アニメーター
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アニメーター | |
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アニメーター ノーマン・マクラレン | |
基本情報 | |
職種 | 芸術 |
業種 | 映画、テレビ、インターネット、マスメディア、テレビゲーム |
詳細情報 | |
就業分野 | アニメーション |
アニメーター(英語: animator)とは、アニメーションの制作工程において、作画工程の原画、動画を担当する人全般を指す。
商業アニメでは、原画・作画監督・動画・動画検査などが該当する。作画力とキャラクターに演技をつける演出者としての能力も必要で、アニメーターの力量は映像に顕著に現れる。新人は、動画マンを経て、原画マンで経験を積み評価されると作画監督に昇格する。
ストップモーション・アニメーションでは、人形等の動きの設計を担当する者、3DCGアニメーションの制作では動きをつける者のことを示す。
目次
1 作業内容
1.1 原画
1.2 動画
2 CG
3 海外における労働環境
4 日本における労働環境
5 教育
6 脚注
7 外部リンク
作業内容
原画マンは、動きのキーポイントの静止画を作画し、その間の絵をつなげる作業は動画マンが担当する。複雑な動きが要求される場合は原画マンがあらかじめ原画の間に参考絵を足すこともある。出来上がった原画は作画監督にチェックをされる。
原画
担当する者は原画マンと呼ばれ、演出家と担当パートの打ち合わせを行い、まず、絵コンテを元にレイアウトを描き起こす。レイアウト作業ではカメラワーク、背景用の原図、動きのラフなどの絵を用意する(レイアウトのみ専門的に人を割り当てる作品もある)。
演出はレイアウト上がりがコンテの内容、演出意図とズレがないかを確認し、必要ならば指示を入れ、作画監督(作監)に渡す。演出、作画監督の修正が入り、チェック済みとなったものがレイアウトバックとして各原画マンに戻される。
複数で作画作業を行なう場合、キャラクター毎に原画を分担させる制作体制を取ることもある。作画効率が低くなる代わりに、1人のキャラクターを1人の原画マンが一貫して責任を持つため演技の設計が行いやすく、また、原画マン毎によるキャラクターの演技や表情に違いが生じないというメリットがある。
日本ではカット毎に原画作業を分担することが一般的で外注するには都合がよく効率的ではあるが、短いカットの参加では演技設計が難しく、画面や演技の統一感が得られなくなるデメリットがあるため、作画監督が必要となる。
作画監督は動きをチェックして修正したり、原画マンごとに異なるキャラクターの解釈をキャラクターデザインに基づいて修正して画面の統一を図ったりする。アニメーター出身の演出の中には作画監督の領域までタッチすることもある。作品によっては、作画監督間の絵のバラつきを押さえるために、総作画監督を立てることもある。
紙と鉛筆などアナログな制作環境で行うことが過去から続いているが、ペンタブレットとイラストソフトを利用して原画作業を行う「デジタル原画(作画)」を取り入れる場合がある(デジタル環境が取り入れられているのはCGおよび彩色や撮影が大部分で原画作業では稀。)。
動画
担当する者は動画マンと呼ばれ、原画と原画の間を補間するように絵を描き、これを中割りという。また、ラフに描かれた原画の線を拾いクリーンナップ(清書)作業を行うのも動画の役割である。一般的に、新人アニメーターは動画を担当し、技量を認められると動画検査や原画を任せられるようになる。
原画工程同様に管理役職がおり、動画検査と呼ばれる動きに関する熟練者が動画の修正やリテイクを指示する。
CG
1990年代後半からアニメ制作にコンピュータを使うことが一般化(デジタルアニメ)したが、アニメーターの作画作業はコンピュータを使わず従来通り紙に鉛筆で描くのが普通である。現在、動画作業の自動化技術にはトゥーンレンダリングなどが開発されているが人間や動物の表現は手描きに追い付いていない。[独自研究?]
