オリオン座







































オリオン座
Orion

Orion
オリオン座の恒星


属格形

Orionis
略符
Ori
発音
[ɒˈraj.ən]
象徴
Orion
概略位置:赤経

5
概略位置:赤緯

+5
正中
1月25日21時
広さ
594平方度 (26位)
主要恒星数
7

バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数

81

系外惑星が確認されている恒星数

2
3.0等より明るい恒星数
8
10パーセク以内にある恒星数
2
最輝星
リゲル(β Ori)(0.13
最も近い星
GJ 3379;(17.1光年)

メシエ天体数

3
流星群
Orionids
Chi Orionids
隣接する星座
ふたご座
おうし座
エリダヌス座
うさぎ座
いっかくじゅう座


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撮影者:マウザー・ウィリアムズ

オリオン座(Orion)は、トレミーの48星座の1つ。ギリシャ神話における登場人物オリオンを題材とした星座。


天の赤道上にあり、おうし座の東にある星座。中央に三つ星が並んでいるのが目印。明るい星が多いため、特に有名な星座であり、しばしば文学作品などにも登場。


オリオン座は他の星を見つける目印にもなる。シリウス(α Canis Majoris)はベルトのラインを南東へ拡張することによって見つかる。アルデバラン、プロキオン、ふたご座もオリオン座を基準にして見つけることができる。


α星は、全天21の1等星の1つであり、ベテルギウスと呼ばれる。ベテルギウスと、おおいぬ座のα星シリウス、こいぬ座のα星プロキオンの3つの1等星で、冬の大三角を形成する[1]


β星も、全天21の1等星の1つであり、リゲルと呼ばれる。




目次





  • 1 主な天体

    • 1.1 恒星


    • 1.2 星団・星雲・銀河


    • 1.3 その他



  • 2 由来と歴史

    • 2.1 家紋



  • 3 神話

    • 3.1 ギリシャ神話


    • 3.2 中国の神話


    • 3.3 日本の神話


    • 3.4 その他



  • 4 画像


  • 5 呼称と方言


  • 6 オリオン座に由来する事物


  • 7 出典


  • 8 関連項目




主な天体


オリオン座には、明るい星や有名な星雲・星団が多くある。



恒星



2つの1等星α星(ベテルギウス)とβ星(リゲル)以外に、γ星、δ星、ε星、ζ星、κ星の5つの2等星がある。


  • α:ベテルギウス(Betelgeuse)は、オリオン座で2番目に明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[2]。極大になると、リゲルより明るくなる。オリオンの右肩にあり、赤色超巨星である。その大きさはベテルギウスを現在の太陽の位置に持ってきたとき、木星の軌道を飲み込む程。ベテルギウスは周期2110日で変光するSRC型の脈動変光星である。

  • β:リゲル(Rigel)は、オリオン座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[3]。オリオンの左の膝の上にあり、非常に明るい大きな青白い星である。

リゲル、ベテルギウスには和名が存在する。それぞれの和名については(リゲル#和名、ベテルギウス#和名の項を参照)。



  • γ星:ベラトリックス(Bellatrix)は、「女戦士」の名を持つ。オリオンの左肩にある2等星[4]


  • δ星:ミンタカ(Mintaka):2等星[5]。ほぼ天の赤道上にある星。


  • ε星:アルニラム(Alnilam):2等星[6]


  • ζ星:アルニタク(Alnitak):2等星[7]

δ星、ε星、ζ星は、3つ並んだ2等星で、オリオンの帯として知られる。1列に並んで同じような明るさで輝いては見えるが、3つの星は互いに距離が離れており、3つの星同士に関連性はない。日本では「三つ星」(みつぼし)と呼ばれ、この三つ星だけでも、オリオン座を容易に見つけることができる。


英語では三つ星を Tristar と呼ぶ。その他、日本各地にベテルギウスとリゲルをアステリズムとした方言や三つ星などの方言が多数見つかっている。詳細はオリオン座に関連する方言参考。



  • κ星:サイフ(Saiph)は、オリオンの右の膝にある2等星[8]


  • λ星:メイサ (Meissa)は、オリオンの頭である。


  • π3星:タビト(Tabit)は、オリオン座の西端に位置する。


  • χ1星:北端に輝く。

π3星とχ1星は、比較的太陽に似た薄黄色や黄色の主系列星で、遠い星の多いオリオン座ではもとより恒星全体の中でも太陽系に近い星である。


オリオン座の明るい星々は年齢や物理的特徴が非常に似ている。これはオリオン座付近に巨大分子雲が存在し、オリオン座を構成する星々の多くがこの同じ分子雲から生まれたためであると考えられている。散開星団よりは広がっているが同じ年齢と運動を持つこのような星の集団をアソシエーションと呼ぶ。オリオンアソシエーションはその代表的なもの。しかし、ベテルギウス、π3星、χ1星は例外である。


オリオン座の暗い星の中で特筆すべき星としては、以下の星が挙げられる。



  • 15番星:天王星からみれば南極星となる恒星。


  • S星:ミラ型変光星。


  • U星:極大期に肉眼で観られるほど明るくなることもあるミラ型変光星。


  • W星:SRB型の半規則型変光星。


  • HD 34445:比較的太陽に似た黄色の主系列星。但しπ3星やχ1星と異なり肉眼で観る事は出来ない。惑星を持つ。


  • HD 37605:比較的太陽に似た橙色の主系列星。但しHD 34445同様肉眼で観る事は出来ない。惑星を持つ。


  • HD 290327:黄色の準巨星。惑星を持つ。


星団・星雲・銀河




オリオン大星雲


  • M42(オリオン大星雲/右写真):散光星雲。オリオンのベルトの3星の南に位置する星雲である。この星雲は、θ1星、θ2星などとともに、オリオンが腰につけた剣に見立てられ、日本ではθ星、M42、ι星を小三つ星(こみつぼし)と言う。肉眼でも見ることができ、双眼鏡ではこのM42の中に若い星や輝くガスおよび雲を見ることができる。

