表皮効果


表皮効果(ひょうひこうか)は交流電流が導体を流れるとき、電流密度が導体の表面で高く、表面から離れると低くなる現象のことである。周波数が高くなるほど電流が表面へ集中するので、導体の交流抵抗は高くなる。


一般に高周波における影響が論じられることが多いが、電力系統など大電流を扱う際にも重要で、直流送電が有利とされる理由の一つでもある。


表皮効果は多くの科学者が研究し、ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)によって1887年に説明された。導体の電流密度Jは 深さδに対して、次式のように減少する。


J=J0e−δ/ddisplaystyle J=J_0e^-delta /ddisplaystyle J=J_0e^-delta /d

ここで d は表皮深さで、電流が 表面電流の1/e (約 0.37)になる深さであり次のように計算される。


d=2ρωμdisplaystyle d=sqrt 2rho over omega mu displaystyle d=sqrt 2rho over omega mu
ρ = 導体の電気抵抗率

ω = 電流の角周波数 = 2π × 周波数

μ = 導体の絶対透磁率

dの厚さの平板が直流電流に対して生じる抵抗と、厚さがdよりもっと厚い平板の交流電流に対する抵抗は同じである。交流電流に対して電線は直流電流に対する厚さdのパイプのような抵抗を示す。. 例として、円形断面の電線の抵抗は概略以下のようになる。


R=ρd(Lπ(D−d))≈ρd(LπD)displaystyle R=rho over dleft(L over pi (D-d)right)approx rho over dleft(L over pi Dright)displaystyle R=rho over dleft(L over pi (D-d)right)approx rho over dleft(L over pi Dright)
L = 導体の長さ

D = 導体の径

D >> dの場合に上の式は成り立つ。







各材質の周波数と表皮深さの関係


銅線の場合、周波数に対する表皮深さd;は表のようになる。










周波数表皮深さd;
60 Hz8.57 mm
10 kHz0.66 mm
10 MHz21 μm


関連項目


  • 電磁シールド

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