ゼネコン
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ゼネコンとは、元来英語の「General Contractor」の略称であり、元請負者として各種の土木・建築工事を一式で発注者から直接請負い、工事全体のとりまとめを行う建設業者を指す。日本語では総合建設業(そうごうけんせつぎょう)に該当する。
目次
1 語源
2 日本のゼネコン
3 スーパーゼネコン (大手ゼネコン)
4 準大手ゼネコン
5 中堅ゼネコン
6 その他の主要ゼネコン
7 建設会社における「組」
8 関連項目
9 脚注
語源
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ゼネコンは、"General contractor"(ゼネラル・コントラクター)の略とする説が有力である。英語でContractor(コントラクター)は建設工事分野の「請負者」という意味を指し、General Contractor(ゼネラルコントラクター、すなわち「総合請負者」)は、特定工種の工事だけを請け負うSpecialist Contractor(専門工事業者)あるいは元請業者から工事の一部を請け負うSubcontractor(下請業者・サブコン)に対する用語である。
ただし一般的に、欧米でGeneral Contractorと呼ばれる建設業者は比較的小規模であることが多く(特定工種に特化せず、よろず屋的にあらゆる工事を請け負う建設業者という意味合いが強い)、スーパーゼネコンに代表されるような、各種専門工事業者の複合体である日本の総合建設業(ゼネコン)の業態をGeneral Contractorという英語で表現することは、必ずしも適切でない面がある。また、英語の発音は「ジェネラル」に近く、ゼネコンという言葉自体は、特に日本のゼネコンの業態を表現するために使われる和製英語と見るべきであるといえる[要出典]。
日本のゼネコン
日本では、第二次世界大戦後の高度経済成長期に建設需要が飛躍的に伸びたことにより、急成長を遂げたゼネコンが多数存在する。一方で、バブル崩壊後の建設需要の低迷、構造改革による政府の公共事業縮小などが原因で、1990年代後半から2000年代初頭には準大手以下で経営破綻に追い込まれたり、金融機関などの債権放棄によって辛うじて命脈を保つ企業が多くみられた。
多くのゼネコンでは、建設業法上の複数の建設業許可を有する一方で、得意とする分野に特化するものや、その成り立ちから鉄道事業者や鉱業会社・鉄鋼会社の系列であるものも少なくない。前者については、国や自治体の競争入札において専門工事を分割発注する傾向が見られる等の理由もあって、ゼネコンから専門工事部門を分社化、子会社化したり、事業合弁により複数社の専門工事部門からなる新たな専門工事業者が組織されるなどの動きも見られる。
スーパーゼネコン (大手ゼネコン)
平成28年度の売上高(単独)が1兆円を超えるゼネコン。
- 鹿島建設
- 清水建設
- 大成建設
- 大林組
竹中工務店(非上場企業)
日本における建設大手のうち完成工事高上位5社を、その歴史と規模などから俗にスーパーゼネコンと呼ぶ。
スーパーゼネコンは、建設工事の施工を営業の中核としながら、社内に設計部門・エンジニアリング部門・研究開発部門を抱えており、建設に関する幅広い技術力を有している。
欧米の建設業界では、設計業と施工業は設計会社、施工会社と別会社組織で、明確な分業体制をとっているのが普通であり、日本のスーパーゼネコンは世界的に見てもかなり特異な存在であるといえる。
鹿島建設#開発地等、清水建設#宅地開発実績、大成建設#住宅地開発(※子会社の大成有楽不動産も参照)、大林組#自社の宅地開発といったように住宅販売・開発事業などの不動産業なども行っている。
準大手ゼネコン
平成28年度の売上高(単独)が3,000億円を超えるゼネコン。
- 西松建設
- 長谷工コーポレーション
- 戸田建設
- 五洋建設
- 前田建設工業
- 安藤ハザマ
- 三井住友建設
フジタ(大和ハウス工業の完全子会社)
中堅ゼネコン
平成28年度の売上高(単独)が1,000億円を超えるゼネコン。
- 東急建設
- 熊谷組
- 奥村組
鴻池組(非上場企業)- 東亜建設工業
- 鉄建
- 淺沼組
- 東洋建設
- 飛島建設
- 錢高組
その他の主要ゼネコン
- 淺川組
ナカノフドー建設(旧中野組→ナカノコーポレーション。旧不動建設の建築部門が継承され現社名に)
福田組(新潟県が地盤 連結売上では1000億円を超える)
