経営学
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年6月) |
経営学(けいえいがく、英: business administration、英: business management)とは、広義には組織の運営について研究する学問である。対象は企業や組織とする場合が多いが、その二つを限定せず、あらゆる組織体(自治体・NPOなど)が経営学の対象となりうる。
狭義には、組織体の効率的・効果的な運営のための長期的視野に立った理論の構築を目的とする学問と捉えられるため、その際は会計学やマーケティングなどの分野は除外される。
目次
1 日本における経営学
1.1 日本の大学における経営学
2 さまざまな経営学の定義
2.1 社会システムの中での企業の運営
2.2 企業を対象とする領域学
3 経済学と経営学の違い
4 ビジネススクールにおける代表的な基礎科目
5 出典
6 参考文献
7 関連項目
日本における経営学
経営学の問題意識を明白にするためには、次の2つのことが必要となる[要出典]。
- 企業(およびそのほかの組織体)の構造と機能を貫く法則性を明らかにすること。…ドイツの経営経済学が、この法則性の追求をメインテーマにしている。
- その法則性に基づいた、経営の実践的技法を編み出すこと。…アメリカの経営管理学が、この技法の追求をメインテーマにしている。
日本では、経営経済学、経営管理学の2つをまとめて経営学と呼ぶ学問体系が確立している[要出典]。経営学の概念を提唱したのは、商工経営学と名付けた上田貞次郎東京高等商業学校(現一橋大学)教授とされる[1]。
日本の大学における経営学
商学部や経済学部のなかに経営学科を有する大学と、独立的に経営学部を持つ大学とがある。
経営学の概念を提唱した上田貞次郎東京高等商業学校(現一橋大学)教授の後継の増地庸治郎同校教授は、ドイツ流の経営経済学という用語を用い、経営学という呼称を使用せず[2]、国立大学では一橋大や、増地が教授を兼務した東大をはじめとして各学部内に経営学科を設置するところが多い。
一方、上田門下の平井泰太郎神戸大学名誉教授は、神戸で経営学の語を用い、同僚の福田敬太郎教授との論争を経て、神戸大学に日本初の経営学部を設置[3]。他に横浜国大などで独立して経営学部が設置されている。
さまざまな経営学の定義
社会システムの中での企業の運営
経営学とは「社会システムを中心とする環境のなかで企業がいかに運営されているか」を解明する学問である。その対象は、今日において企業はわれわれにとってきわめて重要な存在であり、また、こうした企業についての経営学は基本的なものとして、その他の諸組織に容易に応用出来るので、経営学の対象は企業に限定される。広くは、企業だけでなく、官庁組織、学校その他一般に組織といわれるものすべてを含むと考えられる。
企業を対象とする領域学
経営学とは、「企業」という特定の領域を対象とする領域学のことである。「領域学」とは、経済学・社会学・心理学などのように、特定の限られた変数群と一定の理論的枠組みとを用いて、対象世界に接近する「ディシプリン[要曖昧さ回避]」の学問ではなく、教育学や宗教学と同じように、変数群や理論的枠組みを特定化するのではなく、むしろ対象世界を特定化して、それに対して多面的に接近する学問であることをいう。その領域学としての経営学の対象は、企業である。企業は形式的には生産の担い手であるといわれるが、生産という言葉のなかには、財・サービスをつくるという意味はもとより、新しい知識を生み出す、イノベーションや革新といった意味合いもまた含まれている。
経済学と経営学の違い
経済学では、各主体(個人・企業、およびそのほかの組織体)の行動が市場原理にゆだねられた場合の帰結(均衡)と、そこでの資源配分の効率性や社会的総余剰の適切さについて分析したり、社会システムの構造を物象化の機序を明らかにしつつそこに生起する論理と動態を明らかにすることに重点が置かる。
それに対し、経営学は、いかにすれば企業(およびそのほかの組織体)がその業績や効率性を向上させることが出来るかを明らかにしようとする[4]。つまり、社会全体を見るか、一組織を見るかの違いである。
経営学的視点の最も古いものはフレデリック・テイラーの科学的管理法がその1つと考えられる。
また、同じ「企業」を観察する場合でも、経済学では各企業が合理的な行動をとった場合にどのような状態が現出するかを考察することが多く、経営学では企業がどのような行動をとることが合理的かを考察する、などの違いがある[5]。
以上のような学問的出発点の違いから、経営学では個々の企業間の差異が注目されるのに対し、(特に新古典派の)経済学ではその差異にはあまり注意が払われない場合が多い[6]。
ただし、1980年代以降、経営学分野で経済学理論を基礎とした領域が発達したり(マイケル・ポーター、伊丹敬之等)、経済学でも企業・組織のメカニズムや効率性を分析する領域(企業経済学・組織の経済学など)が発達していることから、両者の違いは以前ほど明確ではなくなってきている(事実、アメリカのビジネススクールには経営学者と経済学者が混在している)。
とは言え、経営学は「領域」の学問と言われるように、社会学的手法を用いた分野(マーケティングなど)や、社会心理学的手法を用いた分野(労務管理論など)など手法横断的・学際的な発展をしており、数学を用いた社会分析に特化し続けている(「ディシプリン」としての学問)経済学とは一線を画している。最近の経営学者・経済学者には、この点を両者の相違としている者も多い。
ビジネススクールにおける代表的な基礎科目
- 経営戦略論
- コーポレートファイナンス
- ビジネス倫理
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 産業組織論
- 交渉術
- マーケティング
- 証券投資論
- 組織行動論
- 人的資源論
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 会社法
- 租税法
- 民法
- 経営史
- 技術経営論
- プロジェクトマネジメント
- 生産管理
- 金融工学
- 金融商品取引法
- 保険数理
- 計量経済学
出典
^ [1]神戸大学
^ [2]神戸大学
^ [3]神戸大学
^ Caves, 1984
^ 高崎、1986[要文献特定詳細情報]
^ Nelson, 1994
参考文献
- R.Caves著「Economic Analysis and the Quest for Competitive Advantage」(『American Economic Review』74号、1984年)
- R.R.Nelson著「Why Do Firms Differ, and How does It Matter?」(R.P.Rumelt,D.Schendel,D.J.Teece編『Fundamental Issues in Strategy』Harvard Business School Press、1994年)
関連項目
アンリ・ファヨール-「管理原則の父」と称される。- ハーバート・サイモン
- 技術経営
- 経営情報学
- 経営工学
- 簿記
- 経済学
- 商学
- 情報システム学
- 経営学部
- 異文化経営学会
- ブランディング
コーポレートアイデンティティ(CI)
経営学検定 (NPO法人 経営能力開発センター)
経営者検定試験 (財団法人 経営者育成協会)