  • 馬頭星雲:暗黒星雲。写真等で有名で、三つ星の東側にある。この付近は写真で撮影するとかなり明るく星雲が写る領域である。


  • NGC 2024:馬頭星雲の左上に位置する。暗黒星雲が明るい星雲を隠している。


  • バーナードループ:超新星残骸。オリオン座全体を大きな円弧状に取り巻くようにしている。


  • M78:散光星雲。


その他



  • S Ori 70:最初に発見された自由浮遊惑星。


由来と歴史


オリオン座はさまざまな古代文明で特別に認識されていた。


古代エジプトは三ツ星とその南側をサフと呼び、オシリスと同一視した[9]。古代メソポタミアのシュメール人はより広い(現在のオリオン座に近い)星々を「アヌの真の羊飼い」と呼んだ。これがオリオン座の原型と考えられている[9]


古代中国では、オリオン座は28の占星術の宿(二十八宿)のうちの1つで参(參 、しん、拼音: Shēn)と名付けられていた。


オリオンの「ベルトおよび剣」は、古代・近代文学の中で頻繁に引用された。



家紋




毛利氏の家紋「一文字に三つ星」


オリオンのベルトにあたる3つの星は、古代中国において中央の星(ε星)を大将軍、左右の星を右将軍(δ星)・左将軍(ζ星)として戦の神として信仰されており、のちに仏教とともに妙見信仰という形で日本に伝来し、武士たちの間で信仰の対象とされた。その信仰によって日本の家紋に「三つ星紋」が発生した。


毛利氏など大江氏族が使用した家紋である「一文字に三つ星」の三つ星が、このオリオンのベルトの三つ星を表しており[10]、ほかに松浦氏の「三つ星」や渡辺氏の渡辺星など、そのほかの三つ星紋も同じ意味がある。基本の形は、3つの円形を山形に盛る図案であるが、横一列や縦一列に並べたものもある。[11]



神話



ギリシャ神話




星座書ウラノメトリアにおけるオリオン座


ヒュギーヌスの伝えるところでは、巨人オーリーオーン(オリオン座)は海の神ポセイドーンの子で優れた猟師だったが、「この世に自分が倒せない獲物はいない」と驕ったため、地中から現れたさそり(さそり座)に毒針で刺し殺された[12]。その後オリオンとさそりはともに天にあげられ星座となった。ゲルマニクスは、オリオン座は冬の間、空高いところで威張っているが、さそり座が東の空から上るとこそこそと西の空に沈む、としている[12][13]


またヒュギーヌスは、オーリーオーンの死について、月の女神アルテミスにまつわる別の神話も伝えている[12]



中国の神話


また中国にも、オリオン座(参)とさそり座(商)が天球上でほぼ反対側に位置して同時には上らないことから、不仲や疎遠な人間関係を指して「参商の如し」という言葉がある。



日本の神話


日本では、表筒男命、中筒男命、底筒男命という住吉三神が、三つ星として知られるδ星、ε星、ζ星のことだという説がある(学説であって、そういう古伝承があるわけではない)。
沖縄では、オリオンのベルト部分にあたる3つの星を「黄金三星」(こがねみつぼし、クガニミチブシ)と呼び、神が住む星とされている。



その他


オリオンの名は、アッカド語のUruアンナ(天の光)が由来であるという指摘がある。


このオリオンの名は、ホラティウスやホメロスの『オデュッセイア』や『イーリアス』、ウェルギリウスの『アエネイス』で言及される。ミルトンの『失楽園』や、テニスンの『ロックスレー・ホール』にも現れる。


しかし、別の説によれば、オリオンはウーロン(古代ギリシアの言語で尿の意)からきているともいわれる。



画像



呼称と方言



オリオン座の和名は鼓星(つづみぼし)という。形を鼓に見立てたことから[14]




オリオン座に由来する事物




出典


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  1. ^ “冬の星空を楽しもう”. AstroArts. 2013年5月11日閲覧。


  2. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME BETELGEUSE. 2013年1月19日閲覧。


  3. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* bet Ori. 2013年1月19日閲覧。


  4. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME BELLATRIX. 2013年2月5日閲覧。


  5. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for * del Ori A. 2013年2月8日閲覧。


  6. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* eps Ori. 2013年2月7日閲覧。


  7. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for CCDM J05408-0156AB. 2013年2月7日閲覧。


  8. ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME SAIPH. 2013年2月6日閲覧。

  9. ^ ab近藤二郎 『星の名前のはじまり』 誠文堂新光社、2011年8月、47-49頁。ISBN 978-4-416-21283-7。


  10. ^ 日本家紋研究会. “山口県の家紋と姓氏”. 2014年2月4日閲覧。


  11. ^ 高澤等著 千鹿野茂監修『家紋の事典』東京堂出版 2008年

  12. ^ abcIan Ridpath. “Star Tales - Orion 2”. 2014年2月4日閲覧。


  13. ^ 長島晶裕/ORG 『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』 新紀元社、2012年。ISBN 978-4-7753-1038-0。


  14. ^ “コトバンク”. 2014年12月27日閲覧。


関連項目






  • オリオン腕

座標: 星図05h 30m 00s, +00° 00′ 00″







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