福島工業高等専門学校
福島工業高等専門学校 | |
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略称 | 福島高専 |
英称 | National Institute of Technology, Fukushima College (NIT,Fukushima College) |
設置者 | 国立高等専門学校機構 |
種別 | 国立工業高等専門学校 |
設立年 | 1962年 |
学科 | 機械システム工学科 電気電子システム工学科 化学・バイオ工学科 都市システム工学科 ビジネスコミュニケーション学科 |
専攻科 | 産業技術システム工学専攻 ビジネスコミュニケーション学専攻 |
所在地 | 〒970-8034 |
福島県いわき市平上荒川字長尾30 北緯37度1分58.4秒東経140度53分20秒 | |
ウェブサイト | http://www.fukushima-nct.ac.jp/ |
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福島工業高等専門学校(ふくしまこうぎょうこうとうせんもんがっこう、英称:National Institute of Technology, Fukushima College, NIT, Fukushima College)は、福島県いわき市平に所在する国立高等専門学校。略称は福島高専。
目次
1 概要
2 沿革
2.1 年史
3 教育理念
4 学習・教育目標
5 組織と学科
6 学生活動
7 学生寮
8 主な行事
9 人物一覧(OB・OG等)
9.1 政界
9.2 法曹・法律実務
9.3 産業界
9.4 研究者・学者
9.5 文芸
9.6 芸術
9.7 芸能
9.8 スポーツ
9.9 マスコミ
9.10 その他
10 脚注
11 関連項目
12 外部リンク
概要
本科5学科・専攻科2専攻(5コース)で構成される。全国51校の国立高専に3学科のみとなる文系学科も設置されている。
いわき駅からバスで約10分~15分ほどと、交通利便な立地である。キャンパスは緑にあふれ、学習環境には最適である。正面玄関にあるケヤキの大木は、林野を切り開いて校地を整備した際、そのまま残され、学校のシンボル的存在となっている。物質工学科棟の北側にそびえるクスノキは、旧平町役場の庁舎が1900年に建設された際の記念植樹を1978年に譲り受け移植したもの。樹齢はすでに100年余となる。
さらに、ケヤキの前には、彫刻界の第一人者であった佐藤忠良から寄贈を受けたブロンズの「青年の像」(1969年9月除幕)が建立され、中庭にも佐藤が炭鉱労働者らの協力のもと制作したセメント像「母子想」(1953年作)が立ち、文化的な雰囲気を漂わせている。「母子想」の所有者は常磐炭砿(後の常磐興産)であったが、自社炭鉱の閉山にともなって寄贈を受け、1973年1月、同地に移設されたものである[1]。また、校地の背後には、本州で最後まで採掘が行われていた常磐炭田の廃坑が点在し、石炭産業で栄えた往時の面影を残している。
福島高専が立地するいわき市は、かつて「常磐・郡山」地区の一部として新産業都市に指定され、新産業都市法の廃止後、一帯は常磐工業地域とも呼称されるようになった。福島高専は、近隣に小名浜の臨海工業地域などが控え、東北地方最大の工業都市[2]にある工学系の高等教育機関として、一定の存在感を示している。
東日本大震災によって東京電力福島第一原子力発電所がメルトダウンなどの重大事故を起こす直前には、原子力関連の就職者が就職希望者全体の25パーセントにも及んでいた[3]。原発事故後2年となる2013年4月には、原発の廃炉作業などに従事する人材を育成するために、専攻科内に「復興人材育成特別コース」を開講した[4]。
沿革
1961年6月、国会で学校教育法の一部を改正する法律(法律第144号)、いわゆる「高専法案」が成立したのを受け、福島県議会が「高専校設置に関する意見書」を全会一致で議決した。これにともない、福島県知事名により「高専校を常磐工業地帯に設置」するよう旧文部省に陳情を行うとともに、官民により「常磐地区高専校誘致期成同盟」(事務局は旧石城県事務所内)を結成して、誘致運動を展開。福島県知事、県議会議長、県教育長、平市長、県選出国会議員らが数度にわたって文部大臣に直接要請を行うなどした結果、翌1962年1月10日、他の11校とともに、国立高専1期校として平市への設置が決定するに至った(東北では1校のみ)。