海外における労働環境
海外のアニメーターにはフリーランスで作業を手懸ける者が多く、その分野ではエンターテインメント領域で働く人間のための特別な社会保障制度が存在している。特にフランスに於いてはその制度で健康保険や年金が設けられている他、年に1回「Conges Spectacles」(エンターテインメント産業界の休暇の意)という有給休暇が1カ月分与えられることが最大のメリットとなっている。[1]
基本は自己申告制であり「ここからこの辺りまで休暇を取りたい」と伝えると、そこから1ヶ月分の給料を手渡されるようになっている。但し、その前年にあまり働いてなければこの給与が少なくなってしまう欠点を孕んでいる。[2]
日本における労働環境
国内のアニメーターの多くは、有名クリエーターを夢見て目指す者が多い。原画として成功したときの見返りは多く、高い実力の持ち主が独立した場合などは、多くの収入を得ることも出来るが、独立まで行ける者はほんの一握りであり、ほとんどのアニメーターが一般的なサラリーマンの収入よりもはるかに低い年収レベルであり、また基礎から育てられずに動画から原画に促成的に移行させられることに因る力量不足などで挫折し、業界を離れて行くケースも多いと言われている。基本的にアニメーターで生活出来ていないと報道されているのは原画へ出世出来ていない動画マンである[3][4]。
1980年代には低収入という認識が芸術系学生の間で広まっており、当時アニメーターを目指し日本大学芸術学部へ進学した青山剛昌は、入会した漫画研究会の先輩である矢野博之に漫画家の方が儲かると言われ進路を変更したという[5]。
現在の日本のアニメーターの多くは契約社員かフリーランス(個人事業主)であり、正規雇用(正社員)でないため、健康保険や厚生年金などの福利厚生は無い。固定給制である制作会社はスタジオジブリ、京都アニメーションなど少数である。また、実力を認められたアニメーターが会社側から拘束をうけ、単価とは別の固定給をもらうという場合も存在する。新人アニメーターの担当する作業は低単価の動画であるが、原画から育成する方針のスタジオも存在する[1]。
動画1枚・原画1カットの単価×出来高制の業務委託・請負形式であるが、アニメ作品の商業的な成功失敗が、請負金額に反映されることは無い。作画監督は1話の制作期間(2カ月程度)拘束されるため、作品の掛け持ちや、あるいは制作会社が拘束料を支払い専属の契約社員となる場合もある。
新人アニメーターの多くは契約社員であり、動画担当は劣悪な労働環境と収入の問題から1年間で90%が辞めていく状態である。平均労働時間は1日約18時間、週2回は徹夜で月収約2~3万円(新人)。中堅クラスのアニメーターでも動画マンだと月収は約7万5000円~10万円(この金額自体、普通のサラリーマンの手取り金額の40%もない。さらに、この7.5万円~10万円から社会保険料や所得税も引かれるため、アニメーターのひと月の手取り金額は5万円以下になることがほとんど)、良くても約15万円といわれ、実家からの仕送りや副業により収入を得ていることも多い。
収入が少ない理由として、1枚の動画の単価が約150円~200円程度であり、採用されなければ0である。また原画動画の単価は昔から大きく変化もしていないこともあり、アニメーターの約25%は年収100万円以下であるといわれる(日本芸能実演家団体協議会の2008年における調査)。
また30年ほど前は月に、1000枚ほど生産していた動画アニメーターが存在していたのに対し、現在は制作体制が変化し、パソコンにスキャンして彩色する関係上作画の線を綺麗に描かなければならないこと、視聴者から求められている作画のレベルが上がっていることから、1人で多くの枚数を生産しにくい状況となっており、月に500枚描ければ動画マンは一人前とも言われる。動画マンとしての仕事を覚えて現場でアニメーターとしての実力を認められると原画の仕事に移行する[6]。原画の場合は1枚では無く、1カットの単価が約3000円~5000円となり、責任者である作画監督になると、1話あたりの単価が30~40万円ほどになるといわれている。
また、広告代理店やTV局が制作費の多くを中抜き(搾取・ピンハネ)しており、制作会社に与えられる制作費が少ないため、これも動画マンのアニメーターに十分な報酬がない理由のひとつともいわれている。 アニメ監督の山崎理は、「アニメ制作の予算配分はおかしく、音響監督、脚本家、撮影は、もらいすぎではないか」と疑問を呈している[7]。
