世界コンピュータ将棋選手権


世界コンピュータ将棋選手権(せかいコンピュータしょうぎせんしゅけん、英: World Computer Shogi Championship )は、コンピュータ将棋プログラムの世界選手権。主催はコンピュータ将棋協会。


第10回までの名称は「コンピュータ将棋選手権」だったが、海外からの参加者も出場する様になったため、第11回から現在の名称に変更された[1]




目次





  • 1 概要


  • 2 主なルール


  • 3 歴代大会結果

    • 3.1 注釈


    • 3.2 優勝回数



  • 4 出典


  • 5 関連項目


  • 6 外部リンク




概要


コンピュータ将棋協会が将棋ソフトの実力向上を図ることを目的に年1回、ゴールデンウィークに首都圏で開催される。チェスに比べると盤面が縦横1マスずつ多い縦横9マスであること、駒数も各自4つ多いこと、取得した相手方の駒を持ち手として使えることなどから複雑なプログラムが求められ、近年は毎年のように順位が入れ替わる。


大会は1次予選、2次予選、決勝を3日間で行う。


  • 1日目(一次予選):スイス式トーナメント8回戦。二次予選シード権を持たない全チームによって争われる。上位8チームが二次予選に進出。

  • 2日目(二次予選):スイス式トーナメント9回戦。二次予選シード権を持つ16チームと一次予選通過8チームの24チームによって争われる。上位8チームが決勝に進出。

  • 3日目(決勝):8チームによる1回戦総当りラウンドロビントーナメント。


主なルール


※以下は原則として2017年2月現在のルール[2]に基づく。


本選手権では「プログラムを動作させるコンピュータは、参加者が自ら用意する」ことが義務付けられている(第6条)。また使用するコンピュータの台数・スペック等については特に制限はないが、会場持ち込みについては消費電力や騒音等の問題から制限があり(第11条)、そのため大規模クラスタなどを使用する場合は事前に大会委員会に申請の上リモート参加の形で参加する(第12条)。この点は、同一スペックのPCを使用してソフトのみの優劣を競う他の大会(コンピュータ将棋王座決定戦、電王トーナメント等)と大きく異なり、本大会の特徴となっている[3]


将棋そのもののルールについては基本的に通常の将棋と同じ。ただし入玉については、プロで採用されている24点法ではなく、アマチュアで一般的な宣言法ルールを採用するため、持将棋(引き分け)とはならない(第25条)。一方、千日手の場合は指し直しではなく引き分けとするほか(第27条2項)、手数が256手に達しても決着がつかない場合も引き分けになる(第27条3項)。持ち時間について、2016年の第26回大会からは「持ち時間10分、1手ごとに10秒追加」(1秒未満の消費時間は切り捨て)のフィッシャーモード・ルールが採用されている(第24条)。第24回までは「25分切れ負け」ルール(秒未満は原則切り捨てだが、特別ルールとして1手につき最低1秒は必ず消費する)、第25回は「持ち時間10分、切れたら1手10秒以内」が採用されていた。


参加する各ソフトには、前年度大会までの成績に基づくシード順が決められる(第17条)。2015年現在は、原則としてシード順の上位16ソフトが2次予選シード、それ以外のソフトは1次予選からの参加となる(第18条2項)。かつては前年度の大会で3位以内のソフトは決勝シードとなっていたが、同ルールは2011年大会を最後に廃止された。なおルール上明記はされていないが、シード権を持つソフトが、自らその権利を放棄することが2017年大会までは認める運用がなされていた。2次予選シード権を持つソフトが大会にエントリーしない、または3月31日までに出場をキャンセルするかシード権の放棄を申請した場合は、シード順は繰り下がって与えられる。4月1日以降の出場キャンセルやシード権放棄についてはシード順の繰り下がりはなく、該当するチームの数だけ一次予選の通過枠が拡大する。このようなシード権の放棄は、2018年大会より認められなくなった。


