ハード・バップ
ハード・バップ (Hard bop) は、モダン・ジャズの一つ。アメリカ東海岸で、1950年代半ばをピークに1960年代まで続いたスタイル。
「ビバップの発展過程での揺り戻し」「ビバップの伝統の上に、ウエストコースト・ジャズの混在状態を経て、様々な音楽を取り入れて成立」「黒人のブルースフィーリングを熱く押し出したもの」と様々な形容がなされている。
1950年代半ばに衰退をはじめたビバップであったが、1955年のチャーリー・パーカーの死と共に、その影響下にあった若手演奏家たちが一気に活躍し、表面化したのがきっかけといわれている。ビバップのように、コード進行に乗せた、あるいは、コード分解によるアドリブといった基本は一緒だが、それよりも、特にソロのアドリブ演奏面で、ホットでハードドライビングしながらも、メロディアスに洗練されたスタイルといわれている。また、よりフレーズが重要視されるため、メロディーとして成立しない音を音階からはずさざるをえないため、同じコードを使用しても、使えない音が出てくることが多く、ビバップよりも、融通性のないメロディーやフレーズとなりがちであった。
また、ハード・バップはアフロ・キューバン/ラテン音楽の要素、とりわけルンバやマンボ等を取り入れて、ラテン・ジャズへと発展していく。特にハード・バップで演奏されるものはアフロ・キューバン・ジャズといわれることが多い。
ハード・バップの代表的なアーティスト
マイルス・デイヴィス (1926-1991)
マックス・ローチ (1924-2007)
アート・ブレイキー (1919-1990)
ジョン・ルイス (1920-2001)
クリフォード・ブラウン (1930-1956)
リー・モーガン (1938-1972)
ソニー・ロリンズ (1929-)
ジョニー・グリフィン (1928-2008)
エルビン・ジョーンズ (1927-2004)
ドナルド・バード (1932-)
ポール・チェンバース (1935-1969)
トミー・フラナガン (1930-2001)
トシコ・アキヨシ(穐吉敏子、秋吉敏子)(1929-)
参考文献
- デヴィッド H. ローゼンタール 『ハード・バップ モダン・ジャズ黄金時代の光と影』 勁草書房、1997年。ISBN 4326851465。
- Frank Tirro 『ジャズの歴史 その誕生からフリー・ジャズまで』 音楽之友社、1993年、323頁。ISBN 4276232511。
- 細川周平、後藤雅洋、村井康司、寺島靖国、小川隆夫、加藤総夫、柳沢てつや、北里義之、大村幸則、瀧口秀之、西島多恵子、山下泰司、黒田京子、桜井圭介、上野俊哉、米田栄、田辺秀樹、高橋順一、川竹英克、田村和紀夫、大宅緒、高見一樹、島原裕司、柴俊一 『新版 ジャズを放つ』 洋泉社、1997年、22頁。ISBN 4896912500。
関連項目
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