体の最小単位(基礎自治体)である。また、スイスのイタリア語圏でも基礎自治体をコムーネと呼ぶ(詳細はスイスの基礎自治体を参照)。




目次





  • 1 解説


  • 2 中世におけるコムーネ

    • 2.1 成立要素



  • 3 コムーネの規模による一覧

    • 3.1 人口


    • 3.2 面積


    • 3.3 人口密度



  • 4 脚注


  • 5 関連項目


  • 6 参考文献




解説


イタリアの自治体には、日本の市町村のような規模による区別はない。人口100万人を超えるナポリのような都市も、バローロのような1,000人以下の村もすべて「コムーネ」である(ただし、「都市」の称号を名乗ることが認められるコムーネがある)。そのため日本語に訳す場合には「ナポリ市」や「バローロ村」のように日本の自治体の規模に合わせて翻訳される。この点はフランスのコミューンと同様である。コムーネの代表(首長)は、シンダコ(sindaco)と呼ばれる。


2011年10月9日時点のイタリアのコムーネの数は、イタリア国立統計研究所によると8,092である[1]。21世紀に入って以降、コムーネの統廃合 (it:Fusione di comuni italianiが進められている。日本(面積はイタリアの約1.25倍)と比較すれば昭和の大合併以前の市町村数(約1万)と対照しうる[2]


中世・近世では、イタリア中部・北部に存在した自治都市の都市共同体が存在し、コムーネと呼ばれた。自治都市コムーネは都市の有力市民、地区やギルドの代表によって運営され、都市とその郊外農村地域を統治していた。現代イタリアのコムーネ自治は自治都市の伝統を基礎としているといわれる。



中世におけるコムーネ



成立要素


イタリアの中世都市はその大部分がローマ都市を起源としており、大多数の都市には地中海商業(ただし、古代のものと中世のそれは異なる。詳しくは後述)が伝統としてあった。しかし中世初期のそれがビザンティウム中心の東地中海の商業網と地中海の南岸及び西地中海を覆うイスラム商業網があったが、時代が進むにつれて商業の動脈が内陸へと移って行った。10世紀にアマルフィ、パレルモ、ヴェネツィアは商業圏の発展に伴って成長した。このようにして都市には経済的中心地としての機能が備わり、これには帝国崩壊後の支配者たちも着目した。やがて都市は城砦を持つ中心地となった。これらの中世都市の中枢機関が過去のローマ市内の範囲であり、都市発展の連続性が暗示されている。また支配者が頻繁に変わったにもかかわらず司教とその信徒の関係性に大きな変化が起きなかったため、9-10世紀、特に東方のマジャール人と南方のイスラーム勢力から身を守るために司教の周りに人々が集結し、司教は精神だけではなく都市の秩序を守る存在となった。


コムーネの成立には教会の権威が権力者の没落により上昇し、銀貨の品位が司教によって決められるようになった。また、司教権力の増大で都市市民の発言力が増大した。コムーネが出てきたのは11世紀末から12世紀初期で、平和団体であったものが恒常的統治機関となり、その際農村、都市に社会的変容を齎した民衆的宗教運動が重要な役割を果たした。特に積極的に動いたのが商人的市民と周辺の土地所有者層であった。領有国家の概念としてコムーネの発展に重要であったのが「コンタード」という概念で、伯の支配領域という意味であったが、これは伯にとっての伯領と同様都市コムーネにとっても司教区の範囲は支配下に入るという考え方である。





コムーネの規模による一覧



人口



2011年時点の統計データに基づく、人口上位20位のコムーネは以下の通り[3](it:Comuni d'Italia per popolazioneも参照)。












































































































コムーネ


人口
1ローマラツィオ州ローマ県2,617,175
2ミラノロンバルディア州ミラノ県1,242,123
3ナポリカンパニア州ナポリ県962,003
4トリノピエモンテ州トリノ県872,367
5パレルモシチリア州パレルモ県657,561
6ジェノヴァリグーリア州ジェノヴァ県586,180
7ボローニャエミリア=ロマーニャ州ボローニャ県371,337
8フィレンツェトスカーナ州フィレンツェ県358,079
9バーリプッリャ州バーリ県315,933
10カターニアシチリア州カターニア県293,902
11ヴェネツィアヴェネト州ヴェネツィア県261,362
12ヴェローナヴェネト州ヴェローナ県252,520
13メッシーナシチリア州メッシーナ県243,262
14パドヴァヴェネト州パドヴァ県206,192
15トリエステフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州トリエステ県202,123
16ターラントプッリャ州ターラント県200,154
17ブレシアロンバルディア州ブレシア県189,902
18プラートトスカーナ州プラート県185,456
19レッジョ・ディ・カラブリアカラブリア州レッジョ・カラブリア県180,817
20モデナエミリア=ロマーニャ州モデナ県179,149

同データに基づく、人口下位10位は以下の通り[3](it:Ultimi 100 comuni italiani per popolazioneも参照)。


























































コムーネ


人口
1ペデジーナロンバルディア州ソンドリオ県30
2モルテローネロンバルディア州レッコ県34
3モンチェニージオピエモンテ州トリノ県42
4メナローラロンバルディア州ソンドリオ県46
5チェルヴァットピエモンテ州ヴェルチェッリ県48
5ブリーガ・アルタピエモンテ州クーネオ県48
7イングリアピエモンテ州トリノ県49
8マクラピエモンテ州クーネオ県52
9サッビアピエモンテ州ヴェルチェッリ県57
10マッセッロピエモンテ州トリノ県58