学校名は、当時の文部省が所在地の市名を付けるよう指導したことから、「平高専」という名称になった。1966年10月には、平市を含む5市4町5村の広域合併により、いわき市が誕生。これに伴い、県名を冠した「福島高専」に改称された[5]。現在でも、当時を知る地元の人びとは「平高専」と呼ぶことがある。
初代校長には、高専誘致の中心になった県教育長の佐藤光が横滑りで就任。県全体でバックアップする態勢が取られた。他の高専では、合格者の入学辞退が相次ぎ、追加合格を出さざるを得ない事態となったり、現在でも、あらかじめ辞退者を想定して、定員を大幅に上回る合格者を出しているところがあるものの、福島高専の場合は草創期も現在も合格者は各学科定員40名+1、2名にとどまり、ほぼ全員入学している。
第1回の入学試験では、福島県のみならず、東北各県や北関東からも受験生を集め、志願倍率17倍に達する人気校となった。近隣に宮城高専が創設された翌年も14.7倍を維持した。しかし、東北6県すべてに高専が創設され、茨城県に茨城高専が創設された3年目には6.6倍に落ち着き、その後、20年ほどは3〜4倍の競争率で安定。近年は、少子化と高校を経て大学に進学するといった高学歴志向の影響もあって、2倍前後の倍率となっている。
2006年度入試では全体で1.8倍にとどまり、学科によっては1.2倍と低迷した。国立高専全校でも、同様の傾向にあり、同年度の平均志願倍率は1.86倍だった(ただし、前述の通り、他の高専では定員を大きく上回る合格者を出しているところがあるため、実質競争率は1.6〜1.7倍程度と見込まれる)。福島高専の2007年度入試は、さらに落ち込み、推薦・一般をあわせた志願倍率は1.71倍(実質競争率は1.63倍)となった。
元来、高専は「完成教育」を標榜していた。だが、各高専とも、専攻科を設けて「学士」号を得られるしくみを整えたり、大学3年編入のためのバイパスルートとして宣伝に努めるなど、大部分が就職希望者で、かつ就職率100%を誇った草創期とは異なる方向で制度の生き残りを図ろうとしている。福島高専もその例外ではない。
ここ数年、大学3年編入や専攻科進学が急激に増え、2006年3月の卒業生は半数以上が進学を選んだ。その一方で、同じ年度の求人倍率は14.1倍に達し、高校や大学の就職戦線とは比較にならない売手市場となっている。このようなアンビバレントな状況をどう決着させるか、大きな課題になろうとしている。
年史
1962年 - 平工業高等専門学校(国立高専1期校)として開校。機械工学科、電気工学科、工業化学科の3学科を設置。
1966年 - 土木工学科を設置。
1967年 - 福島工業高等専門学校に改称。
1994年 - 文科系学科のコミュニケーション情報学科を設置。
1995年 - 土木工学科を建設環境工学科に改組。
1996年 - 工業化学科を物質工学科に改組。
2004年 - 新たに発足した独立行政法人国立高等専門学校機構に移管。専攻科を設置。
2013年 - 専攻科内に復興人材育成特別コースを開講。
2015年 - 専攻科を改組し、従来の3専攻から2専攻、5コースに改組。
教育理念
- 広く豊かな教養と人間力の育成
- 科学技術の基礎的素養と創造性及び実践性の育成
- 固有の才能の展開と国際的な視野及びコミュニケーション能力の育成
学習・教育目標
- 地球的視野から人や社会や環境に配慮できる能力を養うために、倫理・教養を身につける。
- 工学およびビジネスの幅広い基礎知識の上に、融合・複合的な専門知識を修得し、知識創造の時代に柔軟に対応できる能力を身につける。
- 工学系科目-ビジネス系科目の協働(シナジー)効果により、複眼的な視野を持って自ら工夫して新しい産業技術を創造できる能力を身につける。
- 情報収集や自己学習を通して常に自己を啓発し、問題解決のみならず課題探求する能力を身につける。
