ステネロス
ステネロス(古希: Σθένελος, Sthenelos, ラテン語: Sthenelus)は、ギリシア神話の人物である。主に、
ペルセウスの子
アクトールの子
アンドロゲオースの子
カパネウスの子
のほか数名が知られている。以下に説明する。
目次
1 ペルセウスの子
1.1 系図
2 アクトールの子
3 アンドロゲオースの子
4 カパネウスの子
5 その他のステネロス
6 脚注
7 参考文献
ペルセウスの子
このステネロスは、ミュケーナイ王ペルセウスとアンドロメダーの子で、ペルセウス、アルカイオス、ヘレイオス、メーストール、エーレクトリュオーン、ゴルゴポネーと兄弟。ペロプスの娘ニーキッペーとの間にアルキュオネー、メドゥーサ、エウリュステウスをもうけた[1]。
エーレクトリュオーンがミュケーナイ王のとき、アムピトリュオーンは誤ってエーレクトリュオーンを殺してしまったので、ステネロスはアムピクトリュオーンを追放してミュケーナイの王となり、ペロプスの子アトレウスとテュエステースを呼んでミデアを支配させた[2]。後にゼウスが次に生まれるペルセウスの子孫をミュケーナイの王にすると宣言したとき、嫉妬したヘーラーはアルクメーネーの出産を止め、ステネロスの子が早く生まれるようにした。この結果ヘーラクレースより早く生まれたエウリュステウスがミュケーナイの王となった[3][1]。一説にステネロスはヘーラクレースの子ヒュロスに殺されたという[4]。
系図
| アクリシオス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ダナエー | ゼウス | ケーペウス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ペロプス | ペルセウス | アンドロメダー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| アステュダメイア | アルカイオス | ステネロス | ニーキッペー | メーストール | リューシディケー | ヘレイオス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| アナクソー | エーレクトリュオーン | ミデア | エウリュステウス | ポセイドーン | ヒッポトエー | オイバロス | ゴルゴポネー | ペリエーレース | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| アムピトリュオーン | アルクメーネー | ゼウス | リキュムニオス | タピオス | テュンダレオース | イーカリオス | アパレウス | レウキッポス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| イーピクレース | アウトメドゥーサ | ヘーラクレース | デーイアネイラ | オイオーノス | プテレラーオス | ペーネロペー | リュンケウス | イーダース | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| イオラーオス | メガラー | ヒュロス | イオレー | コマイトー | カストール | ポリュデウケース | クリュタイムネーストラー | ヘレネー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アクトールの子
このステネロスは、アクトールの子である。ヘーラクレースがヒッポリュテーの帯を取りに行った冒険に参加したが、アマゾーンとの戦いで負傷し、帰途の航海の途中で死に、パフラゴニアの海岸に葬られた。後にアルゴナウタイが近くを航海したとき、ステネロスはペルセポネーに願って地上に戻ることを許され、墓からアルゴー船を眺めた後に再び冥府に戻った。アルゴナウタイは驚き、モプソスの勧めで上陸し、ステネロスを供養した[5]。
アンドロゲオースの子
このステネロスは、クレータ島の王ミーノースの子アンドロゲオースの子で、アルカイオスと兄弟。パロス島の人で、ヘーラクレースがヒッポリュテーの帯を取りに行くときに立ち寄り、アルカイオスとともに選ばれて冒険に参加した。その後、ヘーラクレースは帰りにトラーキア人が支配していたタソス島を征服し、ステネロスとアルカイオスに与えた[6]。
カパネウスの子
このステネロスは、カパネウスとイーピスの娘[7]あるいはピュラコスの娘エウアドネーの子[8][9]。キュララベース[10]、コメーテースの父[11]。
ステネロスはエピゴノイの1人で[12][13][14]、一説にディオメーデースとともにアグリオスの子リュコーペウスを討った[15]。またヘレネーの求婚者の1人で[16][17]、トロイア戦争ではディオメーデース、エウリュアロスとともにアルゴスの武将の1人としてギリシア軍に参加した[18]。
ステネロスはディオメーデースの戦車の御者を務め、ディオメーデースがアイネイアース、パンダロスと戦い、パンダロスを討ち、アイネイアースに深手を負わせたとき、ディオメーデースの言いつけどおりにアイネイアースの名馬を奪った[19]。戦後、ステネロスは戦利品としてイーリオスで崇拝されていた「内庭のゼウス」の神像を得て、帰国したのちにアルゴスのアクロポリスに祀った[20][21]。
その他のステネロス
アイギュプトスの子の1人[22]。
サルディスの創建者サルドーの父[23]。- アイネイアースの部下[24]。
脚注
- ^ abアポロドーロス、2巻4・5。
^ アポロドーロス、2巻4・6。
^ 『イーリアス』19巻。
^ ヒュギーヌス、244話。
^ ロドスのアポローニオス、2巻911行-929行。
^ アポロドーロス、2巻5・9。
^ アポロドーロス、3巻7・1。
^ ヒュギーヌス、243話。
^ ヒュギーヌス、246話。
^ パウサニアス、2巻18・5。
^ アポロドーロス、摘要(E)6・9。
^ アポロドーロス、3巻7・2。
^ パウサニアス、2巻20・5。
^ パウサニアス、10巻10・4。
^ ヒュギーヌス、175話。
^ アポロドーロス、3巻10・8。
^ ヒュギーヌス、81話。
^ 『イーリアス』2巻。
^ 『イーリアス』5巻。
^ パウサニアス、2巻24・3。
^ パウサニアス、8巻46・2。
^ アポロドーロス、2巻1・5。
^ ヒュギーヌス、275話。
^ ウェルギリウス『アエネアース』12巻341行。
参考文献
アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
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