面積


2011年時点の統計データに基づく、面積上位20位のコムーネは以下の通り[3](it:Primi 100 comuni italiani per superficieも参照)。












































































































コムーネ


面積 km2
1ローマラツィオ州ローマ県1,287.36
2ラヴェンナエミリア=ロマーニャ州ラヴェンナ県653.82
3チェリニョーラプッリャ州フォッジャ県593.93
4ノートシチリア州シラクーザ県554.99
5サッサリサルデーニャ州サッサリ県547.04
6モンレアーレシチリア州パレルモ県530.18
7グッビオウンブリア州ペルージャ県525.78
8フォッジャプッリャ州フォッジャ県509.26
9ラクイラアブルッツォ州ラクイラ県473.91
10グロッセートトスカーナ州グロッセート県473.55
11ペルージャウンブリア州ペルージャ県449.51
12ラグーザシチリア州ラグーザ県444.67
13アルタムーラプッリャ州バーリ県431.38
14カルタニッセッタシチリア州カルタニッセッタ県421.25
15ヴェネツィアヴェネト州ヴェネツィア県415.90
16ヴィテルボラツィオ州ヴィテルボ県406.23
17フェラーラエミリア=ロマーニャ州フェラーラ県405.16
18アンドリアプッリャ州バルレッタ=アンドリア=トラーニ県402.89
19マテーラバジリカータ州マテーラ県392.09
20チッタ・ディ・カステッロウンブリア州ペルージャ県387.32

同データに基づく、面積下位10位は以下の通り[3](it:Ultimi 100 comuni italiani per superficieも参照)。


























































コムーネ


面積 km2
1アトラーニカンパニア州サレルノ県0.12
2フィエーラ・ディ・プリミエーロトレンティーノ=アルト・アディジェ州トレント自治県0.15
3ミアリアーノピエモンテ州ビエッラ県0.66
4クローザピエモンテ州ビエッラ県1.01
5フィオラーノ・アル・セーリオロンバルディア州ベルガモ県1.06
6コンカ・デイ・マリーニカンパニア州サレルノ県1.13
7ダレトレンティーノ=アルト・アディジェ州トレント自治県1.16
8ロッカフィオリータシチリア州メッシーナ県1.17
9ソルツァロンバルディア州ベルガモ県1.23
10マズリアーニコロンバルディア州コモ県1.29


人口密度


2011年時点の統計データに基づく、人口密度上位20位のコムーネは以下の通り[3]












































































































コムーネ


人口密度
人/km2
1カザヴァトーレカンパニア州ナポリ県12,224.41
2ポルティチカンパニア州ナポリ県12,109.93
3サン・ジョルジョ・ア・クレマーノカンパニア州ナポリ県11,088.57
4メリート・ディ・ナーポリカンパニア州ナポリ県9,688.36
5ナポリカンパニア州ナポリ県8,082.48
6フラッタミノーレカンパニア州ナポリ県7,660.57
7ブレッソロンバルディア州ミラノ県7,601.70
8アルツァーノカンパニア州ナポリ県7,422.76
9アトラーニカンパニア州サレルノ県7,354.89
10カルディートカンパニア州ナポリ県6,957.58
11ミラノロンバルディア州ミラノ県6,837.15
12トリノピエモンテ州トリノ県6,709.94
13ムニャーノ・ディ・ナーポリカンパニア州ナポリ県6,575.70
14セスト・サン・ジョヴァンニロンバルディア州ミラノ県6,540.05
15カゾーリアカンパニア州ナポリ県6,483.25
16コルシコロンバルディア州ミラノ県6,284.70
17グルーモ・ネヴァーノカンパニア州ナポリ県6,255.25
18カザルヌオーヴォ・ディ・ナーポリカンパニア州ナポリ県6,205.77
19クザーノ・ミラニーノロンバルディア州ミラノ県6,134.40
20アヴェルサカンパニア州カゼルタ県5,970.44

同データに基づく、人口密度下位10位は以下の通り[3]


























































コムーネ


人口密度
人/km2
1ブリーガ・アルタピエモンテ州クーネオ県0.92
2アルジェンテーラピエモンテ州クーネオ県1.04
3アッチェーリオピエモンテ州クーネオ県1.15
4レーム=ノートル=ダムヴァッレ・ダオスタ州 1.31
5ヴァルサヴァランシュヴァッレ・ダオスタ州 1.35
6カッレーガ・リーグレピエモンテ州アレッサンドリア県1.50
7バルメピエモンテ州トリノ県1.51
8マッセッロピエモンテ州トリノ県1.52
9ラッサピエモンテ州ヴェルチェッリ県1.53
10リボルドーネピエモンテ州トリノ県1.54


脚注




  1. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “La superficie dei comuni, delle province e delle regioni italiane” (イタリア語). 2014年7月31日閲覧。


  2. ^ “市町村数の変遷と明治・昭和の大合併の特徴”. 総務省. 2017年9月12日閲覧。

  3. ^ abcdef国立統計研究所(ISTAT). “La superficie dei comuni, delle province e delle regioni italiane” (イタリア語). 2014年7月31日閲覧。よりダウンロード可能な "Dati comunali e provinciali"(xlsデータ)。



関連項目


  • イタリアの地方行政区画

  • コムーネ一覧

  • イタリアの県の一覧

  • 分離集落


参考文献


  • 淸水廣一郎『イタリア中世の都市社会』岩波書店、1990年。

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