- モノづくりやシステムデザイン能力を養うことにより、創造的実践力を身につける。
- 情報技術を活用して、国際社会で必要なコミュニケーション能力およびプレゼンテーション能力を身につける。
組織と学科
- 本科(準学士課程)
- 機械システム工学科
- 電気電子システム工学科
- 化学・バイオ工学科
- 都市システム工学科
- ビジネスコミュニケーション学科
- 専攻科(学士課程)
- 産業技術システム工学専攻
- 生産・情報システム工学コース
- エネルギーシステム工学コース
- 化学・バイオ工学コース
- 社会環境システム工学コース
- ビジネスコミュニケーション学専攻
- ビジネスコミュニケーション学コース
- 産業技術システム工学専攻
学生活動
- 学生会
- 執行委員会
- 磐陽祭実行委員会
- 学生会スタッフ
- 文化部
写真部
無線通信部
吹奏楽部
美術部
将棋部
茶華道部
- 体育部
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- 愛好会
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学生寮
学生寮は「磐陽寮(ばんようりょう)」と呼ばれ、こずえ棟、若葉棟、青葉棟、暁棟、白雲棟、食堂・浴室棟で構成される(若葉棟は女子寮)。
寮務主事が委員長を務め、17名の教員・事務職員で構成する寮務委員会が管理運営を行っている。
全寮生で組織される「寮生会」には、寮長、副寮長、書記、会計、会計監査のほか、厚生、管理、行事、広報、園芸、選挙管理兼図書、指導寮生の各委員会が設置されており、ほぼ全員の寮生がいずれかの委員会に所属し、管理運営に参加している。
門限や入浴時間、消灯時間が定められている。特に女子寮は玄関がカードキーで管理され、22時以降は外出できない。外出した場合は寮務委員会からの指導を受ける。
- 年度初めには、新入寮生が上級生に自己紹介をする「対面式」が2日にわたって行われる。-->この他にも寮生間の交流行事(スポーツ大会、餅つきなど)が寮生活のアクセントとなっている。
主な行事
- 体育大会
- 平成30年度からは、年1回ではなく、毎年5月と9月の年2回開催となった。形式としては、各学年内で学科対抗である。
- 学年行事日
- 主に所属している学科に関係する工場を見学したり、卒業生や教員の話を聞いたりする。また、遊園地や動物園など娯楽施設に行くこともある。修学旅行に代わり設けられた行事。2004年から始まり、毎年10月中旬に行われる。
- 磐陽祭
- 学生会が主催する学園祭・文化祭。第1回は「磐陽台祭」と呼称したが、第2回以降「高専祭」の名称に落ち着いた。開催は2年に1度、もしくは3年に1度行っていた。2006年以降は学生会主導により、毎年連続して開催されている。なお、2009年から学生会および文化祭の実行委員により名称が「磐陽祭」へと変更された。
人物一覧(OB・OG等)
政界
遠藤智(広野町長、化学16回生)
大島一男(八戸市議会議員、機械1回生)
駒田強(元常陸大宮市議会議員、同市議会元議長、機械2回生)
宍戸良三(元小野町長、元町議、電気10回生)
永山茂雄(元福島県議会議員、化学3回生)
西山一美(いわき市議会議員、機械14回生)
西本貴子(品川区議会議員、化学15回生)
法曹・法律実務
佐藤辰彦(元日本弁理士会会長、化学1回生)
浅井嗣夫(元福島県弁護士会会長、化学2回生)
産業界
安川員仁(日本電産サンキョー社長、機械5回生)
渡辺忠一(フロンティア・ラボ代表取締役、工学博士、化学2回生)
永山民男(富士興産代表取締役常務、化学5回生)
阿部俊夫(元NTT-ME青森社長、土木1回生)
研究者・学者
柴崎徳明(立教大学理学部物理学科教授、機械1回生)
永井健一(群馬大学名誉教授、機械1回生)
宗像鉄雄(産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所・所長代理、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系人間環境学専攻客員教授、機械15回生)
