市民活動
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2014年11月) |
市民活動(しみんかつどう)とは、政治的または社会的な問題の解決を目指して[1]、市民が民主主義を基礎として権利意識を自覚し階層の違いを超えた連帯を求めるとともに、特定の共通目的を達成しようとする[2] 政治運動、あるいは社会運動である[3]。
個人による自主的な参加を前提としており、流動的かつ柔軟性のある組織を通じ非政治的な市民が非党派的な運動を展開するという特徴を持っており、この点、特定の職種や職場の従業員を基盤とする労働運動とは異なる[2]。
目次
1 概要
1.1 市民活動の権利と義務
1.2 NPO法人の合流
2 市民活動史
3 市民活動と民族問題
4 公安警察との関係
5 各国の実情
6 脚注
7 参考
8 関連項目
概要
医療、福祉、文化、環境、国際協力、平和活動、人権擁護、教育と、その活動の幅は広い。素人の一市民が団結して活動を行い、NPO・NGOを組織する場合もある。学校、教育現場でも市民活動におけるボランティアへの参加を社会教育的な意味から推奨する傾向は強く、授業の一環に取り入れている。大学、短大でも市民活動への参加を卒業単位として認めているところもある。住民運動とも呼ばれることがあるが、住民運動では地縁によるつながりがより重視される。
他方で、個々の市民活動に対して問題点もあげられている。市民活動としての公共性を主張するためには以下の代表性・公益性についての評価を要する。
代表性の問題とは、市民活動において、市民の名で行われるものが、常にすべての市民を代表するものとは限らず、市民活動が特定の市民の意見(いわゆるノイジー・マイノリティ。主張する少数)によって活動が誘導される可能性を指摘したものである。
公益性の問題とは、活動の受益者がどの範囲に及ぶのかという問題である。直接的受益者、間接的受益者(正の外部性の受益者)を含めて議論される。たとえ、活動による直接的受益者が限定されていても、広範な間接的受益者(正の外部性)があれば、公共性が容認される場合がある。
市民活動自体は完全に無党派中立的な活動というわけではない。市民活動の背後に、特定の商業的・政治的利益関心を持った多様な集団の存在が見出されるケースもある。市民活動全般に画一的な評価を当てる事は不可能であり、それぞれの活動に対し、目的(真意)、背景、個々の活動に基づく評価が必要とされる。
活動資金に関して、市民活動を行なう上で資金は当然必要である。基本的に市民活動の資金源は個人や団体による寄付金ならびにボランティアなどによる無償、有償安価の労働力の提供によって賄われる。自治体が特定の活動につきボランティアを募集した場合などは、交通費などを、最低限の必要経費として支給することもある。また市民活動支援施策として、自治体が活動の一部を資金的、物質的に援助することも多い。しかし、日本におけるその市民活動の規模と資金力は後述の欧米などと比べると極めて小さい。これはアメリカにおいて非課税である個人・団体の市民活動への寄付が、日本では課税されるという点が市民活動を発展を妨げていると指摘する研究者もいる。
市民活動の権利と義務
市民活動は権利を主張すると同時にそれによって生じた義務を負う。市民活動が始まった欧米諸国においては、市民は意見を述べるとともに、生活等への制約や負担を受け入れるということが前提とされてきた[4]。
NPO法人の合流
特定非営利活動促進法の改正に伴い、NPO法人は市民活動法人として市民活動を強調するようになる予定である。
市民活動史
日本における市民活動は、1970年代の公害反対運動や消費者運動を契機に一般的なものと定着した。当時は、学園闘争の直後で、同志婚をし、社会人になった者も多かった。彼らは、地域社会からの変革を訴え、革新自治体を生み出す原動力になった。
近年では、尼崎市、生駒市、逗子市や箕面市、宮崎県のように、革新自治体とは異なる市民派や虹と緑と呼ばれる市民運動、また政党ではなく市民活動をベースにした政治活動(例:生活協同組合が母体の「生活者ネットワーク」)によって、首長や議員に当選するケースも見られる。
市民活動と民族問題
市民活動において、活動主体が当該国の国民であるとは限らない。多くの国家は内部に、複数のエスニックグループを抱えている。そのため、エスニックグループがそれぞれの民族、文化、宗教観を表明したり、当国での生活を維持したりすることを目的に民族系市民活動を形成するものがある。しかし、民族系市民活動は、国際紛争、民族対立、多数派民族との対立のなかで翻弄される場合がある。
日本においても、民族・宗教的価値観の表明、生活保全のために日本人以外が中心となり行う市民活動・団体がある。
公安警察との関係
市民団体の中には政治警察・国家憲兵から監視を受けているものもある。日本においては反戦運動団体は特に公安警察、公安調査庁、更には自衛隊情報保全隊からも諜報対象となっている場合が多い。消費者団体・環境団体・人権団体も監視対象となることもある。要は政府に“反体制”と睨まれれば問答無用で監視対象となるということである。
各国の実情
アメリカ合衆国では、青少年、高齢者に市民活動への参加を推奨しており、そのプログラムはアメリコー(Corporation for National Service AmeriCorps)と呼ばれている。これは、国策で青少年を海外にボランティアを派遣している平和部隊(PeaceCorps)のアイディアを国内の困窮者、障害者、高齢者やコミュニティ活動などに振り向けたものである。ボランティアによって、こういった国内の活動コアを作るという着想によって推進されている。市民団体のごく一部には、業界をバックにもつ圧力団体ロビイスト、過激な活動を繰り広げる自然保護・環境保護団体も存在し、市民運動の発達したアメリカらしさともいえる。
北欧諸国では市民活動をイデオロギー(w:Popular Socialism)に掲げる政党があり、一定の議席数を維持している。彼らは社会民主主義ともユーロコミュニズムとも異なるイデオロギーであると述べている。詳細は社会党 (デンマーク) - 社会党 (ノルウェー) - 左翼党 (スウェーデン)を参照
脚注
^ 大辞林 第三版 コトバンク. 2018年10月28日閲覧。- ^ ab日本大百科全書(ニッポニカ) コトバンク. 2018年10月28日閲覧。
^ デジタル大辞泉 コトバンク. 2018年10月28日閲覧。
^ 『日本の食と農』 神門善久著 NTT出版 2006年6月
参考
- CiNii Articles - 市民活動
関連項目
- 共同体感覚
- 利他主義
- ノブレス・オブリージュ
喜捨(ザカート)- 特定非営利活動法人
- ボランティア
- 市民団体
- 社会運動
- 市民社会
- オンブズマン
- 住民投票
- 住民参画
- 住民運動
- 自治
- 社会
- プロ市民
- 政治団体
- 人権団体
- フェミニスト
- 1%支援制度
- 勝手連
- ネチズン
- 社会運動家一覧