劣悪な労働条件を改善するため、2007年(平成19年)10月13日に、スタジオライブ社長の芦田豊雄の呼びかけで、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が設立された[8]。
2008年に株式会社ボンズ名義でアニメーターの個人情報が流出する事件が起こり、アニメーターの格付けが行われている実態が明らかとなった。その格付けによると「こいつはクビ」「戦犯」「会社の癌」などとされていた(ボンズ側は一切関係ないと否定)。[要出典]
その一方で、中国のAGC企業が日本で会社を設立し、良い人材を集めるため、日本の制作会社より高い待遇を提示する例も見られるようになっている[9][信頼性要検証]。
2016年10月頃より株式会社ピーエーワークス所属のアニメーターが自身のTwitterにおいて、支払明細書を掲げた上で同社の雇用条件や賃金に対して、批判的なツイートを連発。この人物が公開した給与のうち、もっとも高額だったのは2016年10月支払分の6万7569円だった[10]。それらが注目されて、ネット上の各所に情報が拡散される事態となった。
教育
フランスでは以下の国家資格が存在する。
- 資格レベルIII - DMA Cinéma d'animation
脚注
^ この社会保障制度は、映画や演劇などエンターテインメントの分野領域で、規模などが大きな会社に長期所属するわけではない「Intermittents du Spectacle」(エンターテインメント産業界の不定期労働者の意)という不定期に働く人間が対象とされている。
^ “日本過酷すぎぃ! フランスのクリエイターが語る高待遇な海外アニメ業界”. ねとらぼ (2016年8月30日). 2016年9月11日閲覧。
^ http://www.pa-works.jp/sakuga/yoshihara/tobi-yoshihara13.htm.
^ http://www.nenshuu.net/shoku/any/anime.php
^ 週刊少年サンデー 2016年5月4日号 Vol.21 pp.426-431「サンデー非科学研究所 その4 作画メシ〜青山剛昌先生編2〜『名探偵コナン』が生み出される部屋に潜入セヨ!!」。2016年4月20日発行・発売。
^ http://www.pa-works.jp/sakuga/yoshihara/tobi-yoshihara13.htm.
^ “アニメーター年収100万 業界は全員「極貧」か”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2009年9月10日). http://www.j-cast.com/2009/09/10049011.html 2009年9月11日閲覧。
^ 森有正 (2007年10月13日). “アニメ制作:現場から悲鳴 労働環境改善求め協会設立へ”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/enta/mantan/archive/news/2007/10/13/20071013mog00m200018000c.html 2008年4月19日閲覧。
^ 中国のアニメ企業が、日本のアニメーターをどんどん引き抜いてる=中国メディア - サーチナ(2016-12-31 11:12版/2017年3月15日閲覧)
^ “年収100万円未満…アニメ制作現場、超絶ブラックで崩壊の危機か…離職率9割、人材使い捨て常態化”. Business Journal 2017.01.04
外部リンク
日本アニメーター・演出協会 JAniCA
アニメーション制作者 実態調査 報告書2015 (PDF)
JAniCA講義 井上俊之さん小黒祐一郎さんと一緒に『もっとアニメを観よう!』配布資料:井上俊之の作画史観に基づく年表 (PDF)- アニメーターになるには? 天職攻略大図鑑
- アニメミライ animemirai
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アニメーション産業に関する実態調査報告書 (PDF, 平成21年1月) - 公正取引委員会
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