金成守康(茨城工業高等専門学校電子制御工学科准教授、機械21回生)
渡辺隆(仙台高等専門学校機械システム工学科准教授、機械22回生)
山野辺貴信(北海道大学大学院医学研究科助教、機械25回生)
白鳥則郎(早稲田大学国際情報通信研究センター教授、東北大学名誉教授、電気1回生)
佐藤和夫(茨城大学人文学部人文コミュニケーション学科、人文学科教授、電気6回生)
渡部茂己(常磐大学国際学部国際関係学科国際協力学専攻教授、電気8回生)
花泉弘(法政大学情報科学部ディジタルメディア学科教授・電気10回生)
鈴木正清(北見工業大学工学部情報システム工学科教授、電気13回生)
古戸孝(独立行政法人防災科学技術研究所・地震防災フロンティア研究センター研究員、電気14回生)
村田泰章(産業技術総合研究所地質情報研究部門研究主幹、電気14回生)
生天目博文(広島大学放射光科学研究センター教授、電気15回生)
丹治惣兵衛(福島大学地域創造支援センター特任教授[前教授]、化学1回生)
室井高城(神奈川大学理学部化学科非常勤講師、早稲田大学招聘研究員、BASFジャパン顧問、エヌ・イーケムキャット元執行役員、触媒学会元副会長、化学2回生)
村田弘(大阪府立公衆衛生研究所食品医薬品部食品化学課、化学6回生)
佐藤浩幸(クレハ 総合研究所長兼高分子研究室長、工学博士、化学17回生)
鈴木淳(獨協大学経済学部経営学科教授、化学19回生)
武藤浩行(豊橋技術科学大学物質工学系准教授、化学25回生)
佐藤徹雄(東北大学環境保全センター助教、化学30回生)
遠藤孝夫(東北学院大学工学部環境建設工学科教授、土木1回生)
湯沢昭(前橋工科大学工学部社会環境工学科教授、土木1回生)
文芸
渡辺徳仁(山岳図書ライター、東北山岳写真家集団所属、機械2回生)
芸術
小林修(ミュンヘン国立オペラ、テノール歌手、化学1回生)
芸能
網代和也(元てんねんすい/フォークデュオ)
神永雄一(元てんねんすい/フォークデュオ、現在ソロミュージシャン)
稲葉俊明(第10回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリ、電気33回生)
スポーツ
小関英吾(フリースタイルモトクロスライダー
マスコミ
安齋敦子(テレビユー福島・契約アナウンサー)
その他
松本耕三(全日本港湾労働組合・中央執行委員長)
小松道男(日本最年少[当時]技術士資格取得者、小松技術士事務所、機械17回生)
渡辺和弘(東京都立調布養護学校元校長、化学1回生)
脚注
^ 経済産業省は2007年、常磐鉱工業を近代化産業遺産群に認定し、常磐炭田関連遺産として母子想を個々の認定遺産とした。
^ 「工業統計調査(2010年)」(経済産業省)による。製造品出荷額の1位は、いわき市の9703億円。以下、2位仙台市9632億円、3位郡山市8290億円、4位米沢市8199億円、5位福島市6381億円の順
^ 2011年3月卒業予定者の原子力産業関連の内定先は、東京電力10名(本科8、専攻科2)、東北電力5名(本科)、日本原子力研究開発機構2名(本科・専攻科各1)、日本原子力発電2名(本科・専攻科各1)、三菱原子力燃料1名(本科)、アトックス1名(専攻科)、岡野バルブ1名(本科)の計22名。福島高専が2011年2月、経済産業省に提出した「原子力人材育成プログラム事業(原子力地域人材プログラム)」の成果報告書による
^ 再生可能エネルギー、原子力安全、減災工学の3分野・10科目。文部科学省の「大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業」の一環として採択された「原子力に依存しないエネルギーと安全・安心な社会を目指す地域復興人材育成」事業として実施
^ 注:福島高専の年史には、「いわき高専」というひらがな校名を避ける論議があったと忖度できる記述がある。
関連項目
- 高等専門学校
- 日本の高等専門学校一覧
福島高専ホープス(日本野球連盟に加盟。日本初の高専母体の社会人野球チーム)
外部リンク
- 福島工業高等専門学校
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