竹中土木 ※土木専業、竹中工務店グループ- 大豊建設
青木あすなろ建設(2001年に経営破綻した青木建設とあすなろ建設が2004年に合併)※髙松CG系、あすなろ建設は元コマツの子会社(旧社名・小松建設工業)
ピーエス三菱(2002年にピー・エスと三菱建設が合併。三菱マテリアル系)
東鉄工業 ※JR東日本系
イチケン ※ダイエー系、現マルハン系- 大本組
名工建設 ※JR東海系- 松井建設
村本建設(奈良県が地盤)- ライト工業
矢作建設工業 ※名鉄系
大和小田急建設(2015年10月にフジタへ吸収合併) ※元小田急系、後に大和ハウス系- 新日本建設
不動テトラ(テトラと不動建設の合併により2006年誕生) ※旧新日鉄系
北野建設(長野県が地盤)- 若築建設
佐藤工業(2002年3月3日に会社更生法適用を申請。経営破綻するまで準大手規模、北陸資本の福岡出身の若築建設が経営支援を主導)
日鉄住金テックスエンジ ※新日鐵住金グループ
あおみ建設(佐伯建設工業と国土総合建設が合併し2008年誕生、2009年2月19日に民事再生法適用を申請)※国土総合建設は国土総合開発の元建設部門の一部で設立母体は旧三菱石油と三菱地所の三菱系2社が中心- 伊田テクノス
日本国土開発(1999年初に会社更生法適用を申請。2001年減資実施)- 大末建設
- 川田建設(KTI川田グループ)
新井組(2008年10月8日に民事再生法適用を申請。経営破綻するまでNISグループ傘下)現スピードパートナーズ傘下
真柄建設(2008年7月5日に民事再生法適用を申請)- 植木組
大日本土木※近鉄系(2002年7月に民事再生手続開始により一旦離脱し2013年にグループ復帰)、NIPPO系
大鉄工業 ※西日本旅客鉄道株式会社の持分法適用会社※JR西日本グループ
広成建設 ※西日本旅客鉄道株式会社の持分法適用会社※JR西日本グループ- 佐田建設
- 加賀田組
西武建設 ※西武系
髙松建設 ※高松CG系の中核子会社- 株木建設
- 松村組
- 平野組
- 森本建設
南海辰村建設(辰村組と南海建設が合併し誕生)※南海電鉄系
岩田地崎建設(岩田建設と地崎工業が合併し誕生)- 伊藤組土建
森組 ※元阪急阪神系、長谷工系を経て旭化成系
第一建設工業 ※JR東日本系- 本間組
- 堤組
- 田中産業
- 水谷建設
- 菊池建設
神奈川建設十社(神奈川県)2008年現在『神奈川建設四社』体制に- 加藤組
工藤建設- 小島組
NB建設(旧・相鉄建設)
奈良建設(2003年3月に倒産。エヌ・エー建設に商号変更)
松尾工務店(建設四社)
馬淵建設(建設四社)※マブチ(梱包運送業)は同社の梱包輸送部門が母体。
三木組(建設四社)
山岸建設(2003年3月5日に民事再生法適用を申請。2004年9月13日に破産)- 和同建設
スルガコーポレーション(2008年6月24日に民事再生法適用を申請)
オセアン大洋建設(建設四社)
- 福浜大一建設
- 染谷工務店
- 松田組
- 丸山工務所
- 森下組
- 上村建設工業
- 岩永組
- 近藤組
- 城東建設 (金沢市)
- 東海興業
- 埼玉建興
- とだか建設
- 不二建設
東レ建設 ※東レ系
日本建設工業 ※三菱傍系・三菱重工関連会社
りんかい日産建設(りんかい建設と日産建設が合併して誕生、2008年8月29日に会社更生法適用を申請。日産建設時代にも倒産の経緯あり) ※元旧日産・日立造船→マイカル系、現在は日本アジア投資支援下
洋林建設(旧和泉組(旧東洋曹達により設立)→和泉建設。1973年大林組が資本介入して約4年後に社名変更)※東ソー(旧東洋曹達)と大林組の合弁- 関東建設工業
- 石川建設
- 石橋建設工業
- 田城建設
他に井上建設などもある。
建設会社における「組」
建設会社の商号には、「大林組」、「熊谷組」、「鴻池組」といったように「組」を使用している会社は多くある。これは江戸から明治にかけて現在の建設業の始まりともいえる大工たちの労働組織が一棟梁単位で分けられ、それを「○○組」と呼んでいたことに由来する。なお、暴力団に「○○組」と名乗っている組織が多いのは、この時期に博徒の多くが取り締まりから逃れる為に土木建築請負の看板を利用したからであって(ヤクザを参照)、それ以上の関連は無い。世間の多くの人々は、建設会社と暴力団との両者に何らかの関連性があるものと誤解しているため、正しい知識が必要である。現在でも伝統を重んじる姿勢から「○○組」という名称を用いる建設会社が多い。
関連項目
- サブコン
- マリコン
- 地震PML
- ITゼネコン