参加するソフトは「開発者が開発部に技術的に何らかの明示的な工夫を施したプログラムである」(第6条5項)ことが求められるが、必ずしも全てを自作する必要はなく、事前申請することで主催者側に登録されたライブラリを使用し、さらにそれを改造することもできる(第7条1 - 3項)。ただし2016年大会では、一部のソフトがあるライブラリの「主催者側に登録されたバージョン」ではなく「登録以降にGitHubに掲載されたバージョン」を使用して大会に参加していたことが後に発覚し[4]、(他の要因もあったとはいえ)当該ソフトが成績を辞退する結果に追い込まれた[5]。これを受けて2017年の第27回大会からは、事前にライブラリ登録されていれば、同じソフトの公開されている最新版をライブラリで使用することが認められるようにルールが改正された。



歴代大会結果






















































































































1位2位3位
第1回(1990年)永世名人柿木将棋
森田将棋
第2回(1991年)森田将棋永世名人
第3回(1992年)柿木将棋森田将棋
第4回(1993年)柿木将棋森田将棋
第5回(1994年)森田将棋
YSS
第6回(1996年)金沢将棋[注 1]柿木将棋森田将棋
第7回(1997年)YSS金沢将棋柿木将棋
第8回(1998年)IS将棋金沢将棋
Shotest
第9回(1999年)金沢将棋YSSShotest
第10回(2000年)IS将棋YSS川端将棋
第11回(2001年)IS将棋金沢将棋
KCC将棋
第12回(2002年)激指IS将棋KCC将棋
第13回(2003年)IS将棋YSS激指
第14回(2004年)YSS激指IS将棋
第15回(2005年)激指KCC将棋IS将棋
第16回(2006年)BonanzaYSSKCC将棋
第17回(2007年)YSS棚瀬将棋激指
第18回(2008年)激指棚瀬将棋Bonanza
第19回(2009年)GPS将棋大槻将棋文殊
第20回(2010年)激指習甦GPS将棋
第21回(2011年)ボンクラーズBonanza習甦
第22回(2012年)GPS将棋Puella α[注 2]
ツツカナ
第23回(2013年)BonanzaponanzaGPS将棋
第24回(2014年)AperyponanzaYSS
第25回(2015年)ponanzaNineDayFever
AWAKE
第26回(2016年)ponanza技巧大将軍
第27回(2017年)elmoPonanza Chainer技巧
第28回(2018年)HefeweizenPALApery


注釈



  1. ^ 「金沢将棋」は「極」の後継プログラム


  2. ^ 「Puella α」は「ボンクラーズ」の後継プログラム


優勝回数

















順位プログラム名優勝回数
1位金沢将棋5回
2位IS将棋4回

激指
4位YSS3回
5位GPS将棋2回

Bonanza

ponanza
  • 5回優勝を果たした金沢将棋の開発者・金沢伸一郎は「CSA永世選手権者」となった。


出典




  1. ^ 『将棋世界』2007年7月号 p.22


  2. ^ 世界コンピュータ将棋選手権 大会ルール(2016年12月14日版)


  3. ^ フリーソフト「Bonanza」が初出場で優勝 - 第16回コンピュータ将棋選手権 - マイナビニュース・2006年5月8日


  4. ^ 魔女をめぐるCSAライブラリ問題 - やねうら王ブログ・2016年5月12日


  5. ^ 第26回世界コンピュータ選手権における順位辞退について - 第26回世界コンピュータ将棋選手権 運営委員会・2016年5月20日



関連項目


  • コンピュータ将棋

  • コンピュータ将棋協会

  • ボナンザ・チルドレン


  • 内藤九段将棋秘伝 - 第1回大会に参加(2017年現在、本選手権史上唯一のファミコン用プログラムであり、家庭用ゲーム機用プログラムとしても唯一)。


外部リンク



  • 世界コンピュータ将棋選手権 - コンピュータ将棋協会

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