直流





直流の波形


直流(ちょくりゅう、Direct Current, DC)は、時間によって大きさが変化しても流れる方向(正負)が変化しない「直流電流」の事である。同様に、時間によって方向が変化しない電圧を直流電圧という。狭義には、方向だけでなく大きさも変化しない電流、電圧のことを指し、流れる方向が一定で、電流・電圧の大きさが変化するもの(右図の下2つ)は脈流(pulsating current)という。直流と異なり、周期的に方向が変化する電流を交流という。




目次





  • 1 直流の性質


  • 2 直流の利用

    • 2.1 直流発電


    • 2.2 直流送電


    • 2.3 直流機器


    • 2.4 磁場の問題



  • 3 関連項目




直流の性質


電池や静電気により発生する電気は直流である。直流電流は金属線のような導体を流れるが、半導体や絶縁体をも流れる。また、真空中であっても陰極線として流れる。


直流回路において、電圧V(V)、電流I(A)のとき、電力P(単位・W)につき次式が成り立つ。


P=I2Rdisplaystyle mathit P=I^2Rmathit P=I^2R

上式はオームの法則から次のようにも変換される。


P=VI=V2Rdisplaystyle mathit P=VI=frac V^2Rmathit P=VI=frac V^2R

また、電力P(W)、時間t(s)のとき、電力量W(単位・Ws)につき次式が成り立つ。


W=Ptdisplaystyle mathit W=Ptmathit W=Pt

上式はジュールの法則の熱量H(単位・J)と次のような関係にある。


1W⋅s=1J=0.24caldisplaystyle 1mathrm Wcdot s =1mathrm J =0.24mathrm cal displaystyle 1mathrm Wcdot s =1mathrm J =0.24mathrm cal


直流の利用



直流発電


初期の発電事業においては直流発電機が用いられていたため直流送電が用いられたが、その後、交流に取って代わられた。その後に利用が拡大した太陽光発電は直流電力を取り出し、通常はパワーコンディショナーにより交流に変換した上で電源としている。



直流送電


通常、送電のメリットから、一般家庭に送電されるのは交流であり、家庭用電源を使用する電化製品は交流電源に対応するが、機器によっては機器内の整流器により直流電流に変換して作動させるものもある。ただし、北海道・本州間連系設備等静電容量が高くなるため交流送電の場合損失が大きい海底ケーブル区間や、長い区間に亘り途中の利用がない送電には、サイリスタ等パワーエレクトロニクスの進歩もあって直流送電も用いられている。



直流機器


直流モーターは、SとNを切り替える為に整流子が不可欠である。



磁場の問題



直流電流を流すと磁場が発生する。市販品の乾電池一本でも方位磁針が若干反応するほどであることから、磁気を測定する場所およびその周辺では大電流で直流電圧をかけることを厳しく制限している。例えば鉄道について、東京周辺では直流電化がほとんどにもかかわらず茨城県にある常磐線取手以北や水戸線、つくばエクスプレスの守谷 - つくば間が交流電化となっていることや、関東鉄道の2路線が非電化なのは、気象庁地磁気観測所が沿線近隣にあるためである。



関連項目



  • 発電 - 発電所 - 発電機


  • 送電 - 交流送電 - 直流送電

  • 電気


  • 電気工学 - 電力工学


  • 直流電化(鉄道における直流電化)


  • 直流給電(屋内配線の直流化)

  • 交流


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