枝
枝(えだ)とは、
- 草木のえだ[1]。植物の主たる幹から分かれた茎[2]。(多年生の維管束植物の)幹から分かれた茎[3]。
- ものの“本”(本筋・本体など)から別れ出たもの[3]。「枝道[3]」
目次
1 概説
2 植物の枝
2.1 植物の枝の関連項目
3 信仰と枝
3.1 キリスト教
3.2 日本の仏教や神道
4 情報と枝
5 脚注
6 関連項目
概説
枝とは、草木(植物)の幹から分かれた茎、あるいは分かれた茎や葉の総称である。人々に馴染みの深いのは樹木の枝である。が、広義には、藻類などの、分枝構造で樹木の枝に外観が似ているものもこの名で呼んでいる[3]。→#植物の枝
人は、身近なことを用いて概念的なことや高度なことを理解する[4]。人にとって草木は身近なものであり、様々なことをしばしば草木の枝になぞらえて理解している。
漢字では木の根元部分や中心部分(幹の部分)を示すために、「木」の字の縦線の下方に横向きのしるしをつけ「本」と書く。
戦国時代の武士は、日ごろ拠点にしている本城(根城)に対して、その他にある城を枝城と呼ぶことがあった[5]。中世や近世の日本において、新田を開発したことで元の村(本郷、元郷)から分出した村を枝郷と言った。
日本語では木以外の「枝」に木偏(きへん)抜きの支の漢字があてられていることや(支流、支線、支社)、岐の漢字があてられて表現されていることがある(分岐など)。
植物の枝
枝という名称は、木や草の芽が成長してできた茎や葉をひとかたまり、ひと単位として呼ぶ総称である[3]。広義には、外観がそれに似た分枝構造もこの名で呼び、たとえば藻類の分岐構造についてもこの名称を用いることがある[3]。
枝分かれすることや、枝分かれした部分を学術的には分枝と言う。生物学的に言うと、植物の分枝にはいくつか様式があり、同じ勢力で2分することを繰り返すのが二叉分枝と呼ばれ、これが系統学的には古いもの、とされている[6]。この二叉分枝から単軸分枝や仮軸分枝が派生することになった[6]。
ライラックの枝
アカシアの枝
植物の枝の関連項目
- 枝変わり
- 枝打ち
- 忌み枝
信仰と枝
キリスト教
カトリック教会・ルーテル教会などの枝の主日では、棗椰子(なつめやし)や棕櫚(しゅろ)などヤシ科の植物などの枝(現代の植物学的に言えば「葉」にあたる)を聖別する。正教会では聖枝祭に相当する。これは、イエスがエルサレムに入城する時、群衆が棗椰子の枝を持って、当時 王を迎える時にしていたのと同じように迎え入れたことにちなむ。
その翌日のこと、祭りにきていた群集は、イエスがエルサレムにこられると聞いて、シュロの枝を手に持ち、迎えに行った。そして叫んだ。「ホサナ。主の名によってこられる方に、祝福あれ、イスラエルの王に。」
— ヨハネ 12:12-13
また次のたとえはしばしば言及される。
わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっていれば、その人は実をゆたかに結ぶ。
—
新約聖書、『ヨハネによる福音書』 15:5、イエスの言葉
日本の仏教や神道
日本の仏教ではシキミの枝が供養などに用いられることがある。仏壇の脇に配置したり、墓前に供えたりする。
神道ではサカキの枝が神事に用いられることがある。
日本の仏教で用いられるシキミの枝
神道で用いられるサカキの枝
情報と枝
情報工学ではデータ群やファイル群などを、樹木に似せたツリー構造(木構造)で構築することがあり、そこではノードから分かれた先を枝と呼ぶことがある。
また、命令の一連の流れが枝分かれすることをbranch(分岐)と言う。なお分岐する先をあらかじめテーブル(表のようなもの)の形であらかじめ書き込んでおくものをbranch table(ブランチ・テーブル、ジャンプ・テーブル、分岐テーブル)と言い、これによってプログラムを簡略化できる[7]。
脚注
^ デジタル大辞泉「枝」
^ 大辞林- ^ abcdef広辞苑 第五版 p.295「枝」
^ こうしたことを学術的には概念メタファーとも言う。
^ 出城とも- ^ ab岩波 生物学辞典 第四版 p.129「枝」
^ [1]
関連項目
- ブランチ
- 分枝
香典(枝、枝義理)